第54話 無茶苦茶腹が立つ!!滅ぼす!!


商人風の男が起爆装置を押しました。

ドッカーン!!

腹に響く爆発音、無意識に魔力を最大にして纏って居ました、脂汗が流れます。

白銀の神力は、辺り一帯を包み込みました。

今までで最大最強のバリアーを張って居たようです。


ワトさんは、意味が解らずとも、タッチの差で消滅させたみたい。

「助かった!!」

消滅が間に合わなかった場合、神聖国の半分は消し飛んで居た事でしょう。


私の唯ならぬ様子に、皆が心配して集まって来ました。

「主殿何が有ったのじゃ?」

「神王様、あれは何だったの?」

「我が主!少し落ち着いては?」

「じいちゃん、取り合えず魔力押さえて!」


私は恐怖と怒りで、ワナワナ振るえて居るようです。

ワトさんが、抱き締めてくれて居て、それでもしばらく振るえが止まりませんでした。

大惨事を、際どいタイミングで押さえられた安堵より、恐怖の兵器を安直に使用したルワ国に怒りがフツフツ湧いて来ます。


「·····カメさん、そろそろ説明して!あれは何だったの?」


「放射性同位元素、あれはウラニュウムだった」

「放射性物質には臨界と言って、一定の質量を越えると急激な核分裂反応する性質がある」

「臨界前のウランを二個其々離して用意する、起爆剤で二個のウランをぶっつける」

「瞬間的に核反応を起こし、熱と光、膨大なエネルギーを放出する」


学生運動が盛んだった頃、チラッと見た事がある、過激派に出回ったテロの指南書「腹々時計」除草剤とうがい薬で造る爆薬からパイプ爆弾の作り方、原爆原理から作り方まで載ってた。

因に除草剤は塩みたいな結晶塩素酸カリ、うがい薬は当時学童に学校が配ってた、紫の粉カマンガン酸カリ(一升瓶一杯に水で薄めろと渡された)です。


「私がワト星に来る前住んでいた、地球と言う星にあった爆弾、核爆弾とか原子爆弾と呼ばれた、大量破壊兵器」

「あの釣り鐘は広島型と呼ばれた初期の核爆弾」

「初期と言っても、あれがまともに起爆したら、地上爆発で規模が弱くても直径3キロが消滅その外側10キロは爆風衝撃で何もかも吹き飛び、放射能と言う毒が辺りを充満、生き物の住めない死の世界になっていた」


なぜ私がここまで必死になるか、地球の日本は世界で唯一核攻撃を、それも2度も受けた国で、日本人の多く、特に私達より上の世代は、核アレルギーとも言われる、過剰に反応してしまう体質になってしまった。

原爆と被爆の悲惨な話、何処まで理解してもらえるか、解らなくても話さずに居られませんでした。


原子力発電とかの、核エネルギーの平和利用とかも有ったが、核に関しては少しの過ちで大惨事になってしまってた。

神でない人間には平和に利用出来ないデメリットが多過ぎる物です。


「そうだ!ワトさん、ワト星には核物質は要らない!!!全て消し去って!!!」

「さっき消した2個ウランって言った?あれと同じ物をワト星から消滅させたら良いの?」

「ウランだけでなく原子番号が上の··········そう重い物全て消し去って!!!」

「カメさん、其ほど大量に消滅させたら、ワト星のバランスが崩れちゃうよ!」

「··········調べたら殆ど全て地中に埋もれてる!!··········う~~んっ·····そうか!魔素に変えちゃえ!!!」


じいちゃん達は気付いて居ませんでしたが、この時此れまで、ワト星に存在しなかった、ダンジョンが発生してしまいました。

じいちゃんの、良かれと思った行為は、新たな問題を発生させたのですが··········

ワト神が言ってた、間違っても其はそれで面白い、となってしまいました。


「·····よし!少し落ち着いた」「皆付いてきてくれるか?ルワ国に神罰を喰らわせてやる!!!」


希望者全員を3人で瞬間移動、目の前にルワ王宮が現れます。

風に声を載せ

「こりゃぁーールワ王出てけぇ!!!」

興奮してるじいちゃんは、岡山弁丸出しでした。

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