第9話 じいちゃんゴンの村に行く

その後ホーンラビット程度と遭遇するだけ、強い魔物には出会わず、サクサクと進めました。

今、森林湖までの半分位来ているそうです。

早めですが、野営できそうな場所が無いかゴンに聞くと、それなら是非にと案内された所は、小規模な集落でした。

「こんな所に村が有ったんだ!」

「ここはオレの村だぞ」

「ゴンの村?ゴブリンの集落なのか!」

村は、半円の丸太の柵に囲まれた岩山で斜面に縦穴が掘られた、縦穴式住居でした。

柵には門番らしいゴブリンが2名居て、こっちを見ています。


「シュウチョウ」「カエッタ?ニンゲンダ!」

「騒ぐな!オレの客人だ!皆を集めろ!」

「ゲッゲーーー」

ゴブリンの鳴き声が響きます。

数ある縦穴全てから、ゾロゾロ、ゴブリンが出てきます。

子供も併せて50人位居ます。

柵内の広場に集まったゴブリン達に、ゴンが話します。

「この人間はカメ、オレの恩人で大切な仲間だ!」

「それから3人の魔人は、カメの奴隷で凄く強いぞ!」


集まったゴブリンを眺めていると、怪我を負って居る数名が気になりました。

「ゴン怪我人が多いな!治せると思う、集めてくれ」

「カメ治せるのか?」

「おぉい怪我をしてる者集まれ!カメが治してくれるぞ!」


集まった怪我人に上着を着せると、怪我の部分がフワっと輝き瞬時に怪我が治りました。

輝きを確認しながら次々と上着を掛けて行きます。

奇跡にでも会ったように、盛んに私を崇めるのには閉口しました。


ゴンの手前もう少し、良い格好しようと、コカトリスを1頭ズシンと出して。

「皆で食べてくれ」と言うと。

歓声が湧き上がりました。


話してみれば亜人って良い奴じゃないか!

(カメさんその調子よ!亜人も人も獣人も魔人も皆仲よくできるはず!)

(ワトさん私もそう思う!)


「ゴン村長に相応しい武器をあげる」

私は奴隷商人から貰った剣やナイフ槍など適当に、渡しました。

ゴンは嬉しそうにナイフと剣を取り、残りを主だった戦士一人一人に手渡しています。

武器を与えられた戦士は各々奇声を上げて喜んでいました。


村長ゴンの隣が私で、横にミメ、ホミ、キサ、と並び宴が始まります。

盛られた木の実果物は良いのですが、山盛りの生肉............


ミメ達に薪を集めてもらい広場中央に篝火を着けました。

ゴブリン達はゴンを含め慌てています?

「ゴン夜に火は灯さないの?」

「暗くなれば寝る」「明るくなれば起きる」

「火は灯す方法がない」

「生活魔法は?」「何だ!生活魔法とは」

(ワトさん亜人って魔法使えないの?)

(そんな事無いよ亜人も魔法使えるよ、誰も教えないから、教えると使えるよ)

(凄く気分が良いから大サービスカメさんのできる事コピーして相手に渡せるスキルあげる❤)

使い方は説明してもらうと簡単でした、ただMP10必要だそうです。


早速ゴンに使ってみます。

「ゴン生活魔法と火炎玉使えるようにしてあげようか」

「何!カメ、そんな事までできるのか?是非頼む!」


ステイタス思っただけで現れます。

LV3 HP100 MP150 力200 速さ200 魔力400

    地球神の加護  不老  チャット

    ワト神の加護  身代り 完全読み書き会話

    アイテム    無限収納

    スキル     跳躍   奴隷買い取り半額  麻痺ブレス  加速

            身体強化 火炎玉  生活魔法  風魔法中級 コピー


生活魔法に注意を向けて、コピーしますゴンを見ると、

(コピーをゴンに渡しますか?)はいと思うと、体から何か抜けるような感覚と共に、MP10減りました。

続けて火炎玉もコピーして、ゴンに渡しました。


そこで確認のためゴンのステイタスをみます。「みがわり」

   ゴブリンロード

LV24 HP800 MP400 力1000 速さ300 魔力500

     スキル  威圧  生活魔法  火炎玉

(うそ!LV24!すご、......しっかり渡せてるな)

あっ威圧もらっとこ

ピコピコピコで力が抜けて行きます


「ゴンこれで生活魔法と火炎玉使えると思う」

使えるように練習、まず篝火を見て、あの火が指先から出るように考えて!

「ん?こうか?......わっ!出た!」ゴンって以外に器用だな

同じように、水、風、光、が使え汚れが取れるクリーンもできました。

が、初歩治癒の「痛いの飛んでけ」イメージで来ず使えません。


「ゴンの大切な人、例えば嫁さんやゴンの子供とかが怪我をしてると思って見て」

「オレまだ嫁いない、子供もいない」

「困った......そうだ私仲間の私は?」

「カメは大切な仲間だ!」


それではしょうがない、痛いけど我慢して......

剣で指先を切ります。

血が大げさに滴り落ちます。


「わっ!カメ!何してる!」

「痛い!ゴン治して!」

「わっわっえぇと......痛いの飛んでけ!」

私の指先がフワリと輝き傷が消えます。

「ゴン出来たね」

「ああ、出来たが、カメ無茶すな!」

肉が程よく焼けて良い匂いがしてきます。

塩をパラパラ

改めて食事を始めます、コカトリスの肉美味い!凄く美味い!


生肉を食べていたゴブリン達も真似をして焼いて食べて

「ウマイ!ウマイ!」と騒いでいます。

「カメ肉を焼くって凄いな!美味くて幾らでも食える」

「栄養的に考えると生肉を食うのも良いけど衛生面から考える焼いた方法が良いと思うぞ」

「あっん?わるい言ってる言葉は聞こえて来るんだが、意味が理解できん」

「病気にならないために、焼いて食え」

「あぁ、今度は理解できる」

「焼いて食うなら木の実、果物も一緒に食えもっと元気で病気にならないぞ」

「意味はわからんが、そうする」

ミメ達が肉を焼いては持ってくるがもう食べれんわ、腹いっぱい!


縦穴の住居は意外に快適です、結構臭う獣臭がなければですが

クリーンをかけて寝ました。

明日は森林湖にたどり着く予定............

じいちゃん疲れて居たのでしょう、瞬間爆睡です。

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