『MOTHER2 ギーグの逆襲』【SFC】

 ま~ざ~つ~~♪ ま~ざっつ~~~♪


 CMでそんな風に歌っていたのが、いまだに耳に残っているゲーム、『マザー2』を語ります。

 キャッチコピーは『大人も子供も、おねーさんも。』


 シナリオ及びデザインを担当したのは糸井重里氏で、かなり独特な雰囲気のゲームです。

 私が初めて触れた『マザー』シリーズでしたが、ストーリー的にわからないことはほぼなく、問題なく楽しむことができました。

 あまり面白い失敗談とかのエピソードはありませんが、大好きなゲームなので語っていきたいと思います。


 主人公と仲間の名前、飼い犬の名前、好きな献立、カッコいいと思うもの、は最初に自分で入力できます。“おまかせ”を選ぶといろいろな名前が用意されていて、自分で考えなくてもいろいろな名前を付けられるようになっています。

 私は初見では主人公と仲間の名前を、マリオ、ピーチ、ルイージ、キノピオ、にしましたが、基本的にデフォルトの名前で語っていきたいと思います。



 主人公、ネスが住む田舎町のオネットに隕石が落ちてきました。

 すごい落下の衝撃に目を覚ましたネス。家の外には警察が来ていて、隣に住むポーキーが騒いでいました。

 またベッドに入ると、今度は玄関をノックする音が。ポーキーが弟のピッキーと隕石を見に行った際、ピッキーとはぐれてしまったから、一緒に探してくれ、と言われます。


 飼い犬のチビを連れて、護身用にボロのバットを装備して、隕石が落ちた場所に向かいます。

 チビはこんな怖いところだって知ってたら来なかった、と言って帰ってしまいますが、隕石の近くでピッキーを無事に見つけました。しかしそこでなにやらしゃべるカブトムシのような生物に遭遇します。


 ブンブーンと名乗る彼は未来から来た存在でした。未来の世界では、ギーグという宇宙人が侵略してきて惨憺たるありさまだと語ります。

 それを救えるのはこの時代の三人の少年と一人の少女、そのうちの一人が、ネスなのだと告げられます。


 ポーキーとピッキーを家まで送っていく道で、スターマンのむすこ、という敵に遭遇します。未来からの刺客のようでした。強敵ではありましたが、ブンブーンのPSI(超能力)で守ってもらいつつの戦闘で撃破します(ブンブーンは体当たりも強い!)。とても頼もしいブンブーン。


 そしてポーキーたちを家に無事に送り届けることができました。しかしそこでポーキーのママがブンブーンを「キー! こうるさいハエだよ!」と、叩き落してしまいます。

 PSIが強くてもただの虫だったブンブーンは、進むべき道を示し必要なアイテムをネスに渡すと、息を引き取ってしまいました。


 両親と妹に事情を理解してもらい、ネスは旅立ちます。


 ステージは当時のよくあるRPGのような、マップ上に町や城のシンボルが描かれていて、それに触れると町や城の中に入る、といったモノではありません。町も、敵が出るエリアもずっと続いているんですね。

 敵はステージ上に、他のキャラと同じように存在していて、それに触れると戦闘が開始されます。


 戦闘でのHPの表示は、スロットのようで、ダメージを受けたり回復したりすると、数字がくるくる回っていきます。

 致命傷になるダメージを受けた場合でも、HPがゼロに回転しきる前に回復すると、きぜつ(死亡することはない)を防ぐことができます。


 戦闘システムはそんな風に独特ですが、世界観も王道の剣と魔法ではなく、現代のアメリカのようなイメージです。

 武器は、ネスはバットなどを装備。

 一人目の仲間の女の子のポーラはフライパンなど。

 二人目の仲間の男の子のジェフはレーザー銃など。

 三人目の仲間の男の子のプーは、基本自分の拳で戦うのですが、ほとんど隠し武器に近い専用武器は剣で、RPGでは王道である武器の剣が、珍しいモノ、という印象になります。


