第13話 その力とは
「普通の人と違う力ってなによ?」
悠里は気になって訊いてみた。
「判りやすく言うと催眠術みたいな」
兵藤はそう答えた。
「ひょっとしてそれで女の子をナンパする?」
悠里がそういうと兵藤は否定した。
「しないしない」
そう言って兵藤は説明した。
「催眠術とは言ったけど自白剤みたいなものかな」
相手を操るのではなく、相手の警戒心や心理的障壁を和らげるものだという。
「ナンパに最適じゃん」
悠里はそう言ったが兵藤は否定した。
「相手に少し後遺症が残るんだよ」
それにそんな事をする必要ないし、と兵藤は言った。うざっ!
「……で?神の子さんはそれを具体的にどう使ってるの?」
悠里は嫌味たっぷりにそう訊いた。これは少し警戒の意味もある。自分がその催眠術とやらにかかっていないかを確認するために敢えてそう言ったのだ。
「今だと投資情報、あるいは競馬とかの動物を使う賭け事」
意外な用途に悠里はやや驚いた。
「あとは戸籍操作だよね」
なんか聞き捨てならない事を聞いた気がする。
「戸籍?なんで?」
悠里はその点について訊き返した。
「そりゃ生活に必要だし」
戸籍がなければまともな職業に就くこともできないじゃない、とあっさり言った。
「はい質問があります」
悠里は手を上げてそう言った。兵藤はハイ加藤さんと返した。
「センセは本当は兵藤和樹という人じゃないの?」
言ってからこれすごい質問だと気がついた。
「兵藤和樹本人だよ」
ただそれ以前の名前があっただけ、と兵藤は答えた。
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