第10話 詠唱はロマン
人は時々勘違いを起こす…それは思い込みだったり理由は様々であるが…
今の私がそれだといえるであろう。
「え?魔法放つのに詠唱がいるの?」
「はい…猫神様からしたら児戯に等しいことかもしれませんが…普通人間は無詠唱で魔法なんて…」
「どういうことよ!運営!魔法に詠唱なんていらないって言ってたじゃん」
「ちょ…あんま人前で直接話しかけないでくれるかな…それにそれは君勝手な勘違いだよ…
確かに魔法に詠唱がいらないとはいったけどそれはあくまで『プレイヤー』がだよ?ちゃんと言ったよ?正確に間違いなく…この世界の原住民にその法則が当てはまるとは言ってないよ。だからこの世界のフレイムアローの詠唱を僕が教えてあげたじゃん…あの短いやつ。あれがそうだよ」
「な!確かに…言ってた気がする…うあ…でも明らかに事実誤認を狙った発言よそんなの!詐欺よ!」
「いあ…別にプレイヤーが優遇されるだけで損してないでしょ…」
「いいえ!大損よ!魔法に詠唱は引きこもりオタクのロマンよ!格好良い詠唱唱えたいの!」
「知らないよ…そんなの…やりたかったら生き死にかかった状況でも唱えてればいいじゃん…縛りプレイって事で…」
「気分の問題なのよ!自分が詠唱で魔法発動させたって信じきれなきゃ意味ないのよ!」
「そんなこと言われてもね…」
ふと…気づくと目の前には驚愕の顔をした少女がこちらを見ていた。
「ん?どうかした?」
「もしかして…そちらにいるのはフェアリーですか?」
「え?あぁ…まぁそうだけど…」
「やっぱり…猫神様だフェアリーが人間と会話するなんてありえない…」
「あ…なんかそういう設定だったっけ…こいつ…」
「あのよろしければ猫神様…うちの村まで来てください。」
「え?村?街じゃなくて?」
「はい…このまま北に向かえば街ですが途中で東に行くと私が住む村があります」
「そんなのあったっけ…いあないよ…」
「あるんだよ…ゲームじゃなく現実になったんだから全世界に数個の街だけしかないとかありえないでしょ…ゲームには登場しなかった村もあれば国もある…それが現実ってことだよ」
「なるほど…確かに…わかったわ…村に行きましょう!てかそういえばあなた名前は?」
「ユリシアです。」
「そう…じゃーユリシーって呼ぶね。私のことはロキって呼んで」
「そんな猫神様に愛称で呼んでもらえるなんて…はい…ロキ様…」
「いあ…様とかちょっときついんだけど…まぁいいや」
そして私たちは予定した北方面じゃなく東へ向かった…
あれ?盗賊っぽい人が結局なんだったか聞くの忘れたけどいいか…
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