第40話 エフテリングへ
──私エッチなのかな
悠里はバスから風景を眺めながらそう思った。
そう、そもそもこの旅行はアニバの代わりにエフテリングに行こうという話なのだ。そういう意味では到着した初日はゆっくりして、二日目に一日中エフテリングで遊ぼうというのは完璧に正しい計画であり行動なのである。いや察してよ。
とはいえ世界最大のテーマパークと言われれば悠里も不満なわけではない。クラスの友達に自慢はできないが一生の思い出になるだろう。それはとても楽しみだ。
ただ悠里には和樹の態度が不思議なのである。悠里が見知っている「男」というのは、どいつもこいつも性欲の塊だった。でも和樹はそういう態度が全く見られない。気を使ってくれている事は間違いないが、子作り宣言はどうした?と思うのだ。
「帰りは迎えが来てくれるからオランダの風景を楽しんでね」
それが電車とバスを乗り継いでいる理由らしい。
「……和樹って紳士だよね」
悠里は歪曲に和樹の態度を問い質した。
「そうかな?」
和樹は最初意味がよく判らなかったぽいが、すこし間を置いて言葉の意味を察した。
「裏イベントは後だよ」
和樹はすこしにやついてそう言った。そう言われると恥ずかしかった。
「それに、その翌日は多分お休みが必要だし」
和樹はにやついた顔でそう言った。
「僕は全力でお相手するからね」
和樹はちょっと顔を赤くしてそう言った。その顔を見て悠里も顔が熱くなった。
「……いきなり激しいのはヤだよ」
悠里はちょっと横目遣いでそう言った。
そうこうしている間にバスの窓から巨大な尖った屋根が見えてきた。
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