第8話 じいちゃん大森林を行く
アボガ町に行く方法は3通りあります。
比較的安全で楽なのが、ガドロ町西門から6日程掛けてボガ村へ行き、ボガ村から南に真っ直ぐ行けば4日でアボガ町に着きます。
ガドロ町から南西の位置にアボガ町があります、その間を険しい山脈が、とうせんぼするように連なっています、楽では無いが10日程の道程、これも比較的安全な道です。
最後は大森林を通る方法、上手く行けば5日程でアボガ町に着きます、あくまで上手く行けばです、下手をすると永遠にアボガ町に着きません、命を失うからです。
冒険者ギルドに行き、アボガ町へ行くことを告げます。
オークを大量に狩れる人材が居なくなるのを残念がられましたが、また帰って来る事を約束し旅立ちました。
たった3日しか住んで居ないガドロ町ですが、いざ出発となると名残惜しく、何か忘れ物でもしたような気持ちです。
良く考えるとギルド受付のリムさん以外誰も名前知らない。
でも、ビジネスホテル、フロントの名前知らなくて当たり前、コンビニレジの人、スーパー、ホームセンターレジの人、名乗る事は有りません。
通りすがりの町の住人の名前、当然知りません。
そう思えば、ガドロ町にはリムさんと言う知り合いが出来た。
私的には凄い事に思えます。
ガドロ町南門を出ます、門番さんとも顔馴染みになりました。
でも、門番さんであって、名前を知らない事に少し淋しさを感じました。
森の入り口前でミメ、ホミ、キサと順に身代りをかけステイタスを調べます。
ミメ
LV15 HP600 MP400
力 200 速さ 500 魔力 500
スキル 生活魔法 身体強化
ホミ
LV10 HP300 MP200
力 400 速さ 200 魔力 300
スキル 生活魔法 跳躍
キサ
LV 7 HP200 MP300
力 100 速さ 300 魔力 500
スキル 生活魔法 風魔法中級
ミメは何!この強さLV15になってる
ホミは私と同じ跳躍、LV10力が凄い
キサはLV7か風魔法中級?私より遥かに強い
「全員使える生活魔法って何?」
「子供に最初に教える魔法ニャ」
「じいちゃん、トイレでどうやって処理してたニャ?」
「なるほど、トイレに紙が無かったはずだな」
「ミメどうやって覚えた?」
(カメさん)
(あっワトさん)
(手取り足取り、子供みたいな扱い、カメさんに失礼かと思って気付いてくれるの待ってたんだけど・・・身代りの時相手のスキル使うだけで、自分の物にできるわよ)
(はぁ......トンチンカンな気遣い、有り難うございますワトさん)
もう一度キサに「みがわり」
生活魔法、火がでる、水がでた、風もふく、へぇ、クリーンも生活魔法か
後は初歩の癒し「痛いの飛んでけ」
風魔法、竜巻き、結構強烈!風強壁、えぇと、あの木目掛けて風の刃!
ピコピコピコ、3分は以外に短い!
なるほど、身代りってただ強くなるだけじゃなく、凄く使える加護だったんだ
(えへん地球神とは大違いでしょ、感謝して良いわよカメさん)
(うんうん完全会話も凄く使えるし、ワトさんえらい!)
森に入りました。
魔物が闊歩する油断すると即命を失う危険な所ですが、私には懐かしく清々しい気持ちになる場所です。
強い仲間もでき、気持ちに余裕ができました。
森の端を通って行くつもりでしたが、ゴンさんが現れ
「カメまた狩をするか?」
「ゴンさん狩もするけど、森を通って西にあるアボガ町に行きたいんです」
「西の町?なら南に真っ直ぐ行けば森林湖に行ける、それから西に行けば簡単に町へ行けるぞ」
「でも危険でしょ」
「オレ1人だと危ない、カメと一緒なら楽勝だ」
「カメは強い、オレの恩人」
「・・・ゴンさんの目には私がどう見えてるの?」
「じいちゃん、魔物は何て言ってるニャ」
ホミとキサにあれはじいちゃんの子分なのニャ、とゴソゴソ話してたミメが私に聞いてきます。
「アボガ町まで大森林を案内してくれるそうだよ」
「ゴンさん、出て来そうな危険な魔物教えて!」
「そうだな、オークだろ、手強いのはコカトリスかな、300セル以上のデカイ奴」
「後は会いたくない竜位かな、たまに湖で休んでる」
「コカトリスって、石にされる?」
「石に?いや、痺れるだけだ自然に治る、殺されなければ」
「恐いこと言わないで!竜がいたら逃げの一手だね」
「カメなら楽勝だろ!恐れる事ないぞ」
「いや、いや、無茶言わないで」
ゴンさんどんどん進んで行きます。
《グッゲぇぇぇグッゲぇぇぇ》
何か前方で叫んでいます。
「カメ、お待ちかね、コカトリスだぞ!」
「いや、いや、待って無い、会いたくなかったぞ!」
幸いコカトリスは一頭だけ、身構えるミメ、ホミ、キサに待つように指示し
1人前進して様子を伺います。
「しょうがない、ゴンさん期待に満ちた目をして見てる」
「みがわり」
体がはじける位力が涌き出て来ます!
