長く語れるエピソードのない『桃伝』『桃鉄』シリーズの、ちょっとした話を集めてみた。

 桃太郎と聞いて、今は『桃鉄』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 その桃太郎のゲーム、そこまでいろいろプレイしていませんが、ふと一つ思い出を思い出したら、桃太郎シリーズの思い出って結構ある、と思っての今回です。



『桃太郎伝説』【FC】


 シリーズ一作目の『桃伝』。

 略称が『ももでん』だと漢字が『桃電』かもしれなくて『桃太郎電鉄』の方かもしれないじゃないか、と妙なことを気にして(私が気にしていたのではなく誰かが言ってたとか雑誌に載ってたのかは記憶にないけど)『桃説ももせつ』と略していたこともありました。


 桃から生まれた桃太郎が鬼退治に旅立つ、有名な昔話を元にしたRPGです。

 お供のイヌ、サル、キジはもちろん、後の桃太郎シリーズでお馴染みの金太郎とか浦島太郎とか貧乏神も登場します。

 結構コミカルなゲームで、色々なパロディとかが盛り込まれており、笑いと和みのあるゲームです。


 当時ネタがちゃんとわかって印象に残っているのは、お地蔵さまに話しかけると「なーほー ざ わーるど。なーほー ざ わーるど。あのばんぐみはおもろいのう」とか言ってたりするところ。

 当時の人気クイズ番組のタイトルですが、このゲームのお地蔵さまの中で、『なるほど・ザ・ワールド』はとても流行っていたようです(笑)

 

 結構な回数をプレイした記憶はありますがしかし、ちゃんとクリアした記憶は一回しかありません。

 パスワード(このゲームでは天の声)で『ふ』と入力すると最強レベル(このゲームではレベルではなく段)で、クリアに必要なアイテムはすべてそろっている状態でスタートすることができ、クリアはいつもその 『ふ』でクリアしてました。


 だって当時の幼い私には難しすぎたんだもの。

 多分今だって難しいと思うけど。


 ラスボスの閻魔大王の一個手前のダンジョンが難しすぎるんだよぉお!


 天の声に『す』と入力するとゲーム中の音楽が聴けます。

 当時音楽プレイヤーなんて持っていなかった私と兄は、妙にこのシステムと『桃伝』の音楽を気に入り、延々と『す』で音楽を聴いていましたね。


 そして妙に気に入ったと言えば、浦島太郎のイベント。

 桃太郎が浦島太郎のごとく竜宮城へ行くイベントがあるのですが、そこで竜宮城の住人の踊りを見せてくれて、もてなしてくれます。

 そのイベント、選択肢で「はい」を選べば何度でも踊りを見せてもらえるんです。

 しかし、一度でも「いいえ」を選ぶと竜宮城を離れてしまい、そのプレイではもう二度と竜宮城へ行くことができません。


 その踊りと音楽が妙にクセになって、「次が見たかったらまた最初からプレイしなければいけないなら、いっぱい見とかなければもったいない」と考えた私と兄は、延々と選択肢で「はい」を選び続けるのでした。


 しかし、それでもなぜか竜宮城を離れがたいと思ってしまった私たちは、ビデオにとればいいんじゃないか? と考えて、その踊りをビデオに残しておくことにしたのです。

 今考えると、そこまですることはないでしょうに、という気持ちもありつつ、このイベントの直前のパスワードを取っておけば、ビデオまでとらなくても好きなだけ見れるやん、って思うんですけどね(笑)




どんなタイトルだったか憶えてないけど、とにかくPCエンジンの桃太郎二作【PCエンジン】


 近所にPCエンジンのソフトがあまり売っていないのにPCエンジンの本体を買ってしまったのです。持っていたソフトは本体と一緒に買った『ボンバーマン』ひとつきりで、かなりの年月が経った頃、兄がどこか都会の中古屋で桃太郎シリーズ二作を買ってきてくれたのです。


