第34話 疲れ果てた乙女

「コニチハ、ヨウコソ」

ホテルのコンシュルジュはたどたどしい日本語でそう挨拶した。


「何かあったら彼に言ってね」

和樹は例の用事の事前準備で出かけるとのことで、その間の悠里のお世話係として紹介された。もっとももう疲れたからずっと寝てるだろうけど。


「お金も立て替えてくれるけど、とりあえずはホテルからは出ないほうがいい」

初めてくる国で独り歩きなんてしないよ。てかシャワー浴びて寝る。


という事で悠里は和樹とコンシュルジュと一緒に部屋に行った。想像通りなんかすごい部屋だったが、疲れてもう驚きの声もでない。あーすごいすごい。


「7時までには戻るからそうしたら夕食に行こう」

そう言って和樹とコンシュルジュは出て行った。


初めての外国、初めての高級ホテルだったが、子役時代から枕が変わる事が多かった悠里は適応力が高い。お風呂に入ると広くて一瞬ビビったが、まあアンナコトを想定したものだよね、と思ってシャワーだけ浴びた。


そしてバスローブに身を包み、ベッドに入ってすぐに寝てしまう悠里だった。

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