八章 彼らの社会

第43話 孫との初対面

翌日の昼、和樹は一人でユーロフューチャー・アムステルダムを訪れた。エフテリングが世界最大のテーマパークだとすれば、ここは世界最古の証券取引所である。


証券取引所としての世界ランクは六位。そういう意味では東京証券取引所より取引の規模は小さいが、それとて巨大な経済を動かしている事には間違いない。これから会うのはその最高経営責任者なのである。よくアポ取れたもんだ。


受付で名前を告げるとすぐに建物の奥にあるエレベーターへ案内された。四階建てくらいの高さなのにご大層なことで。


受付嬢も一緒にエレベーターに乗り、四階の東側奥へと案内される。両開きの扉の前にはガードマンが居たが、受付嬢が手続きをするとその扉を開いてくれた。


最高経営責任者の執務室は思ったよりは広くなかった。いや充分広いのだが、もっと無駄に広い部屋だと思っていたのでこれはちょっと意外だった。そしてその部屋には和樹が会う予定の男が居た。男は巨大なデスクから立ち上がり、微笑を浮かべながら和樹に近づいて挨拶をした。


「お待ちしていましたよ。ヒョードーさんディヘア.ヒョードー

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