第16話 ルナって何者?

 しばらく待たされ、やっと鑑定倉庫へ通されました。

 また、大勢引き連れて行きます。


 取り合えず大物から、竜を出すと

「竜は国王様に献上してくれ!」と言われました。


 私が、コカトリス2頭、オーク2体、ホーンラビット6羽

 ミメ、コカトリス5頭、オーク3体、

 ホミ、コカトリス4頭、オーク2体、

 キサ、コカトリス2頭、オーク8体、ホーンラビット4羽


 計  コカトリス13頭、オーク15体、ホーンラビット10羽

 を出しました。


 ギルマスと担当職員が目を剥いていました。

「魔爺処か魔人も全員収納魔法使いか!」

 ギルマスの呟きから驚いたのは別の事と分かりました。


「集計出来るまで、別室でお待ち下さい」

 ギルマスの言葉が、突然丁寧になりました。


 驚いたのは、ギルマスだけでは在りませんでした。

 同族が収納と言う、不思議な技を使った!と騒ぐ獣人達もでした。


 収納、使いたかったら、希望者に後で授けると言って落ち着かせ・・・全然騒ぎは収まりませんでした。

「授ける?そんな事まで出来るお方だったのか!」

「さすがワト神の友人!このお方も神のようだ!」


 騒ぎながらの移動になりました。

 ルナは相変わらず、私の服の裾を、ちょこんと摘まんで移動です。


 別室とは、会議室でした。

 全員に飲み物が出され、特別待遇です。

 飲み物は、果物を絞ったジュースでした。

 色々種類があるようです。

「この町早く出たいけど、ジュースだけは買って行こう」


 かなり待たされました。

 その間ギルドマスターは忙しく、職員を呼びつけては「速馬の準備をしろ!」

 とか、机の上の書類を書き込み、封書にしたため「王室に届けろ!」とか、バタバタ慌ただしい事。


 やっと集計出来たようです。

 私の机の上に銀のポイントカードと、黒い硬貨(黒曜貨初めて見た)

 黒曜貨81枚、大金貨4枚、小金貨4枚、大銀貨6枚が置かれました。

(えーと、幾らになるのか......)

(其にしても、流石ギルドよく此だけのお金スンナリ出せたものだ!)


 内訳は

 肉、コカトリス1頭500万ゼン、オーク1体20万ゼン、ホーンラビット1万2千

 素材、コカトリス100万ゼン、オーク2万ゼン、ホーンラビット2千ゼン

 合計、8144万6千ゼン

 と書かれた書類を渡されました。

 不明な6000ゼンは毛皮が美品だったからだそうです。


 冒険者達は驚き騒いでいます。


 何を騒いでいるのか?

 取り合えず今はカード!

 裏の名前を確認ツルタ カメ、うん間違い無し!

 血を一滴うん、順調!

 中を確認!


   魔爺  竜殺し  残り18741000

 LV5 HP1000 MP2000 力1000 速さ2000 魔力3000

 名前が!?竜殺し?銀級じゃ無いの?

 は、どうでも良いか

(ワトさん!知らない内にトンでも無いことに!)

(ララアと闘ったでしょ、最後の方3分経ってカメさん元に戻ってた)

(元に戻った時ララアから経験値奪ったみたい、勝ったから)

(そんな事有り?)(有るみたい、驚きね!)

 予想外のLVアップに驚くカメとワト神でした。


 あ!そうか!ギルドマスターの慌てかた、こっそり見たな!


(ギルドマスターが錯乱するはずよ!)

(LV5でこの強さ、人間じゃあり得ない!)

(・・・私人間じゃ無いって事?)

(人間よ!2神の加護授けられた立派な人間!)

(少し安心した)


 皆の様子に気を向ける余裕が持てました。

 奴隷商から、踏んだくった大荷物を殆どの獣人達が抱えて居ます。


 約束の収納アイテム、全員希望され授けます。

 収納の便利さに喚声が起こります。

 言葉は理解出来なくても、起こった事は見れば分かります、冒険者達が物欲しそうに眺めていました。


 必要な物の補充、ジュースも各種大量買い!

 この世界お酒は?まっ私飲酒の習慣無いのでどうでもいいです。


 もうこの町早く出たい!

 昼だろうが夜だろうが関係無い!

 後2、3刻で夜になるけど関係無い!

 ガルバニ町に向け出発!


 ララアとケイトは窮屈といって人化を溶きました。

 ゼンナ街道をラミアとアルケニーが進みます。

 前を冒険者達が先導しているので、道行く人達驚き避けて行きますが、騒ぎにはなりません。


 私が引き連れて行く同行者魔人、獣人、亜人にこの国の人、慣れて貰います!


 2刻ほど歩いた所で、街道から外れ、野営の準備。

 篝火の用意を皆に任せ、ミメ達と夕食を作ります。

 ルナは離れないため、私とご飯炊き、精米少なくなりました。


 食事しながら、魔人語でワト神からの依頼の話をしておきました。

 料理は相変わらず塩味だけですが、コカトリスのお肉本当に美味しい、薄い塩味で充分美味い!

 魔人達にも好評です、冒険者達は本当に美味しそうにご飯食べてくれます。

 もう、従者決定!


 従者の初仕事!各自ビンと棒を渡し精米です。

 途中で仕舞える様に収納アイテムを授けました。

 ここ100年程存在しなかった収納!と、冒険者達は歓喜し、忠誠心を増します。


 問題無いかと思われたが、翌朝、事件が起こります。


 朝食暖めるだけで食べられる、用意した鍋ごと、ご飯も炊ける様にお米を入れた土鍋も無くなって居ます。

 森ではなく、街道沿い、気も弛みます。

 それでも、不寝番ふしんばんをかって出てくれた、冒険者達は居眠りなんてしないで真面目に努めてくれていました。


 我らわにも気取られず、盗みが出来るのは、コボルト以外考えられぬ!

 ひとっ走り成敗して参る故、主殿しばしお待ちを!

「待って!ケイト」


(ワトさん)

(はいなカメさん)

(コボルトってやっぱり亜人なの?)

(うん、うん、コボルトは色々役に立つわ仲良くしてね)


「ミメ、朝食任せる、皆で作って食べてて」

 私にベッタリのルナが突然大声を出して「エルナ、これに!」

「はいルナ様」近付いて来たのはエルフ女性。


 そう言えば、エルナさん、エルフ男性ルヒトの母親って紹介されたっけ。

 ルナ様?


「エルナ皆の安全任せました」

「はいルナ様、お気を付けて!」


 何やら、言いたい事、聞きたい事、増えて来ますが、今はコボルト対策です。

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