スーパーファミコン

『ドラッキーの草やきう』【SFC】

 次に語るソフトは何にしようと、あれやこれやと考えたけれど、なぜか急に「これにしよう」と思い立ちました。

 すっごい可愛いくて少し変な動物たちの、草野球のゲームです。


 タイトルの『やきう』は間違いではなく、主人公のドラッキーが『やきゅう』と発音できないので『やきう』という表記になっています。


 動物たちは運動不足をどう解消するかと話し合い、野球をすればいいのでは、とそれぞれチームを作ることになります。

 そんなある日、謎のチームから挑戦状が届きます。しかしその挑戦状にはどのチーム宛か書かれていませんでした。そこでその挑戦状に挑む一番強いチームを決めることにしたのです。


 動物たちのチームは全部で八チーム。


 ネコ(っぽいが詳細は不明)の『コカ・コーラ ドラッキーズ』


 イヌの『ファンタ ファイアーポチーズ』


 クマの『ジョージア 五郎野球会』


 うさぎの『ベジータベータ デヴィットローラーズ』


 にわとりの『コークライト 忍者若本一家』


 ぞうの『スプライト ぱおぞうとロングノーズ』


 ゴリラの『ハイシー ガンボス』


 オットセイの『アクエリアス おときちくんたち』


 チーム名からわかる通り、スポンサーはコカ・コーラ。

 それぞれの飲み物のユニフォームを着ていて、ラッキーセブンにはそれぞれの飲み物を飲んで体力を回復します。


 チームの戦力はそれぞれ個性がありますが、試合や特訓をするたびに、チームの戦力が上がっていきます。

 パスワードを取っておけば次回からその戦力のそのチームでプレイ可能で、育てる楽しみがありました。

 で、その特訓が面白くて、私は試合より特訓ばかりやっていました。


 キツネとタヌキのバッティングセンターと、熱血コーチのライオネル山田がノックしてくれる、二つの特訓のモードがあります。

 特にノックの特訓が面白かったです。熱血コーチのセリフが面白かったのですが、特訓を無視して遠くに行くと怒られるのが面白くて、よくサボって練習場を探検してました(笑)


 試合は一人用だと、最強チームを決めるストーリーモードをプレイすることになります。


 基本的に、打席や守備などはファミコンやスーファミの『ファミスタ』みたいな感じの見た目をしています。

 画面の下の方にバッター、上の方にピッチャーがおり、ピッチャーは普通のストレート、速いストレート、フォークから選んで投げ、十字キーで変化球をつける……そんな感じで試合を進めていきます。


 打席の時のキャラも、守備の時の小さなキャラも、とにかくいちいち可愛いです。

 四番打者でチームリーダーが打席に入った時、一試合に一度だけパフォーマンスを見せてくれます。


 ドラッキーは何やら準備運動らしきものをはじめ、ウサギのデヴィットやゴリラのガンボはギターを弾き始め、オットセイのおときちくんは、もしかして自分が打席に入っているのを理解していないのか(?)なにやら『?』を浮かべてキョロキョロしています。


 他にもそれぞれ可愛いパフォーマンスを見せてくれます。

 ドラッキーとデヴィットは二打席目もパフォーマンスを始めようとして、主審のカメに「やめなさい!」と怒られるのもまた可愛いです。

 おときちくんのチームは野球のルールを最低限しか理解していないらしく、四番のおときちくんはバットを逆さに持っています。かわいい。


 音楽も各チームの音楽があって、それがまたよかったり。 


 そしてこの『草やきう』には独特のシステムがあります。

 まきう(魔球)と、だほう(打法)です。


 まず、まきう。

 一試合に投げられる回数は限られている(らしい)のですが、とにかく打つことが困難な魔球を投げることができます。

 その魔球の演出も、それぞれのチームによって違っていてとても面白いです。

 コミカルな演出ですが、その効果は抜群。うまく使えばピンチを高い確率で切り抜けることができます。


 そして、だほう。

 パワーをためてメーターをいっぱいにすると使えるようになります(パワーのため方はいまいちよく知りません。たまり方を見ると打席数かなと思うのですが)。


 当たればほぼホームランのスイングができるようになる打法です。当たれば宇宙空間にまでボールが飛んで行って月にぶつかります。その月が「いたいの……」と色々と呟いたりしてリアクションしてくれるのがまた楽しい。


 打法の欠点はスイングするだけでパワーが消滅してしまうこと。

 空振りすると、それだけで使えなくなります。うっかり素振りすることもできません。

 守備で防がれることもまれにあります。守備は二段ジャンプができるので無理矢理とることができるのです。

 そんな弱点があるものの、ほぼ確実にホームランが打てる打法は、ここぞというときに使いたい強力な一発です。


 そしてこの、まきうとだほう。対人戦で使うときの駆け引きがすごく熱い!

 ほぼ確実にストライクが取れる魔球と、ほぼ確実にホームランが打てる打法。

 いかに魔球を投げさせないか。いかに打法を空振りさせるかで、読みあうわけです。


 満塁で打法のパワーがたまっていると、打法を使うと確信され、魔球を使われてしまうので、どのタイミングで打法を使うか駆け引きします。

 少ないランナーで妥協するか、ランナーをためて賭けに出るか。

 いかに魔球を無駄に使わせるか。

 魔球が使えない状態で相手が打法を使ってきたら、どの球でいかに空振りさせるか。

 対人戦では相手が隣にいるので、話しかけて気をそらしたり(笑)


 作戦がうまくいき、魔球や打法がうまく炸裂したときはたまらない快感です。


 バッター、ピッチャーともに魔球、打法を使うボタンを押していると、魔球対打法の熱い対決ということで画面全体が燃え上がる熱い演出が入ります。が、打法は空振りするリスクが大きすぎるので、対決はまずしません。

 演出を見て楽しむだけで、すぐに打法モードを解除します(笑)


 細かいシステムですが、審判への抗議ができるのも面白いです。

 自分がバッターの時ストライクをとられると、バッターボックスのキャラが時々不審な目で審判を見ます。

 その時セレクトを長押しすると「今のがストライク?」とか、抗議することができます。

 審判のカメはときどき自信なさそうに「え……? ボ、ボール」と判定を覆してくれます。


 審判のリアクションは判定を覆すものも含めて三種類。

 あとの二つは「いんや、入っておる」「ストライクだってば!」

 判定を覆す確率はどれくらいかは知りませんが、リアクションが三パターンだから、単純に三分の一なのかなぁと想像します。

 しかもキャラが審判を不審な目で見なければそもそも抗議できないので、この抗議システムで、大きく試合が動く、とかはまずありません。

 しかしときどき、恐ろしいことが起こります。


 バッターは常に審判の方に不審の目を向け、審判は常に自信がない。

 そしてストライクが覆されたボールが積み重なり、満塁に。

 それが私が守備側の時に起こりました。

 そしてバーン! とホームラン……。

 心折れるわぁ……。


 とまぁ、そんなこともありますが、可愛い見た目でなかなかに楽しい野球がプレイできます。

 大人になってからプレイしてもいまだに楽しいゲームです。


 野球のルールは知っているけど、そんなに好きなわけじゃない、という方でも、かわいいものが好きなら楽しめるゲームだと思います。当時の私がそうでした(笑)


 なんだかシステム説明と、かわいいしか書いてないような気がしますが……。

 以上が『ドラッキーの草やきう』の思い出でした。


 ではでは、また語りたくなったいつの日かにお会いしましょう。

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