第51話 プロミネント王国消滅
「ワトさん、ナギは何を知らせようとしてるんだろ??」
「カメさん、あの瓦礫から立ち上る煙り、変じゃない?」
「?鑑定してみる!」
「··········ペスト菌?·····細菌兵器を最後っぺに使いやがった!!!!!」
「プレミネント国民を道連れに、我々諸とも滅ぶつもりみたいね·····卑劣な!!!」
「ワトさん、何とかならない?」
「私達は全員安全よ!カメさんのコピー服着てるから、カメさん、ミメ、当然私も、神には無効な攻撃、問題はプロミネント国民ね、あの様子では全員菌を吸い込んでる··········」
「手遅れでも、漂ってるペスト菌は消滅させたわ!」
「感染した住民に、服を着せて回復して回れば··········」
「カメさん、菌の攻撃には対処出来ても、感染した病人には効かないの、コピー服は」
「私のオリジナルの服は?」
「オリジナルの服なら、回復可能よ·····でも、カメさん一人で何人回復出来る?」
「一人に3秒でも、5000人治療したら4時間よ」
「一人でも多く頑張って助けて見せる!!」
「良く言ったね!流石カメさん!!!私も手伝うわ!!神力解放!!!」
「じゃ私も!魔力解放!!!」
ナギとナミをミメに預け、黄金に輝くワト神と、久しぶりに白銀に輝く私は、プロミネント国民救助に飛び立ちました。
強化された細菌兵器だったようで、住民の殆どが発病高熱に侵されています。
「プロミネントの、マッドサイエンティストども、とんでも無い物造り出しやがって!!!」
「カメ魔神とワト神が治療に来た!!皆の者安心せよ!!!」
回復した住民は、手を合わせ膝まずいて拝んで居ます。
今後の統治をやり易くするため、あざといデモンストレーションではあります。
ワトさんと二人で1万人の住民を救いました。
一人に3秒しか掛けませんでしたが、それでも4時間以上時間が掛り、間に合わず助ける事が出来なかった人も多く出ました。
私達神による、懸命な救助活動に、救われた多くの住民はひれ伏して、涙ながらに感謝しています。
助ける事が出来なかった、弱っていたお年寄り、抵抗力の無い乳児の遺体は、菌の媒体となるため、引き続き菌の消滅に励みました。
助かった住民にあざとく恩を売るため、手分けして大量の炊き出しを実施しています。
この王国も軍事費を掛け過ぎ、住民はロキソニより酷い貧困生活を強いられ、餓死寸前の状態です。
大人数を賄う為、薄いスープに乾パンしか、振る舞う事が出来ませんでした。
それなのに、住民は粗末な食事を拝むようにして、喜んで食べていました。
プレミネント教国に逃げるには、ロキソニ帝国を通過しなければならず、住民は逃げる事すら出来ず、ただ搾取され続けていたようです。
ボロを纏い痩せ細った人々が、あまりにも哀れで、泣けて来ます。
プロミネント王国の関係者、兵士達の治療は後回し、最後の最後にしたため、殆ど助ける事が出来ませんでしたが、後悔は全く有りません。
アイン皇帝のツベル帝国、さしあたっての脅威は取り除いた、後は何倍にも増えた領土の、治安と統治をいかに執り行うか、腕の見せ所ですね。
アイン皇帝は、旧プロミネント王国復興までは、資金資財的に余力が無く、
「厚かましい要望だが、カメに任せる!」と、丸投げされました。
よし!腕の見せ所です!!
まずは会場造りから!!
ワトさんに私、それにミメも、神力魔力闘気を纏い、それぞれ黄金、白銀、蒼白に輝いています。
神々を更に印象付けるデモンストレーションです。
プロミネント城跡地を、ワトさんが浄化整地します。
多くの住民が見守る中、あの邪教神殿、一番豪華な物のコピー品を取り出します。
大神殿の両脇に中神殿小神殿と、左右対称山形に設置すると、下手な城より美しく豪華な物になりました。
神々の奇跡としか思えない現象を、住民は目の当たりにして、一人残さず平伏して居ます。
落ち着くのに暫くかかりました。
一寸刺激が強過ぎたかな。
呼び掛けにより、区長12人と生き残った兵士に集まってもらい、ゼンナの代表者が集まり復興会議を始める為、神殿内に入ってもらいます。
伽藍とした大神殿内部、住民の目の前で、こんどは蒼白く輝くミメが、全員分の椅子と円卓を収納から取り出します。
一寸落ち着いていた人々が、又も平伏です。
··········会議がいつまで経っても始まらない··········
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