第12話 街までの道のり

ユリシアの村を後にした私は街へ向かうべく…また森を歩いていた…

そう…3時間ほど…

「え?ちょ…マジ遠くない?遠すぎない?運営!どうなってるの?ゲームの時はワンクリックで隣の町だったじゃん!」

「そりゃそうですよ。だから…ダンジョンとかプレイヤー以外誰も行きませんよ。遠いし人間一人が太刀打ち出来るものじゃないから…この世界の原住民は地球人に毛が生えた程度の能力しかありませんよ。魔法だって一生をかけて初級か一億人に一人の天才が中級覚えれる程度…」

「え?そんなに?そりゃ神とか思われるわけだ…でも、私まだレベル25だよ?これで400になったらどういう扱いされるのよ…」

「まぁ神にもランクがありますからもっと凶悪な厄災扱いされるんじゃないですかね…あはは」

「他人事だと思って…」

ゲーム時代村人たちつまりNPCの扱いはただクエストをくれるだけだった。例えば『娘が病気なのです…』とボソッとつぶやくだけ…そこをプレイヤーが勝手に『この病気を治すのは氷魔神の角が必要だ』とかなんとか言って勝手にクエストが始まるストーリーはクソつまらないゲームであった。

そんなクソゲーをなぜ私が極めたかといえばストーリーはともかくアクションはほかのどんなゲームよりずば抜けていたのだ。ほんとに現代科学で作ったのか怪しいくらいの出来で革命的だったのだ。

話がそれたがそんな感じのクエストばかりで正直プレイヤーとNPCの関係性はまったくもって不明であった。なのでまさかここまで力量に差があったとは思わなかったのである。

「でもそうすると街人と魔物の関係は?どうやって討伐するの?」

「基本そんな魔物がダンジョンから出ることもないし自分から魔物生息域に行かない限りほとんど安全な世界のはずですよ。万が一オーガが人里に現れたら一匹相手に手練で10人で死闘になりますね」

「あーそういう世界感なんだここ…」

「あの…ロキ様?そろそろ野営の準備をしないと…」

と、後ろを歩いていたユリシアが近づいてきて囁いてきた。

「え?野宿になっちゃうの?あと1時間頑張れば着くとかそういうのじゃないの?」

「いえ…あと7時間はかかるかと…」

私の頭の中が絶望に染まった…

移動手段も早急に手に入れなきゃ…

あ…手に入れるといえば課金でそう言えばマイハウスシステムとか乗れるペットシステムとかあったな…どれも強さには一切関係なかったから切り捨てたけどこれを使えばいいんじゃん

「ねぇ…運営!マイハウスと乗れるペット売って」

「えー…ほんとバトル以外なら容赦なく課金しますね…ホントのホントにあなたは自分を許せるんですか?これまで無課金を貫いてきたあなたがそれでいいんですか?あんなに運営の力を頼らない孤高の存在だったあなたがこんな緩い存在だったなんて…僕は残念です…」

と、妖精の姿をした運営は大袈裟な演技で両手を肩の高さに広げ首を左右に振り、やれやれと言いたげな態度をしてくる。

「うぐぐぐ…うっさいわ!あんたは課金させたいのかさせたくないのかどっちなんだよ!?」

私がバトル以外の課金を気にしないと知って運営は言葉巧みに人の心を折に来る。

こいつは私に嫌がらせをするのが生きがいなのか…なんてやつ…

この仮は必ずいつか…

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