セガサターン

『エネミー・ゼロ』【SS】

 今回はセガサターンのホラーゲーム『エネミー・ゼロ』です。かなりの高難易度のゲームです。

 少し残酷な表現があるので注意が必要なゲームですが。


 宇宙船の中でコールドスリープに入っていた主人公、ローラ。しかし宇宙船に何か異変が起き、コールドスリープから目覚めます。船の仲間の男性、パーカーに連絡を取りますが、回線が悪いのか、音はなく映像だけ。

 音声のやり取りのできない中、突然パーカーが何かに気づいたように横を向き、怯え始めます。そして何かに襲われてしまいます。

 しかしパーカーを襲った何かは映像には映っていません。パーカーは透明な何かに襲われてしまったのです。

 船の中で何が起こっているのか。ローラは透明な化け物が徘徊する船内を探索する決意を固めます。


 ゲームは基本的に、今でいうFPSのような一人称視点で進んでいきます。

 室内では探索がメイン。通路では見えない敵を避けたり倒したりして進みます。


 見えない敵の居場所をどうやって把握するのかというと、生体反応を感知して音で知らせてくれるVPSというものを耳に装備するのです。

 この音を頼りに敵の場所を把握して倒すのが難しく、その難しさを制作者側も認識しているのか、ゲームを始める前にトレーニングモードをプレイできます。


 敵が前にいる時には高い音。敵が後ろにいる時は低い音。横にいる時(左右どちらにいるかはわからない)はその中間の音。

 遠くにいる時は、『ピン……ピン……ピン』と音の感覚が長いのですが、近づくにつれて短くなり、『ピピピピ』という音になっていきます。

 それを頼りに敵の位置を把握します。


 で、トレーニングモードをプレイして、意外と早く見えない敵を撃破できた私は、一回しか撃破していないにもかかわらず、コツを理解したと勘違いして本編のプレイを開始します。

 はい。敵に当たると即死なので死にまくりです。


 後で気づいたのですが、敵が最接近すると「ギャオー」と声を発するので、そのタイミングで撃つのがコツでした。

 ……と思ってたんだけど、プレイ動画見てみたら「ギャオー」の後にさらに近づくと警告音が鳴るので、その時に撃つのがコツでした。

 いや、記憶だけで書くと記憶違いってのがあるね。


 銃の扱いも難しく、難易度をより高めています。

 撃つまでに数秒、パワーをためなければ撃てないのです。そのパワーのたまり具合はメーターとかではなく、銃口にエネルギーが丸く膨らんでいくので、それを見て判断します。

 なので「このくらいの膨らみで撃てるか?」と思っても撃てない時があり、「もう少し膨らんでから……」と思ってためて、パワーが満タンを越えてしまうとゼロに戻ってしまうので、そのタイミングの見極めがなかなか難しいのです。

 しかも敵が最接近したときにしか当たりません。

 しかも弾数の制限がシビア。

 敵の場所を音で見極めるのと、扱い辛い銃で、難易度は本当に高くなります。


 ストーリーは……今回このゲームを語るにあたって少しネットで色々復習していたのですが、そこで“ストーリーは『エイリアン』そっくり”というのを見つけました。

 ……『エイリアン』見たことなかったので知らなかった……。


 とにかく人が死にまくります。まともに登場する前に死んでることが多く、主人公のローラ以外でまともに出番があるのは、女性のキンバリーと、ローラの恋人のデヴィッド、もう一人男性の高橋・ジョージ、の三人くらいしかいません。

 ちなみに、キンバリーとデヴィットは登場時ムービーが入るのですが、ジョージにはありません。

 部屋で椅子に座っていて、話しかけるとくるりとこちらを向くだけ。

 でも何回話しかけても、何回でもくるりと振り返ってくれるので、何回も何回も振り返ってもらっていると、なんだかジワジワ笑えて来ます。怖いホラーの中での少ないなごみです(笑)


 最初にも書きましたが、人が死にまくるので残酷なシーンも結構あります。

 指紋認証で開けなければいけない鍵のために、死体のちぎれた指がアイテムになっていたり……。

 しかも使ってもなくならないので、いつまでもアイテム欄にあるんですよー(泣)


 そんなこんなありつつ。銃の扱いにも慣れ、難しいけれど歯ごたえを感じて進めていきました。

 難しい難易度も楽しめる余裕を持ち始めていたのですが終盤、恐ろしい難易度でセーブのできないステージが続きます。その道中、見えるけれどVPSに引っかからない敵も出てきて、視覚的にも注意する必要が出てきたりもします。

 見えない敵も複数出てくるのが当たり前で、音がごちゃごちゃで何が何やら……。


 説明書だったでしょうか、とにかくどこかに“エンディングは必ず泣ける”と書かれていました。

 ですが、クリアしたときはヘトヘトになっており感動している余裕がないっていう……。


 でもこの高めの難易度がなかなか中毒性があって、結構な回数プレイしました。

 最終の最終ステージで頼りのVPSが壊れてしまうのですが、代わりにある人物が声で知らせてくれるようになります。なんと道順も「右だ」「左だ」と教えてくれるのです。

 が、余裕をもってプレイしているとその指示に逆らいたくなります。そして呆れ声で「後ろだよ」と聞こえてくるようになります。

 でも後ろに行っても(なぜか倒せない)敵がいたり、また「後ろだよ」と言われることになったりします。完全に迷子になります(笑)


 と、それくらい余裕をもってプレイできるようになると、挑戦したくなるのはハードモード。

 敵の数も配置も嫌らしく、確か弾数制限もより少なくなっていたと思います。


 さらに難易度を高くしているのが、セーブもロードも有限、というところ。


 セーブとロードはアイテムのボイスレコーダーで行うのですが、セーブ、ロードを行うたびに電池を消費していくのです。ゼロになったら使えなくなります。

 難易度ノーマルはまだ余裕がありますが、ハードでは酷いともいえるくらいに電池の残りが少ないのです。


 一回セーブして二回(三回だったかも)ロードするか、二回セーブして一回ロードできるくらいしか、電池が残っていません。


 今日は時間がないからここでやめよう、なんてもったいなくてできません。

 最後までプレイできる時間を確保し、一番難易度の高いところで大事にセーブするしかありません。

 それでもミスは許されません。電池がなくなるとロードもできなくなるのですから。


 そんな激ムズなハードモード。何度も挑戦したのですが、クリアはいまだにできてません。

 銃のパワーのため具合と敵の位置が合わないと、バックして調節するのですが、終盤のステージでいつも曲がり角に敵がいるのです。曲がり角なのでバックしていると壁にぶつかってしまう。なんとか曲がろうとするのですが、いつもうまくいかずやられ、ロードに必要な残量がなくなってしまうのです。


 もうもう! いっつもいっつも悔しいったら!


 何か他の方法も試した気がするのですが、よく覚えておらず、うまくいかなかった、としか記憶していません(苦笑)


 とにかく歯ごたえが欲しい人は楽しめるゲームではないでしょうか。

 以上が『エネミー・ゼロ』の思い出です。


 また語りたくなった時にお会いしましょう。

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