『THE HORDE(ザ・ホード)』【SS】
今回は、ジャンルが都市育成・戦闘シミュレーション、であるゲーム『ザ・ホード』を語ります。
ちなみに『ザ・ホード』で検索すると、先に映画のタイトルが出てくると思いますが、それとは(たぶん)関係ありません。
なぜだか、やたらと紹介したかったゲームです。
ムービーは実写で、なかなかコミカルで面白いものが多いです。
お城で召使をしていた主人公チャンシーは、王様のお茶会(?)で食べ物を運んでいました。
王様も、参加している女性たちも、大臣の面白い話に大笑いしています。
しかし大笑いしていた王様がノドを詰まらせてしまいます。女性たちは大臣の話に夢中で気づきません。大臣は一瞬気がついたような表情をしていましたが、なぜか無視します。
ノドを詰まらせた王様に気づいたチャンシーは、王様の元へ駆けつけ、ノドに詰まったものを吐かせます。
「む! 小僧が陛下を襲っているぞ! えいへーい! 衛兵を呼べぇ!」
とか大臣は叫びますが、王様はそれを止め、感謝してくれます。
そして「これからはチャンシー卿と名乗るがよい。シムト平原の広大な土地と、聖剣、グリムスワッカーを授けよう」と言います。
その剣は、王様が若いころに使っていたすごい剣らしいです。そして
「忘れもしない、最も邪悪で貪欲な魔物の名は、忌まわしきホードじゃあああああ!」
そう語る王様。そしてチャンシーはホードという魔物と戦いながら、与えられた土地、シムト平原を守っていくことになります。
都市を発展させるゲームと言えば、すぐ思い浮かぶのは『シムシティ』でしょうか。
あんな感じの、カメラが村を上空から映している感じですが『シムシティ』よりはかなりカメラが村に近く、歩いている村人とかがはっきり見える感じですね。
村の発展には特に手を貸さなくても、ホードの襲撃から村人を守れば、勝手に発展していきます。
都市育成シミュレーション、とジャンル分けをされているのに、では何をするのかというと、春夏秋冬ごとに攻めてくるホードから村を守るために、村に罠などを仕掛けるのです。
お金(クラウン)を使って罠を仕掛けます。最初は、ホードを一時的に足止めする柵や、弱いホードなら一撃で仕留められる落とし穴(一度しか効果なし)、くらいしかありませんが、ゲームが進むにつれ、罠などの防衛に役立つアイテムの使用権を買うことができるようになります。
そして一定時間すぎるか、アイテム欄にある“ホード召喚”を使うとその季節のホード襲撃が始まります。
赤い姿をした魔物、ホードを倒すのは罠だけではありません。
チャンシーみずから、グリムスワッカーを振り回し、ホードと戦います。
文字通り振り回しています。体全体を使って一回転してるんですね。なのであまり連続で攻撃していると、目を回してしまいます。
最初は一番弱い、小柄なホード(といっても人間と同じくらいの大きさはありますが)、バンビ―ホードが数体襲撃してくるだけなので、罠とか使わなくても、適当にくるくる回っていれば倒すことができます。
人間が食べられないようにしっかり守ります。
そして戦闘が終わると、その季節の収支が出ます。序盤にはまだありませんがゲームが進むにつれ、戦闘中にもクラウンを使って使用できるアイテムの使用権が購入できるようになります。
そういった支出と、村人が育てた作物や、飼っている牛(罠を仕掛ける時のフェーズでクラウンを使って設置する)で出た収入が表示されるわけです。
牛は少々値が張るので、初めの収入は苗木を植えて、それが育った木を回収することで、増やしていきます。天然に生えている木も回収できます。苗木は1クラウンで、木を回収すると5クラウンです。
そして牛、一匹購入するのが100クラウンになっています。ワンシーズンに、25クラウンの富を生み出します。
しかし牛さん、人間同様、ホードに襲撃されて食べられてしまうことがあるのです。
100クラウンもしたのに、食べられてしまう……。
牛が設置できるくらいにクラウンをためられた頃には、ジャイアントホードという、バンビ―ホードよりも二倍以上体格か大きく、体力もホードの中で一番高く、攻撃力も高いホードが出てくるようになります。
そいつが出てくると、うまく守らないと、牛さんをバクバク食べられてしまいます。
すぐに食べられるし、100クラウンもかかる……。ワンシーズン生き延びても25クラウンしか生み出さない……(しか、と当時の私は思っていました)。
私は牛さんを買うことに挫折してしまいました。
リスクのない苗木をひたすら植え、5クラウンを地味に回収する手に出たのです。
そんな風にして、シムト平原での二年だったか三年だったか(記憶が曖昧)の生活をなんとかクリアすることができました。
そして新しい土地を与えられます。アルブルガ森林です。
森林ですから木がたくさんあります。喜んで回収しました。しかし、この土地には森の妖精が住んでおり、木を刈りとるとチャンシーのライフが削られてしまうのです。
