どれだけ狂気に塗れても、愛し笑おうとするならばそれはきっとラブコメだ。
学校帰り。
アパートの前で飯ごうで米を炊いてる女の子がいた。
立ち上る煙、炊き上がる白米。
あの子の笑顔。
夜、一人泣く彼女は過去に何かを抱えてる。
何気ない日常をただ笑い過ごしていく中、確かに潜む悪意が少女を傷つけようとしている。
人間もどきの少年は、そんな彼女を笑わせたい。
少女が泣いてる理由を探すために。
心の傷に寄り添うために。
笑える明日を迎えさせるために。
彼女が死ぬ『夢』を少年は見続ける。
それは『心傷風景』、心が描いた傷の図画。
少年に与えられた唯一の力。
いつか狂うと理解しながら、それでも彼女に笑っていて欲しいんだ。
どんなに乞い願っても彼らは普通に恋もできない。
ラブコメディみたいな日々に憧れた少年少女の物語。