第49話 空爆で一気に勝利

神王国防衛中隊122名を私が、竜人族51名をワトさんに、ルナ達57名をミメが担当して長距離転移、洞窟出口、ロキソニ側に現れました。

突然現れた部隊に驚くと思ったが、ルナを目敏く見つけたのか、満面の笑顔のアイン皇帝に向かえられました。


「アイン、ロキソニ帝国はどんな状況?」

「プロミネント軍に攻撃されてるが、ロキソニの強固な城壁は持ち応えて居るようだ!」

「ロキソニ帝国の占領はアインに任せる、私達は邪魔なプロミネント軍を空から叩き潰す!!!」

「それは助かる!両軍戦闘中で、介入の余地が無かった」

「ツベル軍はしばらく待機してくれるか?直ぐ終らせる!!」

「ああ!お手並み拝見」

「竜人族航空隊出撃準備!!」打ち合わせ通りタツノ男爵が号令をかけます。

「タツノ男爵、出来るだけ大砲は破壊しないよう攻撃して来て!」

「我が主、逢瀬のままに!!!」

「竜人航空隊、出撃!!!」



「こちらは、ツベルゼンナ同盟軍竜人航空隊である!!」

竜人族タウロ副官が、吠えるような大声で告げます。

「これから空爆を実施する!!!」

ロキソニ帝国を攻撃中のプロミネント軍に、タツノ率いる竜人族50名が、銘々得意な魔法攻撃を発動します。


「薙ぎ払え!!!」タツノの弾んだ声が響きます。

5000程のプロミネント軍が、一撃で吹き飛びました。

突然の攻撃に残りの兵3000程が右往左往しながら、それでもプロミネント軍は、対空砲火を続けます。

高速で飛び回る竜人には、全く被害は有りませんが、タツノ達に、出来るだけ大砲等の兵器を、破壊しないで攻撃するよう指示したのが裏目に出たようです。


見渡した所、プロミネント軍の大型大砲は1門、小型砲が50程見られます。

砲弾は、只の鉄玉を打ち出すだけの、原始的な大砲です。

「蓋開けて筒掃除、玉込めて、蓋閉めて旧式大砲ドッカーンてか」

「威力は大した事無いな!あれは要らない」

「タツノ全て破壊して構わん!殲滅!!!」

風魔法の音声伝達は、神王国軍全員出来るようにしています。


私の許可が出たので、砲諸とも全て鎮圧、攻撃を終えて竜人航空隊が帰還します。

プロミネント軍は壊滅です。

普通は半数が殲滅された時点で、全滅戦闘終了なんだけど·····認識改めないと、地球の常識通用しないな。


「生きて虜囚の辱しめを受けず」何処かの旧陸軍のような思想を、プロミネントは持って要るようです。


代わって、リム率いる神王国防衛中隊122名が飛び立ちます。

「ロキソニ帝国に告ぐ!!今すぐ降伏せよ!!!」リム隊長が風の魔法に乗せて告知しています。

「降伏の意思が見られ無き場合、空爆を実施、全てを壊滅する」


帝国の城壁、皇帝の城、至る所に一斉に黄色い旗が立ち上がり左右に振られて居ます。

呆気ない降伏は、プロミネント軍殲滅を目の当たりにして、我が空軍に恐れをなした結果です。


アイン皇帝率いるツベル軍2000が、ロキソニ帝国占領のため進軍します。

斥候隊500には、新兵器水平2連散弾銃を貸与して、撃ち方も指導しました。

神王国防衛中隊は、ロキソニ帝国領の空を飛び回り、威嚇と監視を続けます。

「そこの兵士!降伏したなら、武器を捨てよ!!!」

「武器を棄てない者には、戦闘の意思有りとし攻撃する!!!」


ズッダーーン


見せしめの意味を込めて、銃を手放さない者に爆裂彈を投げ付けたようです。

帝国内に向けての、住民を巻き込む魔法攻撃は無いと、多可を括っていたロキソニ兵達は、空からの爆弾攻撃に恐れおののき、大慌てで自ら武装を解除して居ました。



占領したアイン皇帝は、ロキソニ皇帝に無条件降伏か、ロキソニ帝国の壊滅か、二つに一つの選択を迫りました。

無条件降伏を、ロキソニ皇帝が受け入れ、会談は終了。

直ちにロキソニ一族、男女65名年寄りも乳幼児も含め全員が捕らえられ投獄、大臣8名全員と軍高官20名も投獄、戦犯裁判の後全員死刑にしました。


裁判の様子はこうでした。

被告人93名が土下座させられ、アイン皇帝が罪状認否を告げます。

「お前達ロキソニ帝国首脳者は、我がツベル帝国帝都を攻撃、瓦礫に変え多大な被害を、我が帝都に与えた!!!その行為を認めるか!!」

被告人93名は無言です。

ロキソニ皇帝は、ふてぶてしく、口を歪めていました。

「弁明無き事は、罪を認めたと判断する!よって全員死刑!!!!!」

突然の判決に、今まで無言の抵抗をしていたロキソニ皇帝含む93人は、一斉に騒ぎだしました。

「これが裁判か!!!」「ふざけるな番族ども!!!」

「許して!せめて子供だけは!!!」大声に驚いたのか、子供達が泣き出しました。

「今更遅い!裁きは終った!!」


処刑は一般公開にしましたが、民衆はロキソニ皇帝の死を惜しむ様子も無く、淡々と処刑が進みました。

相当な独裁者だったようで、しかも優秀で無い独裁者は、民衆からかなり嫌われていたようです。


占領して即座に行われた、飢えた住民に対しての炊き出し!

肉に野菜がたっぷり入った、味噌煮込み、これに小麦粉を練って団子にして味噌煮込みに入れた、「温かい水とん汁」は飢えた住民の胃袋を掴み、ツベルゼンナ同盟軍に対して、概ね歓迎ムードです、住民もバカでは有りません、今後の政策次第でロキソニ皇帝に対するような目で見られる結果にもなります。


勝てば官軍、何をしても良いのですが、愁いを残さない処置が大切です。

色々な行為を見て、じいちゃんはしみじみ思うのでした。

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