第5話 じいちゃんうっかり、死ぬ目に

 ミメちゃんは結構長身でした。

 160センチしかない私と並んで歩くと明らかにミメちゃんのほうが高い、横を向くと私の目の位置にミメちゃんのあごがあります、少し落ち込みました。


 古着屋と思われる服屋に入り店員にミメ用の服を見繕ってもらい、ミメちゃんも気に入ったようなのでワンピースタイプとツーピースタイプ2着で1000ゼン古着じゃなかったのか結構高額な買い物です。

 金銭感覚がどうもいまいち掴めません。


 宿に帰り、奴隷を買って来たことを話し宿代がどうなるか聞いたところ、部屋を変えなければ追加料金不要だそう、食事代のみ、その都度支払えば良いと言われましたが、今日の夕食、明日の朝弁当夕食まとめて800ゼン支払って置きました。


 部屋に入りお腹がへっているとの事、食べそびれた私の弁当を食べさせました。

 握り飯と焼き肉をうまそうにたいらげています。


 私はミメちゃんの後ろでボクサーパンツと丸首シャツを脱いで置きました。

 タイツ履いているのでノーパン気になりません。


 何の話しを突然初めたかと言うと、この国の下着ってゴム無しチョウチンブルマ紐で縛るやつなので、尻尾を出すとおしり丸出しになってしまいます。

 履いている意味がない、そこで知恵をしぼった訳です。

 パンツを前後ろ逆に履いてもらい、栓木穴から尻尾を出すシャツはオマケ、破壊不可が掛かった物なのでシャツパンツでも最高の防具です。

 ワト様様です。


 ※因みに、栓木穴(せんぎあな)とは、昔の農家は田畑を耕すため、牛を飼っていて母家の入口に、牛小屋が組み込まれていました。

 牛小屋の出入り口は丸太を横に何本か挿し込んでいました。

 その横木「栓木」の間から牛が頭を出す様子からきています。


 ミメちゃんは私の存在を全く無視したように目の前で着替えを初めました。

 私は即背中を向けましたが、邪魔にならないサイズの胸がしっかり見えてしまいました。

 公園で裸見たはずって?あの悲惨な状態冷静に正視出来るほうが異常でしょ?

 流れる血と猫耳しか覚えていません。


 Tシャツにホットパンツ姿のようでこのままで充分可愛い、ミメちゃんも気に入ったようで服を着ようとしません。

「じいちゃん、ありがとニャこれ良いニャ着た感じ凄く良いニャ!」

 喜んでるし、室内だから好きにさせます、尻尾ふりふりが可愛い!目の保養です。


 ミメちゃんにLVとか聞いてみたのですが、ステイタスを見ることができないようです。


(カメさん)

 ワトさんからのチャットです

(カメさんが身代り使えばミメちゃんのLVわかるわよ)

(あっ、そう言う使い方もあるんですね、やってみます)

「みがわり」

 ステイタス

 LV 10  HP500  MP300  

       力 300  速さ 500  魔力 450

 スキル    生活魔法  身体強化


「凄い!私より数段強いじゃないか!」

(良かったね強い仲間ができて、じゃっねー)

 何かワトさん、ずっと私を見てるのかな

 3分過ぎたのでしょうピコピコピコふにゃっと脱力感


 夕食は焼き飯風のご飯にくず肉をミンチにして焼いた物、そう!ハンバーグっぽいもの美味い!

 このお米、焼き飯にすると凄く美味い

 ミメちゃんも「うまいニャうまいニャ」と嬉しそうに食べています。


「おじちゃん何歳ニャの?」

「ん?67歳ヨボヨボじゃないが元気でもない、びみょなお年頃です」

「へえ~50歳位かと思ってたニャ」

「そう?ミメちゃんは何歳なの?」

「私は15ニャの」

「18位かと思ってた、子供だったんだ」

「もう子供じゃないよ、私の村は12歳から仕事するニャ」

 そう言われてみると私が子供の頃も、15歳中卒で働く人結構いたな、それに日本も70年ほど前中学が義務教育になる前10歳や12歳で丁稚奉公(でっちぼうこう)

 職人の見習い下働きをするのが殆んどの子供が取る道だった、ミメちゃんの話しも変じゃないな。


 おまけに働いていれば子供も大人並みに扱ってもらえるが、たとえ大学生でも学生の間は半人前黙っていろ!の風潮、学生の人権を少しでも向上させようと学生運動頑張った若かった頃。

 高校では強制坊主頭を自由な頭髪に、寒い冬の学生服の上にコート着用自由化

 大学では講義内容の改善、色々やったけど根底は、学生を見下す理不尽さを・・・・・・


 物思いに耽っていると、隣の席の男に話し掛けられました。

「ご老人、流暢に魔人語話せて凄いな!この国で魔人語話せる奴って聞いたことないですよ」

「そうですか?長く生きていると色々でき出すものですよ」

「そう?特別貴方が凄いと思うが」


 男は30歳20年ほど武器商人をしていて、そろそろベテランの域に達するそうで、この町に仕入れに来ているそうです。

「その剣ちょっと見せてもらえませんか」

「良い物に思えたので今日手に入れました」

 男にわたすと、鞘からゆっくり抜き出します。

 買った時と違い私が持って居たためか癒しとクリーンが掛かり、薄汚れボロい感じが消え見事な輝く剣に成っています。

「今日ですか!・・・これは!ミスリル!残念俺が先に見つけたかった!」


 商人の言うには、おそらく元は100セル以上の剣で柄の辺りで折れた物を磨り上げて予備剣に仕上げた物で、この状態で10万ゼン、元の長さであれば50から100万ゼンするそうです。

 因みに鋳型量産品は一振り2千ゼンだとか、あの露店商人見る目が無い上悪どい。

 おじいさんも威張れた者ではありませんが。


 是非譲って欲しいと言う商人に断りを言うと、ではその変わった防具をと私の服をねだる、弱りました見る人が見ると私の服の異常性が解るようです。

 剣は話す切っ掛けで、本当は服が目当てだったようです。

 傷んで買い換える時は是非譲って下さいと懇願されました。

 傷む事はないのですが。


 剣の値打ちを知り、気分を良くした私は明日はミメちゃんと狩りでもしようと自分の弱さ忘れて思うのでした。


 よし!今日は早く寝よう・・・ベッド、1つしかない。

 ミメちゃんが「一緒の方が暖かくて良いニャ」と言ってくれるので「まっ良いか」

 何も考えず一緒にベッドで寝ました。

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