第23話【閑話1 魔道具創造を検証してみたら】
まだ自分の能力を把握しきれていないある日の事だった。
僕は自分のステータスプレートの内容を確認しながらひとつずつ出来る事と出来ない事を確かめていた。
(魔法については大体理解出来たけど、この魔道具創造アイテムクリエイターってスキルはどうやって使うんだろうか?
魔道具って言うからには便利な道具を作る能力なんだろうけど、材料が必要なのか?
頭で考えるだけで出来るのか?さっぱり分からないな)
今のところは魔法で殆んど対応出来ているので別段何か道具が必要という状況ではないため何を作れば役にたつか思い付かなかった。
しかし、確認がしたかった僕は魔法では出来なかった“アイテムボックス”に相当する“収納鞄アイテムバッグ”を試してみることにした。
(イメージを明確にして・・・口を開けたら異空間に繋がって・・・自分の意思で出し入れ出来る鞄のイメージ)
イメージを明確にするために目は閉じているが手は大きさや物の出し入れをジェスチャーで表現していると手の周りに魔力素材ー魔素まそが集まり出してだんだんと型を成してきた。
数分後には手に何かを持っている感触がしたので目を開けてみると頭の中に描いた鞄が手の中に収まっていた。
(マジかー!?これってイメージさえしっかりしていれば何でも作れるんじゃないのか?)
そう思った僕は大好きだったラノベ小説の“このアイテムすげー欲しい!”と思っていた幾つかの道具を実際に作り上げた。
出来た道具を見てその道具自体よりもチート能力の凄さに唖然としていた。
(この能力だけでも簡単に世界征服出来るんじゃねぇか?
まあ、そんな面倒臭いことは絶対にしないけど。
大体、世界征服して世界の王になって何が楽しいんだよ。
せっかく能力を持って転生したんだからもっと楽しんで生きることにしよう)
(だけど、一体誰が何の為にこんな能力を僕に授けたんだろう?
神様が出て来て世界を救って~とかも無いし、王様から魔王を倒して欲しい~とかも無いし。
まあ、使命がない方が自由に暮らしていけるから大歓迎なんだけど、先ずは生活基盤の構築をしないといけないからどんな仕事でお金を稼ぐか良く考えておこう)
僕はステータスプレートを眺めながら万能職についてもテストを繰り返してみたところ隠蔽したプレート表示以外でも能力は発動するようだが職業がコロコロ変わるのはこの世界ではあり得ないことなので同じ街内で複数の職業を名乗るのは厳禁だと言えるだろう。
(いくらチート持ちでも世界の常識を知らないとキツイ状況もあるだろうから早いうちに協力者を探さないといけないかも知れないな)
そんな事を考えながら近くで狩ってきた獲物を調理して旅の食事用に魔法鞄アイテムバッグにしまうと(さて、明日には山を降りるからもう一度必要な道具の確認をしてから寝るか)と鞄の中身を確認した。
その後、僕は明日から起こる災難にはこれっぽっちも気づかずに心を踊らせながら眠りについた。
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