第7話 じいちゃんまた奴隷を買う

冒険者ギルドでは、リムさんにオークを狩って来たと驚かれ、買い取りのゴツい顔のおじさんには、4体も狩ったのかと更に驚かれました。


オークは1体20万ゼン、ムクは1羽500ゼン、合計80万5千ゼン支払ってもらいました。

大金貨8枚大銀貨5枚手に入れました。

買い取り担当のおじさんが言ってました、オークの素材と肉に解体できていると一体2万ゼン追加収入できたそうです。

8万損した事になりますが、解体は面倒です。

ポイントカードには

ツルタ カメ 銅級 残り187000

と、表示が変わりました。


宿に帰ってきました。

ツインの部屋に代えてもらい、夕食までのんびりする事にします。


お約束のギルド新人いじめ結局無かったな......

危ないスラグ立ちそう、考えるな!

(カメさんそれ言うならフラグよ)

すかさずワトさんの突っ込みです

(ワトさん24時間私に付きっきり?)

(カメさんに完全ターゲットロックオンなの)

(疲れるでしょ)

(神のお仕事不眠不休は当たり前24時間闘えます!全然疲れないよ、面白いし)


(ワトさん凄く感謝してたのに、何かな、オリンポスの神々みたい人間くさい)

(逆よ人間が神くさく成ったのよ)

(まっ良いか、そう言う事にしておく)

(軽く受け流して、これ真実なのよ)

(そうだ!カメさん、無限収納の中で解体出来るわよ)(へ?そうなの!)


(ここから、真面目なお話し)

(何、ワトさん急に)

(カメさん、ずいぶんお金持ちになったでしょ!)

(はぁ?大金貨8枚程でお金持ちは無いでしょ)

ゼンナ王国の平民1家族4~5人の1年間の生活費だいたい大金貨1枚10万ゼンなのよ!


へ?......あっそうか日本でも昭和30年代、月に1万も生活費使ってなかったな。

たしか日雇い労働者の1日の賃金がニコヨン240円。

高校生になって初めての、私のバイト代時給80円しかなかった。

この世界特別物価が安いって事じゃないな。

年間20万も使っているなら、私の中学時代より高額消費してる。


(カメさん帰って来て!)

(ゴメン昔の事思い出してたもんで)


(明日奴隷商に行って魔人奴隷を買い取って助けて欲しいの)

(良いですが、何人買うようになります?)


ここガドロ町には2人、アボガ町に10人、ガルバニ町に4人

ゼンナ王都に53人、今生存している魔人はこれだけで全員。

全員ひどい状態です、できるだけ速く買い取り保護をお願い。


(でも、なぜ?)

魔人は邪悪でも何でもなく、ただ別の大陸に住む人達ってこと。

ゼンナ国に流れ着いた人は、海で漁をする獣人達がほとんどなの。

私ワト神は魔人達の神でもあります。もちろん亜人もよ。


人間、亜人、魔人、全ての人々が平和に共存できるワト界にしたいのです。

カメさんには私の願いを実現できる力があります。


(買い被りでしょ私には力なんて無いですよ)

(今はね、でも無理やりにも、実現できるよう力授けちゃうよ!)

(はぁ、......まっ小さな事からコツコツとです、協力はします、過大に期待しないで)

取り合えず明日2人の獣人助ける事にします。


夕食です、じいちゃん考えました。

ミメに「あれ?じいちゃんご飯食べニャいの」と言われながら、ご飯が冷めるのをひたすら待って、時間を掛けて食べました。

冷や飯になれば臭いが気にならないのが解ったので、美味しくいただきました。


でも、精米何とかしないと!

因みにガドロ町には小麦粉がない、「ご飯が食べられないならパンを」とは行きません。

食に拘りのあまり無い私でも少し弱りました。


夕食後ミメに明日の予定を話しました。

魔人の大陸ツベルには奴隷制度が無いそうで、ミメには奴隷と言う事にピンと来ないようです。

檻に入れられているミメの同族を助けると言うと、解ったようで、是非お願いしますニャ、と逆に頼んで来ました。


ツイン、ベッドが別々安心してグッスリ眠れました。


朝食200ゼン支払いミメと朝食を食べた後、チェックアウト、宿泊の延長を勧められましたが、今後人数が増える事、急ぎアボガ町へ行く必要があることから、この町から出て行く予定を告げ、奴隷商に向かいます。


歩きながらミメに同族を見たか聞きましたが「見て無いニャ」とのこと。

でもワトさんに間違いは無いでしょう。


奴隷商は町長の館の隣にあり、売り上げは貴族である町長の収入源でもあるそうです。

買いに行くのですからもめ事には成らないはず。

もめ事に成りませんように!ワトさん頼みますよ!