住民の作物の収入は少ししかないのでアテにならず、牛さんを買おうにも100クラウンがもったいない、という考えになってしまっている私は、ダメージを喰らいつつも木を刈っていきます(妖精さんに申し訳ないと思いつつ)。
やがてバンビ―ホードに一発喰らうだけでも死んでしまうライフに。ちまちま5クラウン回収しているだけでは、お金的にもつらくなってきます。
これはもう……あかん……。と諦め、初めからまたスタートするのですが牛さんの100クラウンがもったいないという考えに取りつかれている私は、アルブルガ森林から進めなくなってしまいました(投資という言葉を知らんのか)。
しかし説明書の端っこに『禁断の知恵袋』なるものが。
死神っぽいフードを被った骸骨が「お金が足りない? 次のコマンドをゲーム中に入力してみい。ゲームが面白くなくなっても知らんが、お金が増えるぞ」と言っている下に、コマンドが書かれています。
こ、これはもうしょうがないよね。とそのコマンドを使うことを決意してしまう私。
いくらだったか忘れましたが、思った以上にべらぼうな金額が増えてびっくりしましたが、それでゲームを進めます。
それはそれで面白かったんですけどね。
強いホード以外は完全にホードを防げる壁を立てられる権利や、強いけどその場から動かず剣で戦う騎士、弱いけれど遠くにも矢を射てくれる射手を雇える権利などを購入します。壁は村すべてを囲むように配置し、騎士や射手をこれでもかというほどに配置します。
すると、弱いホードだけが襲撃してくる季節は、チャンシーが何もしなくても、ドシュドシュドシュ! と音が鳴るだけで終わるようになってしまうんですねー。
意外とそれが爽快だったり。
禁断のコマンドは、連続で入力してもそれ以上お金が増えませんが、お金が無くなってから入力するとまた増えるという仕組みになっています。
なのでいくらでも無双プレイが楽しめたのでした。
それでエンディングまでプレイしたのですが、それはそれで満足していました。
しかし、その後、久しぶりにプレイして、牛さんを配置してみようという気になります。
もったいない精神を捨て、所持金のほぼすべてを牛さんにつぎ込みます。罠は人間ではなく牛さんの周りだけに配置して、牛さんだけを守ります(人間が全滅しない程度に)。
初見プレイでは、そんな思い切って牛さんを買うことも飼うこともできなくて、所持金を多少残しつつ配置していたのがいけなかったのです。
牛さんにすべてをつぎ込んだプレイは、思った以上の収入を得ました。一匹の収入はすぐに二匹目の購入資金に。二匹の収入は……と次々に購入していきます。
そしてシムト平原からアルブルガ森林にうつる、シムト平原最後のワンシーズン。
かなり増えた牛さんたちを見て、「この牛さんたちをここに置いていくんかぁ。購入資金の一匹百クラウンっておっきいよなぁ、もったいない……」と思います。けれど牛さんにカーソルを合わせボタンを押してみると、牛さんを回収することができました。所持金にもちゃんと100クラウン入っています。
それを見てシムト平原で飼っていた牛さんを全部回収したのは言うまでもありません。
けど、牛さんを置いて行った場合、お金がどうなるのか確認したことがないんです。もしかして自動回収されていたら、そのシーズンの収入を放棄していることに……。まぁ今さら気にしてもしょうがない。
アルブルガ森林でも牛さんをどんどん配置していきます。余裕でクリアです。多少食べられても、モノともしない頭数になっていきます。
私は若干、集合体恐怖症なのですが、牛さんの白黒模様がちょっと気持ち悪く見えてくる……それくらいの頭数を配置できるようになっていきます。ちょっと気持ち悪いのは我慢します。
そうなってくるともう、終盤、禁断のコマンドを使っていたころと変わらない、それほどの無双プレイができるようになっていきます。牛さんバンザイ。
そしてめでたく、このゲームを真にクリアすることになります。わーい。
ところで、オープニングで王様がチャンシーに「おぬし出身はどこじゃ?」と訊ねた時、チャンシーはこう答えます。
「私は生まれがわからないのです。親切な牛さんに育ててもらいました」
と。
ん? 牛さんに育ててもらった? とその時は意味がよく呑み込めませんでしたが、やがてそれがそのままの意味だと分かります。
アイテム欄に母の写真として、牛さんの写真を持っているのですね。
育ての親と同じ種族の生き物を飼うって、どんな気分なんだろう……。
なんだかお金稼ぎと、配置して防衛するアイテムのことしかほとんど語れませんでしたが、戦闘面でもなかなかに面白いゲームでした。
以上が『ザ・ホード』の思い出です。
最近シミュレーションゲームってやってませんでしたが、書いていたらちょっとやりたくなってきました(笑)
では、また次に語りたくなった時に。
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