第19話 襲撃

「こちらが買い取り金額になります。」

30万ギルで買い取ってもらった。

10人でギリギリ30人いればまぁ普通に勝てる相手らしいし

一人1万ギルで軽い狩りなら日当として妥当な値段かもしれない

代わる代わる交代で攻撃してフルぼっこにするらしいから

オーガの死体はすごいぼろぼろになってしまうらしいので

私のおろしたオーガは良品って事らしい

私も対外複数回殴ってぼこぼこにしたつもりだけど

30人でやるほどむちゃくちゃにはなってないしね

もうひとつの運よく首切り暗殺できたほうなんてとても提出できないねこれは…

いろいろ聞かれそうでめんどくさい…

あと、キングラビを解体だけしてもらって食材にしてもらった。

まわりでかなりひそひそ聞こえる…

キングラビにオーガ…いったい何が起きようとしているんだ…まさか何か不吉の予兆か…とかそんな感じのことを話し合っているようである。

私一人で倒したとはさすがに誰も思ってないらしく私に不審がる目線は特に無かった。

よきかなよきかな…

すると、さっきの傭兵の男…うん傭兵のお兄さんと呼んであげよう…その彼がこちらにやってきて話しかけてきた…

「あの…お嬢さん…さっきの男たちの事なん…」

何か言おうとしたが私はそれをあえてさえぎる…

「あ!さっきの親切に教えてくれたお兄さん!ありがとうね!助かったよ」

「いあ…それはいいんだが…その…」

ダメダメ言わせないよ…忠告なんかされて

私が安全に帰れる方向になっちゃったらつまらないじゃないか…

あくまで私は無知で無警戒な小娘…

「それじゃまたどこかでー…今度お兄さんが困っていたら何か助けてあげるよ!じゃーねー」

それはほんと…別に私は殺人鬼じゃない。いい人にはちゃんと人として向き合うよ。

私が殺すのはゴミ…ゴミは人じゃない…だから殺すだけ。

単純に相手によってそれ相応に向き合うだけ。

すごい心配そうな顔をしながら私を見送るお兄さん…

ちょっとかわいそうな事したかな…後で暇になったら無事を報告してあげよう。



さて…狩りの時間だ。

私たちは少しずつ人気の無い方向へと向かっていた。

確実に気づかれないようにゆっくりと寄り道をしながらたまたま入り込んでしまったかのような風を演じそれを信じきった獲物たちが絶好のチャンスだとばかりに距離をつめてきた…

「おい…そこの嬢ちゃんよーこんな人気の無いところに来るのは感心しないなぁー」

「な…なんなんですか!あなたたちは!」

「今更警戒したってもう遅いぜ…もう囲まれてるからな…へへ」

確かに囲まれていた15人…どんなけクズなんだ…

向うにとってはごく普通の少女を襲うのに15人がかり

あまりのクズっぷりに反吐が出る…

隠れて様子を伺っているものもいるが16人…あれ?一人増えてる…ん?あそこにいるのは…

「お嬢さん!こっちに来い!そして逃げるんだ!ここは俺が時間を稼ぐから!とにかく逃げろ!」

ななななななななにぃぃぃぃぃ!ばかばかばかばかばかばか!この人本気で馬鹿!

どうしてお兄さんがいるのよ!なにしてるのよ!死にたいの!自殺志願者なの!?

今日出会ったばかりの小娘になに命張ってるの!?この人に私に好かれようとか変な下心とかなかった…純粋に人を心配してる馬鹿なんだ…なんなのよこれ…何でこんな人がいるのよ…

もうやりにくいなぁ…周りがクズばかりだから私も安心してどこまでも残酷に残虐になれるのに…

こんな純粋な善意の塊みたいな人がいたんじゃ…あぁ苦手だわ…これはほんと困った…

とりあえず話をつながないと…

「そんな…ダメです!お兄さんも一緒に逃げて!」

「大丈夫だ!俺はお嬢さんなんかより断然強い!10人くらいならなんとかなる…」

ないない…私より強いなんて事はない…

でも10人相手できるほど腕に自信があるのか…ほんとに強いんだな…

だけど残念ながらここにいるのは10人じゃない…お兄さんは気づけてないのだろう…

あと5人隠れてるんだから…うーん…困ったなぁ…

このままじゃお兄さん10人までやれても5人からの奇襲で確実に死んじゃうな…

ここで私の実力見せて暴れまわれば簡単に解決だけど…

出来ればこのままただのお嬢さんのままでいたいんだけどなぁ…


私が迷ってそうこうしている内に男たちのうち4人が既に事切れている。

それに引き換えお兄さんはまだ余裕があるようだ。だがそれでもやはり人数差は辛い…

6人…9人目に手を出そうとした瞬間お兄さんの脇腹は凶刃によって貫かれ倒れ付してしまった…


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