(カメさん、私の我がままお願いなので、奴隷買い取りに限り半額になるスキルあげるわ)

「へ?有り難う......何か微妙」


奴隷商人は絵に描いたような悪人面で、入店した私に第一声が

「お客さん魔人の返品はできんぞ!」でした。

奴隷を買いに来たと告げると、手のひら摩りきれるんじゃないか心配する位、もみ手に愛想笑い。

「それはそれは、良い娘を揃えて居りますデス」

もみ手しながら奥へ案内されました。


男女分けて檻に入れられていて、男も女も全員素っ裸です......

男の立派な一物見たくもねぇ!!!

逆に女性の裸は、見たくても見れない小心者です、チラ見しか出来ません。


奴隷商人の話では、男は犯罪奴隷、女は借金奴隷が殆んどだそう。

若い女性奴隷をさかんに売りたがる商人に、魔人がもう2人居るはず?

ここには居ないようだがと聞くと、魔人は売れないので町長の騎士爵様に頼み王都に返品して頂く、段取り中なのデス。

「お買い上げ頂けるなら、1匹5000ゼンの所2500ゼンにさせて頂きます」

「まず、奴隷を見せてくれ」

「はいはい!こちらです」

さらに奥へ案内され小さな檻に押し込められ裸で震えながら抱き合う獣人娘が2人居ました。


茶色の毛並みの犬耳娘と黒髪の猫耳娘、痩せてやつれて居ますが、目鼻立ちの可愛い娘達です。

腰を屈め2人に女神ワトに頼まれ助けに来たと告げ、ミメを前に出しました。

2人はミメとワイワイ話して居ます。


「商人殿、奴隷達の服や持ち物があったはずだが」

「............はい、ございます、が」

「奴隷の持ち物は主人の物出してもらおうか!」

「......短刀を持っておりまして、別にお買い上げ願いませんか?」

「奴隷の物は買った主人の物であろう!」

「2人で5000ゼンと商人殿は言って居ったが、6000ゼン払ってやろう」

「かしこまりました、お買い上げ有り難うございます」

ミメを指し「この娘のと合わせて3人分出してもらおうか」

「はいはいデス、残してもゴミ、おっと売れませんし」

「おい!ゴミを1000ゼンで売るつもりか!」

娘達3人を連れて物置に入ります、自分の服や持ち物武器等取り返し、更に目ぼしい物も持って行って良いと商人が言う。

3人に、自分の物以外でも欲しい物が在れば、遠慮なく持って行って良いと話しました。


ミメは元の服、自分の短刀、それに意外に新しい剣を

ホミと名のった犬耳娘は自分の服や短刀、槍に町娘風な服

キサは猫耳娘で、自分の服や短刀、弓矢と町娘風な服

私もコッソリと色々収納しました、元を取って折れて曲がる程、くっくっ私も悪よのう!いや、ゴミ掃除です、心の中で色々言い訳、はい小心者です。


奴隷商人に6000ゼン支払い、領収書を渡され終了?

奴隷が売れない訳、解りました。

従える為のアイテム等無く、自分の技量で従わせるしか方法が無い。

間違って折檻死させると自分が罪人になる、奴隷保護法。

普通の人は恐くて奴隷なんて買えない。


労働力や結婚相手として、まれに売れるそう。

それでも奴隷商がやって行けるのは、貴族が食べさせるだけで闘わせることができる安い戦力として結構購入するそうです。

ここガドロ町は最下位の爵位持ちの貴族なので奴隷兵士養う余裕が無いとコッソリ教えてくれました。

奴隷商の苦しい内訳聞いて見ると、気の毒に成ります。

奴隷制度止めたらと私が言うと、国の方針は貴族以外口出し許されないそう。


奴隷商人との雑談で、この国の事少し知ることができました。


ミメが服を着たホミとキサを連れて出てきました。

2人の服は同じで無地で丈夫そうな生地の上着にキュロットスカート?で良いのかな、ズボンに近いスカート?短パンパンタロン?

良く解らない服です。


旅支度の買い物、手当たり次第に買って収納の繰り返しテントも寝袋も在るだけ全部購入、野菜も大量にと購入仕掛けるとホミが、「食べられる野草は匂いで分かります」との事で、必要な基本野菜白菜玉ねぎニンジンジャガイモさつまいもあたりを10キロ相当各10コロ購入、玄米も忘れずに在るだけ。

そうそう精米用ビンと手頃な棒、包丁代わりのナイフしっかり沢山購入、大鍋小鍋中鍋湯沸かしに水筒

大量に収納できる事に、ホミとキサが驚いていました。

無茶買いしたのに10万ゼン大金貨1枚遣いきれませんでした。

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