第49話 激突!
今この場には私たち3人とこの男しかいない…
どう見ても私たちに話しかけてるし状況から見てエメラダの本名がルーシアスなんだろう。
本来なら知り合いらしいからエメラダをこの男に預ければ万事解決なんだろうけど…
たぶん…この男は敵だ。私たちの敵になりうる存在だ。
ゲームで戦ってたあの魔人族のほうだ。まぁそれはいい…敵なら敵で倒せばいいだけだから…
でも問題はエメラダが記憶が戻ってしまうと敵の一味だってことである。
ホント嫌な運命の巡り会わせだ…とりあえず、とぼけておくか。
「ルーシアスって誰よ?この子はエメラダよ。」
「なに言ってんだ?え?まさか他人の空似?」
「そうよ。この子はずっと前から私たちと暮らしているんだからあなたの探し人とは違うわ。」
「そっかぁ…そいつはすまなかったな…」
そう言って男は背を向け…
「って…そんな眠たい目をした魔人族がそうそうお前以外にいるか!!」
突然男は襲い掛かってきた。ピコハンアックスで男の爪をなんとか受け止めた。
「…人違い…だって言ってるでしょ…くっ…ひつこい男は嫌われるわよ!」
とんでもない力である。エメラダより力だけはありそうである。やっかいな…
「うっせぇー!こいつに何しやがった?こいつは人間を殲滅するために派遣された尖兵だ。
なぜそれが人間と一緒につるんでやがるんだ!」
「だーからー違うって言ってるでしょ!!頭おかしいんじゃないの?エメラダは最初からエメラダよ!そんな恐ろしいことする子じゃないわ!!」
またやつの爪が襲ってくる。
ピコハンアックスではじき返す。
「ロキおねぇちゃん…記憶があったころの本当の私は悪い子だったの?」
エメラダがおびえている。
「そんなことないわ!それにそんなことはどうでもいい!今のあなたはとってもいい子よ?」
「な、な、なんだ?ルーシアス!お前記憶喪失なのか?だはははは!なんか弱みでも握られて従ってるのかと思ったら記憶喪失?だはははは手加減知らずの殲滅力で恐れられてこの任務を与えられたお前が記憶喪失とかどんな笑い話だよ!」
イラッ…
さっきから汚い声でベラベラと…うちの子にひどい事を…
「おい、おまえ…次エメラダをその名前で呼んだら殺す。エメラダは私のものだ!お前らなんかに渡さない。」
「あ?人間風情が魔人族に勝てると思ってるのか?やってみろ!ルーシアス!お前みたいな壊すことしか能がない兵器が人間とつるんでんじゃねぇ!早くそいつらを殺せ!」
プチンッ
もう謝っても許してあげないわ。エメラダは確かに不器用でよく壊すけどそれでもケーキ自分で作ってみたいと言っていた。そんな健気な子を兵器だなんて許さない!
あんまり使いたくない魔法だけど…
極悪すぎるし、ものすごい疲れるからやりたくないけど…
あなたに恐怖を叩き込むために使ってあげるわ!
「インビジブル!」
すると男の体が手から消えていく。
「うぁあああ!なんだこれ!手が!手が俺の手がなくなった!」
「五分後…私はあなたに何もすることなくあなたを地に這いつくばせて勝利するでしょう…」
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