 しかしPCエンジンでのセーブは周辺機器をつけなければできないようになっていることに、この時初めて気がつきます。

 しかしそんな周辺機器、近所じゃ見当たらないんです。

 というわけで、この二つの桃太郎のゲームはセーブできないんです。


 一つ目の桃太郎が主人公の作品は、一応パスワードも出ましたが、それがファミコンの時のパスワードの、四倍くらいの長さでした。

 一度メモにトライしてみましたが、入力したときはやっぱり間違っていて、再開できずにプレイを諦めました。


 二つ目の作品は、少し短めの話が三本入っている作品でした。

 貧乏神が一人で旅立つ話。

 夜叉姫が主人公で(たぶん)三人パーティーの話。

 そして三つめは全く覚えていません(^_^;)

 だって、一ミリもプレイできていないんですもの。


 とりあえず順番に貧乏神の話から始めてみましたが、やはりセーブがないので、途中で断念しました。

 しかしセーブがないなら、一度も電源を切らずにプレイすればいいじゃない。と考えた私は、夜叉姫の話を一日ぶっ続けでプレイしたのでした。

 一日がかりでなんとかクリアしましたが、一日中ぶっ続けはやはりしんどい……という結論に達し、もう一つのお話は全くの手つかずになってしまったのでした。


 なので夜叉姫の話を一回クリアしただけなんですが、攻撃の術の時にその使ったキャラが唱える「さ~ざ~な~み~」が妙に記憶に残っています(笑)



『スーパー桃太郎電鉄II』【SFC】


 初めての『桃鉄』はスーファミでした。

 かなりハマりまくり、攻略本も買いましたね。本棚を探せばたぶんまだあるはず。

 『桃鉄』で日本の地名を憶えたって方も多いのではないでしょうか。


 プレイヤーは日本全国を電車で、すごろく形式で全国の目的地に定められた土地を回っていくゲームですね。


 物件を購入すると決算で利益が入るので、物件購入が攻略のカギです。

 しかし、幼かった私は、その物件の利益率とかの意味が分からず、決算で入る収入が物件を買ったから生ずるものだと理解していませんでした。

 一方、兄はそれを理解していました。


 ゲームが終わった時点で総資産が数百億単位の兄。総資産が数百億マイナスな私。

 正直、物件のシステムを理解するまでこのゲームが嫌いでした(笑)


 しかし兄に詳しく説明してもらったんだったか忘れましたが、物件の利益の仕組みをちゃんと理解してからは超楽しくプレイしましたね。


 でもです。


 兄は1Pでプレイしています。私は2Pです。後の二人はコンピュータです。プレイヤー全員が一巡するとセーブされます。


 で、1Pから順番にサイコロを転がすわけです。兄からサイコロを転がすわけです。

 そして、兄に嫌なイベントが降りかかると、兄は即リセットを押してしまうんですよ!


 私がリセットしたくても、兄は自分の番がもう終わっているのでそれもなしにするなんて嫌だと、リセットさせてくれません。ひどい……。

 どうしてもリセットしたいときは必死に兄と交渉です。


 そんなプレイで最終的に兄の総資産は一兆円以上になりました。むしろそれくらい行ってもらわないと困ります。


 しかし何度も最初からプレイしていると兄も大人になったのか、リセット戦法を使わなくなりました。

 そして私も強くなり、最後の総資産が自力で一兆円を超えるようになります。

 でも兄は三兆近い数字をたたき出しておりました。

 リセットなんか使わなくても兄は強かった(絶望)


 一般的にこの数字がすごいのかどうかは知りませんけども(笑)


 ちなみに当時、ゲーム内でキャンセルボタンを押すことを、私たちは「ポンする」と言っていました。

 このゲームのキャンセルするときの音が「ポンッ」って聞こえるから(笑)

 他のゲームでもなんでも、キャンセルするときは「ポンする」って言ってた気がしますね。


 ところで、コンピュータのつよさを設定できるんですが、一番強いはずの閻魔が一番弱かった記憶があります。なんでなんでしょうね……。



『桃太郎電鉄12 西日本編もありまっせー!』【PS2】


 次に触れた『桃鉄』はプレステ2でした。

 兄はもう大人と言っていい年になっていたので、あまり一緒にプレイする機会がありませんでしたが、一度だけプレイに付き合ってくれたことがありました。

 そしてやっぱり強い。


 が、しかし。


 忙しいので、パソコンを見ながらの、ながらプレイをしていたんです。

 なので、兄は他のプレイヤーがどこに止まっているのかということを、細かく把握していませんでした。

 そして他のプレイヤーたちが密集しているところで最強の貧乏神、キングボンビーが現れます。


 兄にキングボンビーがつきますが、他のプレイヤーがいるマスを通ればキングボンビーをなすりつけられるので、他にもプレイヤーがいる状況で兄は慌てず他のプレイヤーになすりつけようとします。


