九章 裏イベント
第50話 オランダはエロかった
「オランダといえばチューリップだと思ってた」
悠里はローキン通りを通った時にそう言った。
「チューリップは春だからね」
和樹は困ったような微笑を浮かべてそう言った。
チューリップもないではないが、それで溢れかえってるというわけではない。特に目立つのはサボテンである。なんかイメージと違うな。
ライツェ広場に行って適当なレストランに入る。あまり高級な店ではないがこういうほうが落ち着く悠里だった。繁華街のせいか派手な格好の人が多い。
「なんかクラブみたい」
席に座って悠里はそんな事を言った。
「フォンデル公園が近いからね」
和樹はメニュー見ながら軽くそう言った。
「ライブでもあるの?」
悠里は店内をきょろきょろしながらそう訊いた。
「やっぱり知らないよね」
和樹は微妙なにへら笑いを浮かべてそう言った。
「なによ?」
悠里はちょっとむっとしてそう言った。
「スマホでフォンデル公園を調べてみな」
和樹は微妙な笑顔そう言った。なんだよもう。
「…………!」
検索結果をいくつか見て悠里は絶句した。
「オランダは風俗に大らかな国だからね」
和樹は適当にオーダーして笑いながらそう言った。
フォンデル公園とはなんと国家公認の野外セックスのスポットとのことだ。いやそれだけじゃない。SEXMUSEUMとかとんでもない単語まで出てきた。
「ちょっとまさか!」
悠里は和樹を睨みつけた。まさかそんなとこでイタそうとか思ってんの!?
「違うちがう。近かったから来ただけだよ」
和樹は笑いながら否定した。
「どうだか」
悠里は矛を収めた、というより思わず周囲を見渡してしまった。えぇ……つまりあのお兄さんやお姉さんたちはこれからそういう事を……?
「全員がそうじゃないからね」
和樹は苦笑してそう言った。でもこの中の何人かはそういう事をするのかと思うと、とてつもなくエロく感じた。すげえなオランダ。
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