第11話 じいちゃん唖然上級冒険者弱!

 冒険者達は、何かを感じたのか、青い顔して縮こまっています。

 無意識に、ゴンから貰った威圧が、発動したようです。


 最初に話した男が謝って来ます。

「申し訳ない、ご老人、竜から助けて貰った上に、治療までしてもらいながら、礼儀を欠いた行い。

 儂ら55人は最上級冒険者で、竜相手に力試しをやろうと、ガルバニより参った者、儂らではかすり傷すら付けられぬ竜を、目の前で、たった一人で容易く倒され、妬み半分の非難、度重ねた暴言非礼の数々、詫びてもご老人の腹の内修まらぬであろうが、何卒ご容赦願いたい!」


「普通に話しなさい!その物言いでは、気持ちが伝わらんぞ‼」

「そちらの遺体は、どうするつもりだ!森の魔物に喰わせるつもりか?」


「我らでは50人もの遺体、弔う事もできず、せめて遺品でもとは思っておるが・・・」

「私が遺体を収納して、運んでやっても良いが、あんな事言われた後、何か見返りを貰おうか!」


「王都で、竜殺しの証明してやろう」

「要らん!!偉そうに、私は行く!勝手にの垂れ死ね!」


「まてっ、待ってくれ!」

「待って下さいだろ!もうお前らとは関わらん」

「勝手に魔物に襲われろ!」


「治療はしてやった、体力回復してるだろ、バカは最後までバカやってろ!

 命を助け、回復までしてやって、これ以上私を頼るな!

 5人も自称上級冒険者が揃って、銅カード持ちのじじいなど頼るな!」


 竜殺しは無条件で侯爵になる、此を思い出したようです。


 5人は目の前に回り込み、バっと揃って土下座です。

 頭を擦り付け「助けて下さい、ご老人の言うことは何でも聞きます私達5人、ご老人の従者でも下僕でも、何にでもなります、見捨てないで下さい!」


「しょうがない」

 私は次々と遺体を収納して行きます、千切れ飛んだ手足も残す事なく全て収納しました。

 ふと思いました、ボロの毛皮修復出来てた、この遺体も収納から出せば、修復出来ているのでは?


 5人は収納の速さに、更に平伏するのでした。

 此処で休んで居るように告げ、ゴンの所へ行きます。


「ゴン此処でお別れです。余計な同行者ができてしまった」

 ゴンは気持ちよく、うなずいてくれましたが、考えていた事を実行することにします。

 無限収納はコピー出来ず、収納はコピーできたのでゴン、ミメ達に装備してもらおうと、思っていました。

「ゴン、ちょっと待って!収納あげたから試してみて」

 素材解体後のコカトリスを出し、収納試してもらいました。

 ゴンは器用ですから、一発で収納出来ました。


「カメありがとう!また一緒に狩をしよう」

 ゴンは帰って行きました。


 その後ミメ達にも収納渡して、使う事ができるようになりました。


 破壊不可の私の服もコピーしてみましたが、出来ず、それでもできたコピーは最強防具、癒し自動修復が着いた優良品なので、大量コピーしておきました。

 ミメにも協力してもらい、ボクサーパンツとシャツも大量コピーしてコピー品を3人に渡して置きました。

 着方はミメが説明していました、今朝の話です。


 MPは服のお陰で即回復出来ます。

 ミスリル剣もコピー、大金貨は止めて置きました、良心が・・・。


 ミメ達を連れて冒険者の所へ行きます。

 5人は一瞬嫌悪が顔に現れましたが、私の手前無言でした。

 感じ悪!


 冒険者の名前は、全員シムが付いて居ますが、兄弟とかでは無いそうです。

 わかり安く説明すると、日本名の一男とか吉男と言った、男名の定番らしいです。

 最初に話した男がエシム、きさまと言ったのがイシム、お前呼ばわりがアシム、じじいと言ったのがウシム、ずっと無言がオシム。


 5人はアボガ町へ行くそう、残念ながら同じ行き先なので、同行させない訳に行かず、ついて来る事になりました。

 偉そうに上級面して、1人ではコカトリスも狩れない。

 竜を倒そうなんて無謀としか言えない!

 ゼンナの冒険者の実力たかが知れてる。


 私達がサクサク、コカトリスやオークを倒して行くのを、驚異の目で見ていました。

 使えない!家臣希望みたいですが、要らない!


 森林湖からアボガ町まで3日の道のりだそうです。

 先を急ぐので、遅れるなら置いて行くと告げ突き放します。


 こっちは邪魔物を狩りながら進んで居るのです。

 何もしないで歩くだけの奴らが、遅れるのが不思議です。

 チンタラ歩くんじゃねぇ!


 道中エシム達に冒険者なら、カード読めるだろ!LV教えろ!と強要すると、

 渋々と言った感じで教えてくれました。


 エシム LV20 HP98 MP22

 イシム LV19 HP95 MP20

 アシム LV21 HP99 MP23

 ウシム LV20 HP97 MP21

 オシム LV22 HP100MP25


 ゼンナ王国って何か呪いでも掛かっているの?上級者弱!

 ガルバニの冒険者の中、この程度で最上級とは............

 なるほど、私達の行軍に付いて来れない訳です、ミメ達は元々体力有るし、私はワトさんが細工した服のお陰で無尽蔵の回復です。

 それにLV3でも、私の方が遥かに強い!

 この国の冒険者使えねぇ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る