 が、細かく他のプレイヤーの場所を把握していない兄は、一見、他のプレイヤーの止まっているマスを通ったように見えて、通っていない状態で自分のターンを終えます。

 それに気づいたのに言わない私。

 キングボンビーに攻撃されて「ええぇぇぇえ?!」ってなる兄。

 

 そこからいろいろと笑える、兄の転落(桃鉄)人生が始まりましたが、色々あり過ぎて憶えていません。

 基本、どんなゲームでも私より強い兄でしたが、ゲームであんなに打ちのめされている兄を見たのは、この時の一度きりかもしれません。



『桃太郎電鉄16 北海道大移動の巻!』【Wii】


 これは当時の友達がWiiを持っていたので、もう一人の友達とプレイさせてもらった作品です。

 当時の私のプレイスタイルは、賞金がもらえる目的地に行くよりも、物件を買いあさりつつ、貧乏神から逃げ回るというプレイスタイルで、なかなか好成績を納めていました。

 もう一人の友達も、『桃鉄』が大好きと自称してるだけあって、なかなかの強者でした。


 しかしその持ち主の友達はあまりゲームをプレイしないせいか、物件の利益率を理解していない、『桃鉄』初心者だった頃の私と同じ状態のままで、今までずっと遊んでいたというのです。

 しかしルールを分かっている私たちがじっくり説明すると、彼女もなかなか強くなっていったのです。


 この作品、タイトル通り、北海道が大移動するんです。

 北海道が寒すぎて、北海道全体が凍ってしまい、その氷を解かすために四国沖に移動するんだそうな。


 友達二人はこの作品を前からやっていたので、その大移動のイベントを知っていて、私だけ知らなかったので、そのイベントを見たい見たい! と楽しみにしていたのですが……北海道が凍った所まではプレイしたんだけれど、北海道が移動する前にふたりとも飽きちゃって(二人は何回も『北海道』やってるから)、そこからプレイしなくなってしまいましたとさ(笑)



『桃太郎電鉄2010 戦国・維新のヒーロー大集合!の巻』【Wii】


 『北海道』は飽きてしまった友人でしたが、そのWiiの持ち主の友人は新しい『桃鉄』がやりたいと新しく購入したのがこの作品でした。


 彼女は本体ごとそのソフトを私に貸してくれました。

 で、他のプレイヤーはコンピュータで、私一人でプレイ。

 ちょっと苦戦しつつでしたが一位でプレイを進めていました。


 この作品ではその人物の縁ある駅の物件を買い占めると、歴史ヒーローが味方してくれるようになります。その歴史ヒーローがどこにいるのか、ほんの少しネットでカンニングしつつのプレイでした……(^_^;)


 そんなプレイでしたが、この作品での要素をひとつ、使っていなかったのですね。

 それは他のプレイヤーが持っている物件を、もとの金額の百倍の金額を出せば乗っ取ることができるというもの。


 この要素、コンピューターのプレイヤーは使わない仕様なのか、誰も使っていなかったので、なんとなく私も使っていなかったのです。

 まぁ、百倍も払うのはもったいない、という気持ちもあったのだと思います。


 そこでふと、友人はどんなプレイをしたのだろう、と気になって、勝手にデータをロードするのは失礼だろうかと思いつつ、興味が勝ってしまってロードしてみたんです。


 そしたら、そのデータ、おそらく百倍金額の乗っ取りででしょうか、すべての物件を手に入れていて、えげつないほどの総資産だったんです。

 コンピューターはのっとられても誰も取り返さないから可能だったのでしょうが、これはすごい……。


 物件に百倍の金額を使う<乗っ取った物件の決算の収益

 なのでしょうね。


 物件の利益率のことを教えたら、本当に急成長してしまった彼女でした(笑)


 というわけで、桃太郎シリーズについては以上です。


 前回更新したときからずいぶん経った気がしますが、この通り、不定期更新なので、もしも、このエッセイを待っていてくださる方がいるなら、のんびりと待ってくださればと思います。


 では、またいつかの次回で。

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