第29話 タイムアタック戦
グレンを見送ったあと私は悶えていた。
「くぅぅう…かっこいい!私かっこいい!めっちゃいい感じのシーンだったよ今のは!死地に旅立つ勇者に剣を授ける…こんな名シーン…なかなかめぐり合えないよ!」
「いいんですか?一緒に戦ってあげなくて…確かにあの武器は中々強力ですが500匹相手にするのは武器だけでは心もとないかと…」
人が気分良く楽しんでる所にいちいち水をさす悪魔妖精…
「いいのよ。あれで…ヒーリングもついてるんだから充分よ。仮にあれで死ぬならそれまでなのよ。いつもいつも危険な事ばかりに首を突っ込むんだからいずれ早死にしてしまうわよ。」
「あれ?ずいぶんドライなんですね…てっきりあのグレンさんを特別扱いしているのだとばかり思ってましたが…結構イケメンですし」
「はぁ?ないない…これだから恋愛脳の人は嫌なのよ。少し気にかけたらすぐ男女の恋愛の話にする。確かにグレンさんはいい人だと思うわ?そう…いい人よ…別に彼は何も悪くは無い。他の女性ならきっと彼を素敵と思うでしょうけど私はパス…あの人と付き合うくらいならあんたと付き合ったほうがよっぽどマシ…そういう意味では前にも言ったかな…あの人は天敵よ。私が私でいられなくなる存在…苦手なのよ…あ…勘違いしないでね?グレンと付き合う可能性が0,00000001パーセントなだけでそれよりマシと言っても0,00001パーセントだからあなたは…」
「なるほどなるほどー言い換えると君にとってぼくはグレンさんより1000倍魅力的で愛してるって事ですね。光栄です。ありがとうございます。あー感動で涙が…」
「ブフッ!」
いあ…確かに数字の意味的にはそういうことになるけどさ…普通そういう意味にとるか…
この屁理屈男は…一ミリも喜んで無いくせに大げさな動作で感動している振りをしている。
「とにかくさっさと行くわよ!一旦南出口から出てスレイプニルに乗り町の外周を回って北へ行きゴブリンの背後を取るわ!」
「あー500匹グレンさんに任せるんじゃなかったんですね。」
「誰がそんなもったいない事しますか…勝利条件!ゴブリン400以上の撃破!グレンに100いかれた時点で私の負け…これがちょうどいいハンデよ」
ただ倒すんじゃない…今度はスピードも大事なのだ。
一歩でも無駄に歩いていてはダメなのだ。
10分後…
前方にゴブリンを補足!あと距離5…4…3…2…1…
私は馬車を引くスレイプニルから飛び降り着地の勢いのままにピコハンアックスを振り回し最初のゴブリンの首を刎ねた!
私に気づいたゴブリンは一斉に次々と私に襲い掛かってきた!
うひゃぁあ…さすがにこの数が一斉って…怖いわぁー
例えるならイナゴの大群である。
イナゴに負けないって言ってもイナゴの大群に突っ込むのは勇気がいるってのに似てるかもしれない。
「さぁかかって来なさい!ゴブリン共!私が相手だ!」
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