第53話 面倒くさ、ゾロゾロクズが攻めて来る!
豊かな国になると、やっかみか旨い汁を相伴しようとか、泡良くは己の支配下に置こうと、思惑は違えどやる事は同じ、小規模大規模の違いだけで、盛んにちょっかい掛けて来る事、煩わしい!!!
武器の開発は、ツベルの進んだ技術工作機械のお陰で、ついに銃身にライフリングを付ける事に成功、回転式6連発拳銃が完成しました。
バンドラインスペシャルを模して、銃身を長くし、小銃に近い命中率と飛距離をもつ拳銃と、ジュラルミンの盾を神殿騎士団の正式装備としました。
神殿騎士団は、この1年でずいぶん実力を付けて来ました。
鍛えている教官は、竜人のタツノ、ラミア族のララア、アルケニー族のケイト達が規格外の攻撃を教え、対人戦に関しては、リムにカリラ国防中隊メンバーが、マンツーマンで特訓!
これで強く成らなければおかしいです。
酪農地区や、重工業地区を単発的に襲撃してくる集団が現れました。
初めは盗賊か、傭兵崩れ位に思って、手透きの神殿騎士が対処に向かっていました。
軽く対処して、捕らえた盗賊を訊問(拷問)した所、ルワ国、ズク国、ダスカ国、其々の兵士と判明、ワト神聖国として、正式に抗議文を送ると共に、3国関係者の国外退去を命じました。
情報収集のため、ステルスに長けたコボルト族2名ずつが3国に飛び立ち、数日で情報を持ち帰りました。
ルワ国は多数角持ちの鬼族の国で、荒くれ者の無法状態の国との事。
ズク国は、兎人族の国、人口が爆発的に増え、経済がまともに回らなくなり、裕福な所から略奪しましょと、安易に参戦。
ダスカ国は、前2国に搾取され続けて来た豚人の国。
抗議文を送ってそれだけで、一件落着と成るはずも無く、頭の悪い最悪の対応、ダスカ国が宣戦布告、と同じくしてルワ国が進軍して来ました。
ズク国が情報収集作戦参謀、ダスカ国が支援物資武器弾薬供給、ルワ国が実戦担当のようです。
ワト神聖国の防衛兵100少々と侮り、ルワ国軍5000、ダスカ国補給部隊およそ1万が押し寄せて来ます。
ルワ国軍の装備は、雷管式単発歩兵銃と単発式短銃、歩兵銃の先には短剣が付いています。
ルワ軍は一斉射撃して来ます、神殿騎士団のジュラルミンの盾が問題無く防ぎました。
「突撃!踏み潰せ!!!」
号令と共にルワ軍が押し寄せて来ます。
武器に頼り、兵士個人の戦闘力は低く、鍛え抜かれた神殿騎士団に敵う訳も無く、生き残った敵兵は、蜘蛛の子を散らす様に逃げて行きました。
しかし、2~3日もすると、又々軍を整え攻めて来ます。
又々追い返します。
そんな不毛な繰り返しが続いたある日、荷車に黄色い旗を立てた一人の商人がやって来ました。
荷車の荷物は釣り鐘のような、不思議な物です。
城壁の近くまで荷車がやって来た時、ナギだけで無く、ナミまでが火のついたごとく泣きじゃくり出しました。
唯事でない二人の様子に、ワトさんと私は、城壁に飛んで行きました。
釣り鐘を見て、凄く嫌な気分になった私は「鑑定!!」詳細を調べました。
「ワトさん!!!」「あれを無力化!釣り鐘の中2つの塊を消して!!!!!」
間に合ってくれ!!!!!!!
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