第13話 課金装備を使う

ガチャ…それは悪魔の遊戯…

そう…今私はそれに手を出している…

マイハウスはガチャでしか手に入れられない…好きなものを買えるわけじゃないのだ。

欲しい家具を出すまで十数回…私は奴の狡猾な罠にハマってしまった事に気づいたのである。

ガチャはマイハウス用ガチャをやったからといって家具しか出ない訳ではないのだ。

そしてその罠というのが…

破魔の弓矢

適正レベル1

攻撃力189

魔力188

神に祝福されし巫女服

防御200

敏捷159

くそ…図らずも課金装備にお金を払ってしまった。なんてことだ…

横で悪魔のような笑みを浮かべながら妖精が鬱陶しく飛び回ってこちらの顔を覗き込んでくる…

むかつくぅぅぅぅうぅ…

「ふん…これはあくまで手に入れてしまっただけに過ぎない。私が使わなければ問題ないのだ!」

私の言葉にまだ余裕の顔でニタニタしている悪魔…

私が手に持っていれば我慢できずに使ってしまうだろうと思っての事だろう…

相変わらず人の心の弱さを知り尽くした悪魔である…

だが私にも策はある。

「ふふふ…いずれ使うこと企んでいるのだろうが甘い!貴様の思い通りになると思うなよ!貴様の思い通りになるくらいなら今使ってやろう!だが、使うのは私じゃない!さぁ!受け取りなさい!ユリシアよ!」

「え!?」

横の悪魔が不愉快そうに舌打ちをしている。

なんてやつだ…

「ここ…これは…まさか神兵のみに与えられる神装ですか!?つまり私にただの世話係じゃなく邪なるものを打ち払う神兵となれって事ですか!?」

あ…やべ…またなんかスイッチ入った…

「有り難き幸せ…私…この命に代えましてもこの任務果たしてみせます!」

「あ…うん」

ダメだ…止められないや…

そしてユリシアに装備させた。

名前 ユリシア

レベル 1

職業 神兵

HP 5

MP 4

腕力 1

体力 1

魔力 1

敏捷 1

所持金0ギル

破魔の弓矢

祝福されし巫女服

うぁ…真面目に弱い…いあ…それはいいんだけど職業神兵…ってなによ…

思い込みで職業って変えれたんだ…

それはそうとユリシーとんでもない逸材だわ…

さっきまでは現代人の感覚で言うとボロ切れみたいな服だったんだけど

課金の巫女服に弓矢…

これはそっちの趣味の人には垂涎の出来ですわ。

ただでさえもともと顔は村娘のくせにかなり良かったのに

こんな服着せたら一流コスプレイヤーもびっくりなゲームの世界からそのまま出てきたような…

ってここもともとゲームの世界か…くそ…そりゃ映えるはずだわ…

私より年下のくせに胸も大きい…

なぜだ…なぜあんな貧相な食事でそんな立派な体に育ったんだ…おかしいだろう…

妬ましい…なぜ私は草子を貧乳子にしてしまったんだ…

「あの…ロキ様?大丈夫ですか?なにか背後から邪神でも呼び出しそうな気配を感じましたが…」

「いえ…なんでもないわ…」

そう言いながらユリシアの胸を少し強く鷲掴みにした。

「はぅん…な、なにを…も、もしかして神兵への儀式…」

また勝手に都合よく明後日の方向に勘違いしてくれた。

もちろんタダの嫌がらせの八つ当たりなのだが…

「そ、そうよ!神兵になるためにあなたの中の邪な気を払ってそして聖なる気を送っているのよ」

邪なのは私の方なのだが…少しくらいいいじゃないか…こんな理不尽にあっているんだからちょっとくらい辱めたって…くそ…

「あん…なんだか力が入らなくなっていく…これが私の中の邪な気…」

何言ってんだ…この子は…あぁ…宗教って怖いなぁーと…

私は足元に崩れて立てなくなったユリシアを眺めながら感慨にふけるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る