第54話 海岸の町へ
外に出て馬車に乗り海岸の町に向かった。
今から向かう町…その名を海岸の町ダイアモンドコースト
ゲームではまさにそこはその名に恥じない美しい海だった。
太陽の光で輝く海と砂浜のなんかキラキラする奴。まさにそこはパラダイスであった。ゲームを忘れてそこで観光するものもいるくらい綺麗に作りこまれたすばらしい町だった。砂の城を建てたりコンテストが開かれたりゲーム内でイベントが開かれるとまずみんなここに集まる。そんな場所だった。せっかく海岸があるなら少し遊びたいと思ったが水着を用意していない事に気づきどうしようかと考えていると…守銭奴妖精が話しかけてきた。
「やってきました!期間限定水着ガチャ!今だけ!今だけ半額の大御奉仕価格!!」
どこのテレフォンショッピングだよ…まぁ癪だけどやるか…この世界にも水着あるかもしれないけど恐ろしくダサかったりするし…戦闘で使うわけじゃないからいいよね。
ラインナップを見て見ると白のフリルの水着の上にレースの服のようなのがついたものがあった。これは水着ではなく服だ!と言い張れば何とか通りそうな感じの衣装である。
「これがほしいなぁ…いいなぁかわいいなこれ。」
「いいですねぇー…でもなにぶんこれはガチャでしていくらお金をつまれても指定して買うという事は出来ませんので…」
「わかってるわよ…何なのよそのキャラは…いつまでやるつもりよ…」
「いやなんかノリで。」
仕方ない…運任せでガチャを回すか…
結論から言おう!また100万かかった…
水着に100万費やす女がここにいますよー。
頭おかしいと思いますか?笑ってくれてもかまわないですよ。ははは…
だって…出ないんだよ。運営の操作を疑ったけどいくら性格のひん曲がったあいつでもそういうのは嫌うし単なる運なんだろうな…
もしかしたら前に言ってた特異点云々の話がかかわるのかもしれない。これはほんとに水着なのかと言うようなV字型のただの紐とか頭のおかしな水着ばかり出て私のほしいのが出なかった…だけど100万円分もガチャまわしたおかげで目的の水着も手に入ったし、今回の私の目的としてはハズレ商品だけど乗り物アイテムの原子力潜水艦のような魔動力潜水艦と豪華客船などが手に入った。現実なら何億円するんだこれ?「水着を買ったら魔動力潜水艦がおまけでついてきたので、異世界で無双します。」って小説にありそうなネタだな…私どこに向かってるんだろう。とりあえずこれで水着は手に入った。
私はもはやそこでテンションがおかしくなっていた。
かわいい水着が手に入りあのゲーム内で見た海岸の町へ行けると思うとまるで遠足前の小学生の気分になっていた。そのせいもあってまだついていないのに馬車の中で水着に着替えていた。まぁ服に見えなくもないしいいじゃん…って思って。
…それに町に特に用はないのですぐ海向かうからいいかなと思った。
そして今ゲームで見たあの美しい光景が現実の目の前に広がっている。きれいな海にきれいなビーチ。ゲームで見るより綺麗だった…
…って言いたかった。なんだここはぁああああ!!!!
漁師が捨て去った網や壊れた船の残骸。何か得体の知れない生物の死骸。エトセトラ…ゴミと言うゴミが散乱していた。海はヘドロでにごり太陽の光などまったく反射しない美しさのかけらもない場所だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます