第33話 魔人族の少女
■魔人族の少女視点■
気がつくと私はそこにいた。何も覚えてないし何も思い出せないけどでも、そんなことはどうでもいいかなと思う。なんかゴブリンの群れがいたので話しかけてみようと思って近づいてみた。
するとみんないっせいに逃げ出した。
うーん?おにごっこしたいのかな?
じゃー1000くらい数えればいいかなー
いーちーにーさーんしー…
きゅーじゅきゅーひゃーく…
きゅーひゃくきゅーじゅーきゅーせーん…っと
そろそろ追いかけてもいいかなーと
ゴブリンたちの逃げていった方角に向かって追いかけにいった
「あっれれぇ?私のゴブリンどこ行ったんだろう?ちょっと先に散歩させていたらいなくなっちゃった…」
あそこに知らないおねぇちゃんがいるけどあの人はゴブリンじゃないし
あ…蝶々が飛んでる…いいなー私も飛びたい…
あぁそうだった…ゴブリン追いかけてたんだった…
一応あのおねぇちゃんに聞いてみよう
「ねぇ…おねぇちゃん…ゴブリン知らない?追いかけっこして遊んでたんだけど…かくれんぼに変わったのかな?」
「さぁ?知らないわね…ゴブリンなんてダンジョンに行けばいくらでもいるんだからまた捕まえればいいじゃない?」
そっかーやっぱ知らないよねーでもダンジョンに行けばまた会えるのかいい事聞けた。
「うーん…それもそうだね。」
いい事教えてくれたおねぇちゃんにお礼をしようと近づくとおねぇちゃんが後ろに下がった
「ん?どうしたの?もしかしておねぇさんが今度は追いかけっこしてくれるの?」
やさしいおねぇちゃんだ。私がゴブリンを見失って遊べなくなったから代わりに遊んでくれるみたいだ。
じゃー今度こそ見失わないように捕まえようっと…
そう思いおねぇちゃんにタッチしようと手を振り上げた。
「あれれ?捕まえたと思ったのに…思ったよりも素早いんだね。」
だけど、あっさりよけられちゃった…さすがおねぇちゃんだ。
「魔人族にほめてもらえるなんて光栄だわ。」
まじんぞく?なんのことだろう?それが私のことなんだろうか?
「ん?おねぇさん私の事知ってるの?」
「知ってるわよ。でも魔人族は普通はこんな所にふらっといたりしないはずなんだけどね。いったい何が目的でいるのかしら?」
目的?さっき気がついたばかりだし何も覚えてないし…うーんおねぇちゃんの話は難しい…
「さぁ?わかんない…おぼえてない。」
すると今度はおねぇちゃんからハンマーのようなものでタッチしてきた。
「いたたたた…私がタッチするはずだったのに逆にタッチされちゃった?もしかしてお互いにタッチする遊びなのかな?」
だとしてもちょっと痛いかなー大人だから力の加減がわかってないのかな?
おねぇちゃんには軽いつもりだったのかな?
もしかして遊びでも本気でやらないと面白くないっていうやつかな?
それなら私もがんばって本気でやらないと。
でも2回3回とがんばって当てようとしたけど全然当たらない…
やっぱ大人なおねぇちゃんはすごいな…
私はさっきから何回も当てられてるのに…
うーーん
えい!今度こそ当たれ!
「うぐぅあ!」
あ…あたったぁああ!
私のタッチあたったー!
嬉しくて思わずその場で飛び跳ねてしまう。
「やったぁーやったぁータッチできたぁおねぇちゃん素早いからすごく楽しい」
でも大丈夫かな?さっきおねぇちゃんの腕が反対側に曲がってたけど強くやりすぎたかな?
うん、大丈夫そうだ。普通に腕戻ってるし元気に振り回してる。
おねぇちゃんは速く続きがしたいのかまた即座にタッチしてきた。
そうやって何度かタッチの繰り返しをしているとおねぇちゃんが呟いた。
「preparation is completed…(準備完了…)」
ん?なになに?
「翼よ!重力の戒めを解き放て!」
すると突然おねぇちゃんの背中に翼が生え
そのまま空中を駆け上がり宙返りして私の背中に回り…
「グランドクローース!!」
「はぐぅ…」
肺にたまった空気が抜けちゃったのか呼吸が出来ない…
そして私はそのまま100メートルほど吹き飛んだ!
しゅ…しゅごい…これが大人のおにごっこ…
まだまだもっと私もがんばらないと…
そして私はそこで意識を失ったのです。
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