(ステイタス)
LV20 HP1000 MP800 力700 速さ1000 魔力2000
スキル 麻痺ブレス 加速
「よっしゃ、麻痺ブレス」
《グゲぇぇぇぇ》
何か私の声なの?下品な声!
やった!麻痺が効いてる!
「加速」
留まって居るコカトリスに飛び掛かり、剣を首に叩き付けます。
一撃で終わりました。
ゴンさんの勝利の雄叫びが後ろから聞こえます。
振り向くとミメ、ホミ、キサが尊敬の眼差し。
350セル巨大なコカトリスでも収納は簡単、思っただけで収納できました。
そう言えば解体できるんだったな、収納内に意識を向け「解体」これで出来てるんだろうか?
「凄いニャ凄いニャ」と笑顔のミメ達。
「さすがカメ」と肩をバンバン叩くゴンさん。
叩かれても少しも痛く無い!
私は気付きました。
強いコカトリス状態の私が、私並みに弱くなったコカトリスを倒しても、経験値わずかほんの少し入るだけ。
オークをいくら狩ってもLVアップする訳無い、LVが凄く高い状態だものLVアップに必要な経験値も凄く多く必要!
弱った!これじゃ、本当の意味では少しも強く成れないぞ!
3分経ったようで、ふにゃっと力が抜けました。
コカトリスは単独行動するようで一頭だけ現れるので闘いやすい。
次に現れたコカトリスは、私がブレスで麻痺させて、ミメ、ホミ、キサに闘わせて見ました。
ミメは身体強化で斬りかかります。
ホミは跳躍して、相手の頭を蹴り、首に槍を突き立てます。
キサは2人の攻撃の合間、風の刃を放ちます。
しかし硬い鱗に阻まれ跳ね返されて傷付けることが出来ない様子。
手助けしても、あまり役立たないかも?とは思いましたが、ミスリル剣に強化を使い(さすがミスリル上手く強化出来た)跳躍しコカトリスの首から出血させる事ができました。
キサが空かさず風の刃で傷を拡げます。
ミメもホミも傷口に集中攻撃です。
コカトリスは麻痺で動けません、もし動く事ができる状態ならば、速さ1000です、目にも止まらない速さで私達が狩られているはず。
あまり進んで闘いたい相手じゃないな!
コカトリスの巨体がズシンと倒れました。
終わったようです。
コカトリスを収納します、ついでに解体。
ミメ達3人は力が涌き出す!と言っています。
?「ピコンLV3に成りました、HP100、MP150、スキル火炎玉を手に入れました」
あれ?私もLVアップ?
成る程!勘違いしてた、攻撃してダメージ与えた全員経験値奪う事になるのか!
火炎玉?個体でスキル違うのか!
「さすが魔人コカトリスを倒すとは、カメは凄い奴隷を手に入れたな!」
「奴隷?仲間ですよ、ゴンさんも私は仲間と思ってますよ」
「うぅ感激!・・・人間が仲間と言ってくれた!」
「カメ!仲間と思ってくれるならゴンと呼べ!」
「確かに、呼び捨て出来ないのは、私の癖で......他人行儀でしたゴメン」
コカトリスに、また出会いました。
闘い方慣れて来て、まず麻痺ブレス
私が傷を負わせ、ゴンも一緒に全員で闘いました。
闘いと言っても、動かない相手です、一方的なイジメみたいな闘いでした。
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