『ファミリージョッキー』【FC】

 今回はファミコンの競馬ゲーム『ファミリージョッキー』を語ります。 

 競馬ゲームですが、基本的にレースに参加した馬を操作してゴールを目指すゲームなので、レースゲームに近いかもしれません。


 ファミコン本体を買ってまだ間もないころだったでしょうか、まだ私がかなり小さかった頃、父が買ったゲームでした。

 競馬には全然興味がなかったのですが、プレイしてみるとこれが意外と面白かったのです。


 まず、十六頭の馬から操作する馬を選びます。

 それぞれ、スピード、スタミナ、ガッツ、ジャンプ、ターボ、タイプ、の六種類の能力が、ゼロからA(9の次がA)で設定されています。

 決定すると、参加するレースの名称や天気が表示され、その次に参加するすべての馬の一覧が表示されて、レーススタートです。


 六頭の馬が参加します。Ⅰコンは白い馬にピンクの騎手。Ⅱコンは白い馬に青い騎手です(どの馬を選んでもこの色)。

 画面下部には自分の馬の体力ゲージが表示されています。赤く表示されていたので、ニンジンジュースと呼んでいました(笑)

 さて、ファンファーレが鳴り終わるとスタートです。

 スタートとともにAボタン超連打!

 Aボタンは馬に鞭を入れて速く走らせるボタンなのです。


 能力値によって、一回の鞭で進む距離やスピード、減る体力などが違いますが、この最初のレースの新馬戦はとても短いので何も気にせずにとにかく連打します。


 横スクロールでスタートしますが、丸いレース場を走っているので縦スクロールになるところがあります。

 その縦スクロールしているところでは、パネルのようなアイテムがランダムで落ちています。アルファベットが書かれていて、それを取ると、アルファベットに対応した能力が上がっていくのです。

 しかし新馬戦は一位を取って当たり前のレース。パネルのこともあまり気にせずにひたすら先行します。

 最後はまた横スクロールに戻り、ゴールです。


 順位が出て、順位にあった賞金をもらいます。

 その時の賞金によって次のレースがどれかが決まっていきます。新馬戦では一位を取っていると500万以下条件のレースに。それ以外だと未勝利戦に行きます。


 500万以下条件では、障害物が出てきます。タイミングよくBでジャンプです。

 飛べずに引っかかってしまうと落馬します。馬と騎手が離れてコロコロ転がって進めません。

 しかし画面は一位を追いかけて容赦なくスクロールしてくるので、落馬状態で画面外に出てしまうと失格になってしまいます。


 そんな感じで序盤のレースは連打しまくりでギャーギャー言いながら障害物を飛び越え、失敗してひっくり返ってゲラゲラ笑って、とても楽しくプレイしていました。父が買ってきたゲームなのに、子供の私たちの方がハマりまくったのです。


 兄の友達数人が家に来て、みんなでプレイするとみんなもハマったようでした。みんなで爆笑しながらプレイします。

 『ファミリージョッキー』ブーム到来です。

 しかし、ある事情によりカセットがどこかに行ってしまいます。

 ある事情は、まぁ、想像にお任せします。


 結局カセットは戻ってこないまま、数年が経ちました。当時、田舎な近所には中古屋がありませんでしたが、ちょっと都会に出て入った中古屋で『ファミリージョッキー』と再会します。

 少し大人になってからのプレイでは、子供の頃とまた違った面白さにハマります。

 子供の頃は、序盤の何も気にせず連打しまくるレースに面白さを感じていましたが、大人になってからは、もっと高難易度のコースで、スタミナの減りを考慮しながら走ることに魅力を感じたのでした。


 序盤のコースは、レース場の半周以下の短いコースでしたが、進んでいくとコナミカップというレースから一周以上するコースになっていきます。

 パネルが出現する場所では、体力の回復アイテムである★のパネルと、体力が減少するドクロマークのパネルが出現するようにもなります。 

 先行しすぎると、画面一番前に立つことになり、★の位置がわからずにとり逃してしまう確率が高くなります。

 かといって、★のパネルを取るために後ろの方で待機しようとして、画面の後ろにいすぎると、スクロールする画面に押されます。画面に押される状態だと、ガンガン体力を削られていくことになります。


 いい感じに中間の場所にいるのがベストなのですが、やたら一位の馬が速くて、スクロールも早くなっていい感じの位置取りが難しかったりするのですね。

 ★を取れなかった時の体力配分に気をつかうのも、なかなか緊張感があって面白かったり。


 そんな風に、高難易度のレースも面白く感じてきて、全クリも夢ではないのでは、と、全十六戦の間に天皇賞クリアを目指します。(失格にならなくても十六戦してしまうと、そこで終了してしまいます)

 しかしどんなに頑張っても天皇賞の二つ前のジャパンカップくらいまでしか行けません。

 けれど一度だけ奇跡が起き、天皇賞に挑戦する機会があったのです。

 しかも★にも恵まれ、体力は十分。これなら一位も狙えます。


 だが……しかし……。


 私は最後のレースなのだから、もっと長いだろう、もう一周するのだろうと思い込んでおり、もうそのカーブを曲がればゴールというところなのに、体力を温存してゆっくり走っていたのです。

 結果一位を取れず……もう何位だったか忘れましたが、相当のショックを受け、無念の最後でした。


 ああ、そんな奇跡の馬だったのに、どの馬を使ったのかすら忘れちゃいましたねー。

 確かそれ以来しばらくその馬ばかり使ってた気がするのですが……。


 レースを馬で走るのがメインのゲームですが、別のモードでは、お金を賭けられるモードも存在します。

 トーサン、カーサン、ヤヨイ、ユウタ、の四人がそれぞれ持ち金一万円からスタートして、賭けをして、その後いつものレースをします。

 全員持ち金がゼロになるとレースを進めるだけになります。


 私はこの賭け方がいまいちよくわからないので、兄がちょくちょくやるくらいでしたが、序盤は自分たち二人に全額賭けるのが鉄板でしたね。

 一位か二位を確実にとれよ、と、普段とは違うプレッシャーがかかります(笑)


 それにしてもしかし、ヤヨイとユウタ、どう見ても未成年の子供なんですが、賭けなんかしていいのかと心配してしまいます……。


 以上が『ファミリージョッキー』の思い出です。


 現在ではすごい技術の使われたゲームがあるのに、今でも遊べるレトロゲームって偉大ですよね。


 ではでは、次回は何のゲームを語ろうかと考えながら、また次回。

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