第56話 汚染の真実

「それで…なんでこの海はこんなに汚れていたんですか?」

私は怒りを抑えつつ集まってる人たちに聞いてみた。町の人間全員が犯人なら町ごと灰にしてやろう…幸い大きな焼却炉を作ったところだし…皆殺しにした奴を埋めるのに苦労はしない…いあいっそこの町ごと焼却炉にしてしまおうか…

などと、どす黒い事を考えていたら、一人の老人が語りだした。

「昔はちゃんとやっていたんです…聖女様の浄化ほどではないにしても美しいと呼べる景観は保ってきました。」

「ふむふむ…それでそれがどうしてこうなったんですか?」

「漁師長が亡くなりその倅が漁師長を継ぐことになったんですが…そいつがまた稀代の悪でして決まった漁獲量があるのにそれを無視して他の漁師の分まで根こそぎ取ったり…」

早く結論話してくれないかな…漁師同士の揉め事なんて興味ないんだけど…

「もう一度聞きます…それでそれがどうしてこうなったんですか?」

冷静な口調で言ったつもりだが私のイラつきに気づいたのか、あわてて話し出した。

「あの…そのえーと…とりあえずそのダグラスって言う男が好き放題やった結果3年でこうなりました。文句を言いたくてもどういうわけかあの男、領主を味方につけていて前に文句を言いに言ったうちの息子は次の日には町の中央にさらし首にされていて胴体部分は海に投げ捨てられていました。領主に逆らったものとして死刑執行されたのです。息子の妻もダグラスに辱められた挙句串刺し刑に…」

なんとも鬱展開だな…

「こんな人がいっぱいいるところで領主に様をつけないなんて不敬罪も覚悟の上ってことですか?」

「ふ…こんな老体の首など何の価値もありませんよ。あえて生かす事で私を苦しめているのでしょうね。逆らえばどうなるかと言う事の生き証人として。」

ホント胸糞悪い話である。それでなぜここまで汚す必要があったのか…いあ、人間が生きてれば汚れるものか…汚れても好き放題片付けずに放置した結果ってことかな…

とにかく話の概要はわかった。

ダグラスは正直どうでもいいとして領主どうしようかな…

領主殺したらやばいよねー…領主ってのは国王が決めた人間がなるものだしそれを殺すってことは国への反逆として王国軍が討伐に来るわけでそんな話になるまで私ここいないし適当に遊んだら次の町にいくつもりだしな…領主殺しの犯人がいなくても面子のためにきっと、王国軍はこの町の領民を皆殺しにして解決とするだろうしな…でも、領主殺っとかないと…10時間も土木作業させられた私の気が治まらないし

あージレンマ…どうしようかな…

いっそ…そんな領主を任命した国王も殺っとくか?

10時間のバイト代請求しに行くか?

あーゲームだとむかつく奴殺して終わりなのに現実はめんどくさい…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る