第30話 じいちゃん告白される
「ゼンナ王都、西海岸に黒船艦隊来襲、市内に向け砲撃中!」
ゼンナ王都西海岸は、ガルバニ大川と捕鯨のガレロ村に挟まれた、海岸線は短く遠浅で、港は造れません。
今は市民の憩いの場、海水浴場になっています。
こんな所を、ピンポイントで砲撃するのは威圧のためでしょう、
まるで被害の少ない所を、選んだようです。
武力介入の割に、紳士的態度、会話を望んでいるように、感じ取れます。
私は、ミメ達全員70人の魔人、獸人に集合して貰いました。
「黒船艦隊は、諸君らの祖国から救援に訪れたと、推測されます」
「ルナ、何か意見は?」
「じいちゃん、黒船にはアイン皇帝が乗ってると思う」
「なぜ皇帝が乗ってる?」
「皇帝は私の婚約者なの、私の消息が掴めず、苛立っての行動でしょう」
「そうか、もしもルナに何か有れば、ゼンナを壊滅してやるって意気込みなんだね!ルナは愛されてるな!」
「そう言う事なら、ルナの同行は必須!他に同行希望者は?」
「じいちゃんは、早くルナ姫と飛んで行って!後は、じいちゃんに皆加速貰ってるから、走って行くニャ」
「皆が無事な所を、見て貰いたいし、走って行きます」
「ワトさん、皆を西海岸に転移させる事出来る?」
「皆が繋がってたら、送れるよ」
「じゃ、みんな近づいて、団子に固まって!」
「ミメ、ツベルで戦う意志が無い、話がしたいってしるし教えて!」
「んーーと、戦う意志が無いは、黄色の旗かな、話がしたいは、ゆっくり振るのニャ」
「有難う!」
「エシム!黄色の布で旗を二本、大至急手分けして作ってくれ!」
「ハッ!!侯爵様すぐに!!」
「ワトさん、準備出来るまでに、王と対策話して見よう!」
「そうね、ウフッ」
「何?ワトさんその笑い?」
「私の筋書きでは、王は逃げ、カメさんに全て押し付け・・・」
「?ワトさん?」
「そう言えばワト界って、ワトさんが思うままに、どうにでも出来るって・・・そんな話してくれた事が・・・」
「何でも、思うままなんて、出来ないわよ!たとえば、カメさんなんて、全然思うようにならないし・・・」
「そう?なの」
「そうよ!いい加減私の気持ちに、気付いてよ!!」
「え?えーーーっ!」
「あのぅ、ワトさんは神様で、私は人間で・・・」
「私が人になるのは不可能・・・じゃ!神になる?カメさん!」
「出来るの?」
「今のカメさんなら、既に神よ!」
「なるほど、私もノリノリだったけど、カメ魔神はワトさんの筋書き通り?」
「うふっ!ばれた?」
「ワトさん、私がワト界に来てまだ2年程、世界の事何も知らない」
「こんな爺に、ワトさんみたいな、可愛くて頼りになる、素敵な神が好意を持ってくれる、私みたいな、幸運な男は居ないでしょう。
でも、まだ人で居たい、人の世でもっと色々やってみたい!」
「見てくれの歳は、神になれば・・・子供の姿でもなれるし・・・でも、そうね1億年カメさんを待ったのだもの、後100年200年待つのなんて、何でも無いわ!完全に振られた訳じゃないし・・・」
「ワトさんみたいな、素敵な人じゃない神、振るわけ無いでしょ!」
「ワトさんが、神界に帰らなくて良いなら、婚約して一緒にツベル大陸の旅します?」
「良いの?付いて行っても!あっ!ララアやケイトほっといて、怒られない?子作り約束したでしょう?」
「ワトさん突然過ぎるよ!子作りなんて、爺にゃ無理!!」
「カメさんの気分の問題よ!男性機能に何も問題無いよ!立派な身体よカメさんは!」
「なんなら、私で試して見る?問題無く出来るわよ!」
「イヤイヤ・・・ワトさん、おそれ多い❗」
「カメさんと私の仲で、そんな事言うの?今更」
「旅の間にその気になって、チャンスがあれば・・・って❗何を言わせる!ワトさん」
「うふっ、カメさんが顔を赤くするの、始めて見たわ」
じゃれ会って居る間に、黄色い旗が出来上がりました。
王の会談は行きそびれです。
結果、突然アイン皇帝を連れて行き、もっとゼンナ王を、パニックに落ち要らせる事になってしまいます。
結局旗を抱え、全員で王都西海岸に転移しました。
あんな話の後です、ワトさんを変に意識して、転移のため手を繋いだだけで、年甲斐もなく赤面です。
「じいちゃん、顔が赤くニャい?」
「じいちゃん、熱でもあるの?」
ミメとルナに心配されました。
西海岸に転移しました。
砲撃は一時中断のようです。
私とルナが、それぞれ旗を持ち、ゆっくり大きく振りました。
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