第21話 じいちゃんの領地は荒野でした
ワトさんと、ルドフのお蔭で悩みは解決しました。
1.5倍の拡大コピーしたミスリル剣に、金貨、銀貨をコピーして金と銀の装飾を鞘と柄にルドフが施し、立派な宝剣に仕上げてくれました。
王様が試しに収納する品が出来上がりました。
ついでに、私の剣も1.5倍にコピーして、柄の握り具合をルドフが調整してくれた物を正式装備にしました。
ワトさんがコピーの拡大縮小出来るようにしてくれたお蔭です。
ワト様様です!
さて、授与式です。
国王謁見の間には、私だけしか入る事が許されませんでした。
従者、お供は、控えの間留まりです。
そのため、凄い出来事を見る事が出来ず、皆が悔しがる事になりました。
私は謁見の間の扉前で、待たされて居ます。
少し緊張します。
謁見の間の扉が左右に開きました。
玉座に座る国王陛下まで、赤いビロードが一直線に敷かれて居ます。
両サイドには大臣、重鎮、貴族達が並びます。
玉座から王が、立ち上がり、声が掛けられました。
「竜殺しの魔爺、これに!」
私は中央に進み、王に対し45度の立礼
「近こう寄れ!」
私は更に進み、片膝をつき、頭を下げます。
片膝をつき、頭を下げる、この状態馴れないじじいには、かなりキツイ(何してる?待たされ過ぎ!)
あまりにも長く待たされて、思わず王を見上げてしまいました。
此が悪かったのでしょう。
王の正装は、身動き取りにくいのでしょう。
ゆっくり私の方に、玉座から降りてくる途中でした。
辺りから一斉に「無礼であろう、魔爺とやら!」
私が侯爵、彼らの上役に成るのを、面白く思わない連中でしょう。
一斉に私を取り押さえ「無礼者め!!!」
彼我の力の差、私が勢い良く立ち上がると、皆は撥ね飛ばされて居ました。
「この!抵抗するか!!」「衛兵!」「この者を捕らえよ!!」
何か滅茶苦茶です。
衛兵がやって来ました。
国王は?まだゆっくり降りてくる途中
何モタモタしてる!止めろよ!
捕らえられる気は更々無い!
でも、暴れてしまうと、国を相手に喧嘩する事になる!
迷う私に、衛兵達は剣を抜き詰め寄って来ます!
辺りが突然光り輝き、部屋が熱を伴わない太陽光に満たされました。
『誰に対して無礼を行っておる!』
神々しく、荘厳な女性の声が響きます!
光りが収まった時、私の隣に黄金に輝く女性が、立っていました。
『カメさん大丈夫?』
「あれ?その声ワトさん?」
回りがザワつきます。
「「「ワト神様だ!女神様がなぜ?」」」
ワトさんはキっと辺りを睨み。
『お前達誰に対して無礼を働いたのか!カメさんは私のただ1人の友人!異界よりわざわざ来て頂いた、私の大切な友人ぞ!そのカメさんに対しての数々の無礼!優しいカメさんが許しても、私が許さん!』
『この国を消し去ってやる、神罰じゃ!』
一斉に回りの者が、ひれ伏しました。
回りは、私とワトさんの言動に、固唾を飲みます。
国王ですらワト神に対し、ひれ伏して居ます。
思わずひれ伏さずには要られない、荘厳さがワトさんにありました。
「ワトさん消されると、私が困ります。止めてあげて」
『ゼンナ王よ』
「はいワト神様!」
『そなたらの、先程の行い、目に余るぞ!もしあのまま放っておき、カメさんが本気に成ると、この王宮そなたらごと吹き飛んで居ったぞ!』
『カメさんは、神の力を持っておる!私の友じゃからな!ゆめゆめ、ふざけた行い、するで無いぞ!』
ワトさん一方的に脅してる!
辺り一面、床に頭を擦り付けた人々で、埋まって居ます。
『そこな衛兵ども!誰に向かい剣を振るった!許さんぞ!』
衛兵達は一塊になり、光圧で吹き飛んで行きました。
国王が大声で言いました。
「ワト神様お許し下さい!責任取りまして、私は退任致します」
王の言葉に辺りは、静まり王の荒い息のみが聞こえて居ます。
『ゼンナ王よ、そなたは一言もカメさんを非難して居らん、そなたが気にする事ではない』
『見ていた所、率先して非難して居った無礼者が、そこの成り上がり、一代限りの末端貴族達であったな!』
王命により、その場で騎士爵位を解任され、平民に、順男爵は騎士爵に降格されました。
気の毒だったのは、その場の雰囲気で非難行動してしまった、伯爵に子爵までいて、其々子爵、男爵に降格された事です。
雰囲気で参加は、言い逃れで、後から判明した事では、自業自得、彼らの先導による騒動でした。
後に領地没収されたそうです。
「ワトさん、もう良い、止めよう!ワトさんは気の良い、素敵な神なんだから」
『それはカメさんだからよ』
『まっ冗談はさておき』
「ワトさん、冗談だったの?」
『冗談半分、カメさんに会えて浮かれたのが半分、かな?』
「全部冗談かよ!」
『皆の者ワト神の名に置いて命ずる、心して聞け!カメさんの言葉は、私ワト神の言葉と思え!』
『仕切り直し、授与式の続きを始めよ!皆の者立て!式は私が見届ける!さっさと始めよ』
その後、滞り無く、とは行かず
ワト神が見てる、私以外王も含め全員カチカチで、技巧ち無く滞りながらも侯爵位を授かり、領地はガルバニ町より西側全て密林に竜の住む険しい山脈竜ヶ岳、大森林も含めればゼンナ王国より広大な土地を領地として賜りました。
派手な演出として、苦労した私の案。
宝剣も収納献上もサッパリ霞んで消えたようなイベントになりました。
それでも、宝剣、収納のお礼として奴隷53人の無償引渡し、侯爵館の建築と町作りの補助、資材人材の援助等、良い話になりました。
式が終わり、ワトさん(まだ居る)と皆の待つ、控えの間に行くと、流石のララア、ケイトも唖然として「「「ワ、ワ、ワ、ワト神様!」」」
ワトさん黄金に輝き、神様を主張し過ぎです。
ワトさんの面白可笑しく話す、授与式の様子。
何故か私が大暴れ、群がる衛兵を、ちぎっては投げちぎっては投げ、した事になってしまいました。
皆が、悔しがる事、その場に居たかった!見たかった!と。
王直々に人材と資材の陣頭指揮を行い、手配は急速に進みました。
後の細々した、打合せなどは5人の従者がお任せ下さい、と張り切って居るので任せる事になりました。
私達は、領地の下調べ、開発のため旅立ちました。
ここが・・・私の領地・・・側でワトさんが大笑いしてました。
『遣り甲斐が有るでしょ!』
平地は見渡す限りの荒れ地、荒野です。
その南ガルバニ大川まではうっそうとした森林、荒野の更に北には、大森林に匹敵する、広大なジャングルで、その更に北を見ると、険しい山脈竜ヶ岳が・・・「大森林の方が、なんぼか住み安いぞ!」
降臨したワトさん、いつまで居てくれるか分かりませんが
今は凄く、心強く思うじいちゃんでした。
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