 回復アイテムも薬草とかではなく、ハンバーガーとかカップ麺とかキャラメルとかなんです。


 状態異常も様々で面白いです。かぜやにっしゃびょう、体がダイヤモンドになったり、頭にキノコが生えたり。

 ネスだけの特殊な状態異常、ホームシック、というのもあります。家に電話をかけてママの声を聞くと治すことができます。


 セーブは会社で仕事していて家にいないパパに、電話をかけることで行います。

 お金は敵が落とすものではなく、どれだけ戦闘したかによって、パパが銀行にお金を入れてくれます。それをキャッシュカードで引き出して使うわけですね。


 『マザー2』の特徴を書いているとキリがありません。町の人々も独特な話をしてくれますので、情報収集関係なく、街の隅々まで人に話しかけたくなります。


 一番変わっていると思えるのは、敵のいるアジトに入る時の合言葉。

 『あいことばをいえ』と言われて三分待つ、というもの。

 これは相当に戸惑いました。本当に三分待つの? と少し信じられずに待つ三分は長く、思わず動いてしまったり、合言葉を受け付ける相手にもう一度話しかけてしまったりしてしまいました。


 そんなことをしたらまた最初から三分待たなければいけないと気づかずに「え? めっちゃ長い。やっぱり三分ってウソと違うん?」と不安になったりしたものでした。

 本当に三分待つ、で正解なんですけどね。


 ネスが住むオネットを出て、ツーソン、ハッピーハッピー村、スリーク、と旅を続けます。

 そしてサターンバレーという村にたどり着きました。

 そこには人間とは違う、変わった存在が住んでいました。どせいさん、という存在で、彼らは個人の名前を持たずにみんな“どせいさん”だと言います。

 見た目は、まるっこい体(顔しかない?)に短い手足がついていて、太い眉毛と大きな鼻があり、頭は一本だけ生えている毛に、赤いリボンをつけています。


 そんな奇妙な体を持つ、どせいさん。めちゃんこかわいい!

 どせいさんのもう一つの大きな特徴が、メッセージのフォントが独特、ということ。当時、四、五歳だった、糸井氏の娘さんが書いた文字を元にしているのだそうです。


 どせいさんはちゃんと言葉は通じるのですが、ときどき「ぷー、ぷー」とか「ぽえーん」とか、謎の発言をしているどせいさんもいます。一番印象に残っているのは「ぐんまけん!」とだけ言ってるどせいさん。

 たぶん、糸井氏の出身が群馬県だからなんでしょうけれど、セリフそれだけ!?

 群馬県と聞くとたびたび、どせいさんを思い出します。


 そんなかわいいどせいさん。以前(割と最近)、近所の店に置いてあったガチャガチャに『マザー2』のガチャガチャが置いてあるのを見つけたんですが、その中身が、主要メンバーの四人と、そして、どせいさんだったんです。

 どせいさんがすごく欲しかったんですけど、なんだかガチャガチャするのが恥ずかしくて躊躇ってしまって、結局回さなかったんです。しばらくしたらそのガチャガチャも見なくなってしまって……。

 いまだにあれはもったいなかったなー、とちょっと後悔しています。


 サターンバレーの次はドコドコ砂漠を訪れるのですが、そこでは埋蔵金を発掘している人たちがいました。

 当時、テレビ番組で糸井氏が徳川の埋蔵金を探して、穴を掘っていた番組があったのですね。一度掘られた形跡のある場所を掘り返すと、明らかに人工的に掘られた、迷路のような複雑な通路のある、綺麗に整えられている穴が出てきて、子供心にすごくドキドキして見ていました。


 残念ながら埋蔵金は見つからず、捜索は打ち切りになってしまいましたが、すごく面白かった番組です。(それをしていたから『マザー2』の完成が遅れたとかの噂も聞いた気もしますが)

 それを見ていた私は、埋蔵金を掘っている人たちがゲームの中にいたことに、冒険以上に胸を高鳴らせたのでした(笑)


