第22話 グレン1
■時間さかのぼってグレン視点■
カランカラン…
呼び鈴が鳴り入ってきたのは真っ赤な服を着た少女だった。ずいぶん変わった格好だとは思ったがこの辺の子じゃないのだろうから深く考えるのはやめた。
見知らぬ土地で右も左もわからないのかもしれない。
とりあえず声をかけてみようと思った。
「これはこれはお美しいお嬢さん何か依頼ですかな?」
「うーん…依頼といえば依頼になるのかしら?オーガを…」
オーガ討伐!?一大事だ!
「なに!?オーガが町の近くに出たのか!?それは大人数集めなきゃならねぇ大きい依頼だな。」
「いあ…違うの…オーガの解体と素材の買取をしてほしいのだけど…場所はここでいいのかしら?」
ん?なにを言っているんだ?この子は…
「え…」
「ロキ様が質問しているのです!迅速に速やかに明確に答えなさい!」
と、突然詰め寄られ困惑する俺…
「えーと…お…おぅ…まぁなんだ…解体場は隣の部屋だが受付はここでやっているよ。」
「そう…ありがとう」
そういうと少女は受付にいくとオーガの死体を出した。
現場が凍りついた。
突然何も無いところから出てきてみんな驚愕しているのだろう…
まぁおれも驚いてはいるがあれはアイテムボックスとかのスキルなのだろう
たまに生まれつきそういう能力を持っているものもいる。たぶんこの子はその能力を買われお使いを頼まれたのだろう。きっと村か町の男たち総出で討伐したオーガを換金しに来たのだ…絶対に無いとは言えない話だ。
「これを解体して売りたいんですけど」
「は…はい!」
ただ気になるのはあのオーガあんまりたいした傷が無いんだよな…よっぽどの手練でがいるところから来たのかな?どこだろう…俺も腕には自信あるが俺と同レベルが5人もいればオーガをこちらが無傷で倒す自信があるけど、もっと何度も打ち付けなきゃ無理だ…少なくとも攻撃力という面ではこの子のところにいる傭兵に負けているわけか…少し悔しい…
と、考え事をしていると
あの子に話しかけにいってる男がいた。
「へへ…お嬢ちゃんが代表で…おつかいかい?あのオーガを狩ったメンバーはどこにいるんだ?」
あいつ…まさか…
「いないよ?そんな人たち…私たち二人で換金に来たの?ダメかな?」
くっ…馬鹿な…なぜそんな正直に答えてしまうんだ…どこの世間知らずだ…
くそ…これであの子は獲物認定された…どいつもこいつも…
あんな世間知らずな子にいくら便利能力があるからって
こんな危ないお使いをさせたやつも…なに考えてやがるんだ…
「そうかい…気をつけて帰れよ!無事にこの町から出られるといいな!へへ…」
町を出る前に金を奪うつもりだな…
どうする…気づいてしまった以上放置するわけにも…
いあ、まだ事件が起きると決まったわけじゃない
あとをつけて様子を伺おう…
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