第40話 二人の育成

と言うわけでダンジョン到着である。

ここのダンジョンは適正レベル30なのでちょうどいいレベルではある。

ただ、それは私にとっては…と言う点が問題である。はっきりいっちゃえば足手まとい二人を連れてという意味では結構難しいダンジョンになるのではなかろうか。

ユリシアはホントただの一般人少女だから言うまでも無くものすごく弱い。それを装備で補正してマシにしているだけ。一方エメラダはステータスは半端無いのでただ殲滅せよって話ならエメラダ一人で行かせてもクリアできるだろう。だが今回は加減を覚えさせなきゃいけない。そんな足手まとい二人を監視しながらとなると…

まぁやって見ない事にはわからない。

まずは第一階層を進んで見る。ここには主にジャイアントスネークとかキラーウルフが出てくる。


どうやら早速現れたようである。キラーウルフである。

「はい、ユリシー攻撃用意してー」

「は…はい!」

どうやらめっちゃ緊張しているようである。ガチガチになっている。

気軽にやればいいのに…

ユリシアは弓を引き絞りキラーウルフめがけて弓を撃った!

ピロローン…

30センチほど飛んだかな…

うん…

ユリシアは考えるとダメなタイプだな…

この前門番相手には見事に眉間を打ち抜いていたのに

あの時は私の敵だと判断しユリシア神兵モードになっていてから出来たのだろう。

ユリシアは何も考えないほうがいいみたいだ。そこで私はわざとキラーウルフの前に無造作に近づいた…キラーウルフは私に気づき牙をむき出しにして襲い掛かってきた。

「あぶない!ロキ様!」

あわやキラーウルフが私に噛み付くかってところでキラーウルフの体に矢が刺さった。

うん、やっぱり切羽詰れば出来るみたいだ。回数こなせば普通のときも出来るようになると思う。

だが矢では一撃でしとめ切れなかったのかその勢いのまま襲い掛かってくる。

まぁこの程度のタイミングで回避と攻撃を同時に出来なきゃトップは語れない。

私は空中に飛び上がりながら向かってきたキラーウルフの下あごにそっと手を当てその流れのままに円を描くように流しキラーウルフの頭を地面にたたきつけた!

討伐完了である。まぁまだまだ準備運動のレベルかな。

さらに進むとキラーウルフが三体現れた!

じゃーここは…

「エメラダー全部倒してー。手加減して出来る限り原型が残ったままでお願いね。」

「うん。がんばってみる!」

うーん…たぶんダメだなこりゃ…緊張はしてないけどがんばろうとして力んでるかも。今のうちにかわいそうな死に方をするキラーウルフたちのためにお祈りしておこう。


ズガーン!ドゴーン!バーン!

見るも無残な肉片に成り果てたキラーウルフたち…

「まぁ最初は難しいよね」

少ししょんぼりするエメラダ…

驚いた顔のユリシア

「大丈夫だよユリシー…

日常生活用の力加減はすぐマスターさせたから…

何かを壊すときに使う力がどれほどかまだわからないだけだから

そんなおびえなくても大丈夫だよ。」

問題は山積みである。

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