 冒険の道中、写真を撮ってくれる人がいるんです。

 写真を撮ってもらえるポイントに到達すると、音楽とともに画面の上の方から、写真家の人がくるくる舞い降りてきます。そしてパシャリと撮影してくれます。

 初めて旅立つ朝や、ダンジョンを攻略したときや、何気ない意外な場所でも、たびたび写真を撮りに来てくれます。

 その写真はエンディングで流れるので、たくさん撮影してもらっておくと、楽しみが増えます。


 しかし、もう何回もプレイして、もう撮影しつくしたと思った私は、逆に撮影されるところを避けてみようと考えます。


 普通なら見るイベント後の撮影や、ダンジョンを攻略して、ダンジョンを出てすぐに撮影されるところとか、できる限り無視してみました。


 イベントは無視したり、ダンジョンを攻略しても外に出ずにわざと状態異常にかかり、体力を減らして全滅したり。

 PSIのテレポート(ドラクエで言うルーラ)は、使うとダッシュしてその勢いでテレポートする技なのですが、どうしても通らなければいけない、狭い道にある撮影ポイントを無視するために、テレポートでダッシュして無視したり……。


 実にしょうもない挑戦でしたが、いかに工夫して無視するかを考えるのがなんだか楽しかったです。

 エンディングはもちろん写真の枚数がとても少なく、一枚の表示時間がとても長くなります。それを見て妙な達成感に浸りました。


 そんなしょうもない縛りプレイ(?)をする程に何回も遊んだゲームでしたが、ネットにつなげるようになって攻略を見てみると、知らないこともいろいろとありました。

 仲間のプーの、唯一の武器のゲットの仕方とか、撮影しつくしたと思っていたのに、もう一つ撮影ポイントが存在していたとか。


 一回だけ、不思議なバグに遭遇したことがあります。

 イベントの進行中、動いたりはできるけれど、テレポートは使えないという場面があります。テレポートでほかの場所に行ってしまうとストーリーの進行する上で都合が悪いからですね。


 ですが一度だけ、そんなイベント中に、ふとテレポートを使ってみると、テレポートが使えてしまったんです。

 テレポートに必要なダッシュを始めるネス達。

 ダッシュ中も十字キーを押すと、ある程度進行方向を操れるのですが、ありえないことと思っていたので慌てていた私はびっくりして、ビルの壁にぶつかってテレポートを止めてしまいました。


 このバグはもう二度と見ることはありませんでしたが、もしもあのとき、テレポートを成功させていたら、果たしてどうなっていたのだろうかと、今でも少し、気になっています。



 そして最後に語る『マザー2』の素敵ポイント。

 音楽もとても素晴らしいのです。

 町にはそれぞれの町の音楽がついていて、町の雰囲気に合った音楽が流れます。活気ある町は元気な曲。怖い町は怖い曲。

 様々な場面で流れる様々な曲、ノリのいい曲も、コミカルな曲も、おとぼけた曲も、感動的な曲も、全部名曲です。

 そしてネス達が知り合うバンド、トンズラブラザーズのステージがすごくカッコいい。

 エンディングの曲も大好きです。


 サントラも買って、一時期すごいヘビロテしてましたね。

 サントラで少しだけ残念だったのは、私は戦闘時の音楽が好きだったんですけど、それはメドレーになっていたということ。その辺はほんの少しだけ残念でしたが、でも、本当に何度も聞きたくなる素晴らしいサントラでした。


 くっ! もっとちゃんと素晴らしい音楽だったのだと伝えたいのに、語彙力と表現力がない……!

 とにかく本当に世界観にマッチしていて、冒険を盛り上げてくれる、素晴らしい音楽ばかりなのです。


 以上が『マザー2』の思い出です。


 正直そろそろ、語りたい憶えている面白い失敗談のあるゲームがなくなってきて、ただの感想になっていくかもしれませんが……語りたいときにボチボチ語るので、投稿したときには、またよろしくお願いします。


 ではまた、いつかの次回で。

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