第41話 私の戦い方
しょんぼりしたエメラダを励ましつつ進むと次はジャイアントスネークが現れた。それじゃ今度は私が行かせてもらおうかな。ジャイアントスネークは二メートルくらいの大きさの蛇である。地球にもそれくらいのはごろごろいるのでジャイアントって名乗るにはいささか小振りな蛇である。まぁそれでも2メートルは充分巨大…噛み付かれても困るけど締め付けられても恐ろしい。
さて、どうやって倒そうかな。
せっかくだからあれで行こう。
私はジャイアントスネークに対し武器を持たずに近づいた。
「そんな、ロキ様危ないです。そんな戦い方…」
「まぁ見てて…手を出さないでね」
襲い来るジャイアントスネークの牙…
それをギリギリで避ける…なんてことはせずそのまま腕に噛み付かせた!
その牙から注ぎ込まれる毒液…あっという間に私のHPを削っていく。
だが私はそこでリジェネサークルを発動!毒のダメージより早く回復していくHP。
そしていまだに私の腕に噛み付いている蛇の頭にこぶしで殴り続けた。
私は口元を弧の字に歪めながらジャイアントスネークに語りかけた。
「さぁ勝負しましょう?あなたの毒と私の弱い力でひたすら頭殴られる事…どっちが先に耐えられなくなるか。」
だがジャイアントスネークは私におののき牙を離して逃げ出してしまった。
「逃げるなんてつれないねーでも逃がさないよ」
私はピコハンアックスを水平に振ってジャイアントスネークめがけて投げつけた。
見事に狙い通り首を跳ね飛ばされジャイアントスネークは絶命した。
「あ、あのロキ様…毒は大丈夫なのでしょうか?」
「ん?全然大丈夫じゃないけど大丈夫だよ?」
そう…ジャイアントスネークは倒したけど今も絶賛毒のダメージを喰らい中である。
「ロキおねぇちゃん死んじゃうの?」
エメラダが心配している。
「あー平気平気!毒耐性そのうち取得するから…というか現在進行形でじっくり取得中だから」
耐性系スキルは何度もくらう事で取得するがある一定で急にダメージ0になるわけじゃない。
10ダメージだったものが次は9.9ダメージなってみたいな感じになって少しずつ獲得していくものである。
そして毒ダメージは普通であればそう何度もくらうものじゃなく本来はそこで死んで終わりなので中々耐性スキルを取得できるものじゃない。ちなみにゲームの世界では死んでも復活があるけど、デスペナルティで手に入れた毒耐性経験値が減ってしまうので例えゲームの世界でも普通のやり方じゃ毒耐性は手に入れられない。他の方法としてはポーションがぶ飲みとかがあるが膨大なお金が必要なためあんまりお勧めできない。しかしこのリジェネサークルだけは別…バランスブレイカーの称号は伊達じゃなくここでもその力を発揮するのであった。
「それにしたって君よくやるねぇ…理論上は可能だとわかっててもぼくはやりたくないね。リジェネサークルは回復はしてくれるがダメージの痛みを消すものじゃない。今だって平然とした顔してなんでもないフリしてるけど、吐き気めまい頭痛そういう症状が出てるはずだけど…」
「え…そんな無茶してるんですか?ロキ様…!」
まぁさすがにこいつにはばれるか…そう正直死にそうなほど苦しい…気持ち悪い…吐きそうでたまらない…やめときゃよかったって思うほどきつい…でも、毒耐性はなんとしてもほしい…この世界で生存するためには必ず必要になると思う。
「せっかくポーカーフェイスがんばってるんだから二人に心配かけるようなこと言わないでほしいね。そこは黙っておきなさいよ。」
「そう思うなら心配かけるような戦い方をしなければいいのに…」
うるさい…これが私の戦い方なんだから、ほっといてもらいたいね。
無課金戦士は無茶をしなきゃ無謀な相手に勝てないんですよ。
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