第45話 カッとなってやった。後悔はしていない。
嫌味妖精との会話もほどほどにしエメラダのほうに目線を向けるとだいぶ原型の残った状態で倒されるレッサーワイバーンの群れが見えた。
うんうん…だいぶ手加減がうまくなってきたな。あそこに落ちてるやつなんてもうほぼ完璧…あの感じを常に出せるようになれば立派に戦力に数えれるようになるだろう。
と、その時一匹のレッサーワイバーンの攻撃がエメラダにヒットしその攻撃でエメラダはバランスを崩してしまいそこから皮切りに次々と他の攻撃もヒットさせてしまった。
プチン…
「うちの子になにをしたぁあああああああああ!!」
セイクリットセイバーによる攻撃力強化発動!
エンジェリックウィングによる加速発動!
全力の加速でレッサーワイバーンの群れに突撃し次々にその頭を粉砕!
そして武器による攻撃をしながらのフレイムアローの同時発動。
瞬く間にその場にいたレッサーワイバーンは物言わぬなにかに成り果てたのだった。
「ふぅー!ふぅー!ふぅー!」
肩で息をしながら呼吸を整える私…
そして周りの光景を見て冷静になってくる…
あ…
「だから…過保護はほどほどにって言ったのに…エメラダならほとんど無傷だよ。ちょっとよろけただけでドッジボールでボールをぶつけられた程度のダメージしかくらってないよ。それよりも君が皆殺しにしちゃったせいで二人の成長の機会を奪っちゃったよ?練習相手に最適の存在がいい感じに大量にいたのに…一旦皆殺しにしちゃうとまた増えるのは普通より時間かかるんだよね…どうすんの?」
うぐぐぐぐぐ…やってしまった…エメラダが攻撃されてつい…カッとなって…
「そ、それは…えーと…マイハウスで時間を飛ばしてまたいっぱい沸く頃にこっちに戻ってくる…とか?」
「ふむふむ…中々名案だねーぼくは全然かまいませんよ?それでも。でもいいんですか?こんなくだらない事で二人に世間との時間にずれを発生させてしまって…何度もやっていれば浦島太郎状態になりますよ?例えばユリシアなんかが一番被害が大きいですね。
ユリシア的にはほとんど時間が経ってないのにご両親がおじいさんおばあさんになってあっという間に天国に旅立ってしまうように感じるかもしれませんね…あの両親…村長と言ってもまだまだ若い夫婦だったのに…かわいそうに…」
むぐぐぐぐぐ…言い返せない…それを言われるともう何も言い返せない…
く…くやしぃぃぃ…私が全面的に悪いのはわかってるけど…
こいつに責められると何かめっちゃ悔しい…
「ご、ご、ごめんなさい…ついカッとなっちゃって…」
「ううん。ロキおねぇちゃんは悪くないよーエメラダが油断しちゃったのが悪いんだよ。それにエメラダのこと心配して戦ってくれるロキおねぇちゃんすごいかっこよかった!あんなに効率よく敵を倒せるなんてすごい。すごく勉強になった。」
涙が出そうなほど私のことをフォローしてくれるエメラダ…
「はい。ロキ様の戦いを見る事以上の勉強はありませんよ!」
ユリシアまで…うぅ…おねぇちゃんは幸せ者だよ。
「やれやれ…君たちはほんとに…ほんとにやれやれだよ…どんだけお互いに甘いんだか…まぁ好きにすればいいさ。よかったね。これ以上ないほど愛されてて!」
ふん…誰にも愛されない嫌味悪魔が嫉妬して何か言っている。
そんなやつは無視して私は二人をぎゅっと抱きしめるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます