第47話 ロキソニ帝国を取り込め!!
ロキソニ帝国は、ツベル帝国の隣にあり、国境は険しい山脈の頂上と決めていたそうですが今は、取り決めは無くなりました。
ロキソニ帝国の、宣戦布告無しの侵略のせいです。
最も、宣戦布告無しの奇襲侵略が、戦乱のツベル大陸の常套手段ではありますが·····
ロキソニ帝国は、奇襲攻撃により、ツベル帝国を亡ぼしたと思って、此方側には一切の注意を向けて居ません。
プロミネント王国の攻撃で、それ所じゃ無くなった事でしょう、僅かな兵を監視に残して、放置して居るのが良い証拠です。
収納していた、ロキソニ独立砲兵隊の隊長を取り出し、状況が掴めず呆然とするゲル隊長に、部下の安全を保証して尋問した、その答えからも伺えます。
アイン皇帝が、ツベル軍の再編成並びに戦闘訓練を始めたので、私達は別行動する事にします。
ミメに飛行偵察してもらい、山脈の向こう側ロキソニ側が、無人で在る事を確認後、特大火炎玉をぶち当てます!
山の裾野が高熱で吹っ飛びました。
(こんな威力じゃ、後何発撃てば良いやら、威力を上げて山を消しちゃ意味無いし)
「カメさん、トンネル作りなら、任せて!」
「あれ?ワトさん、良い方法があるの?」
「見てて!」
ワトさんお得意の神罰消滅が炸裂し、向こう側まで、真っ直ぐ空間が開けました。
トンネル内を確認すると、内部全てが強固な岩盤に変質していました。
落盤の心配の無い、頑丈なトンネルです。
「有り難うワトさん!助かった!!」
「ワトさん·····神々は人の世に、あまり干渉しちゃ駄目って事は無いの?」
「たまにムカつくと、神罰落としてたけど、基本何して良いか分からなかったから、干渉しなかっただけだよ」
「今はカメさんが居てくれる!カメさんが必要なら、ガンガン神力使っちゃう!!!今、神で居て本当に良かったって思えるのよ!!!!!」
「ありがたいけど··········私も間違った判断する事がある、私の希望に盲目的に従わないで!」
「間違ちゃっても、それはそれで面白いでしょ!予想外の結果ってワクワク!!!」
やっぱり何でもワトさんに頼らず、やってもらう事は慎重に考えないと、と、じいちゃんはしみじみ思うのでした。
「ワトさん、神王国に転移して、元神王国防衛軍第一中隊のメンバー、それにリムさんとカリラさんを連れて来てくれる?」
「うふっ、カメさんの召集なら、蛇や蜘蛛や龍娘が勝手に来るわよ」
「そうか··········ルナ達にも声を掛けて、手が空いてる人限定、希望者全員連れて来て良いよ」
「凄い大人数になると思うよ、皆カメさんに会いたいんだから」
「·····あんまり凄い事になっても困るね··········一旦帰るか?」
「じいちゃん、私も一緒?」
「ワトさんの転移なら一瞬で帰れるし、ミメも一緒だよ」
「久しぶりに皆に会える、うれしい!!」
最近のミメは、キリッとして頼りになる、凛々しさがありましたが、久し振りにふにゃりとしたミメの顔が、見られました。
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「アイン、山にトンネルを作った、陣地はロキソニ側に接地して」
「おうっ!!進軍の足掛かり!助かった!!!」
「拠点になるか分からんが、派手な建物、出口の両サイドに設置しておいた」
「こんな短期間に建物??」
「収納内に有った適当なやつ、不要なら撤去する」
「いや、どんな掘っ立て小屋でも有り難い!!」
アインはその後確認して、建物の豪華さに度肝を抜くのですが、この時は普通に感謝するのでした。
あの贅を尽くした邪教神殿のコピーです、ちょっとした御殿、驚くのは当然です。
「それからアイン!ちょっとゼンナ大陸、神王国に帰ってくる」
「いや、いや、これからの大戦にカメは居てくれないと困る!」
「瞬間移動だから、昼までには帰って来るから」
「アイン何か欲しい物があったら言って、何でも持って来るよ」
「·····硝石か出来れば火薬、それからジュラルミン板にミスリル、アルミに鉄材、それから食料を沢山」
「わかった!」
返事と同時に、カメ達一行は瞬間消え去りました。
「何とも·····カメは何でも有りだな、驚きを通り越して、呆れるな!!」
風が吹き抜け、アイン皇帝の呟きだけが残りました。
私達が帰国した一報は、瞬時にゼンナ大陸全土に伝わり、ある者は飛行、ある者は加速で、ぞくぞく集まって来て、涙で責められるわ、笑顔でもみくちゃにされるわで、大混乱になりました。
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