ドリームキャスト
『シェンムー 一章 横須賀』【DC】
※注意 今回はストーリーのほとんどを語っております。ストーリーのネタバレを読みたくないという方は、ご注意ください。
ちなみに細かいことはほとんど調べずに、自分の記憶に頼って書いておりますので、いろいろと記憶違いがあるかもしれませんが、その辺はご了承ください。
今回はドリームキャストの性能を限界まで使用したゲーム『シェンムー 一章 横須賀』を語ります。
タイトル通り、この作品は『一章』であり、クリアしてもストーリーは完結せずに『Ⅱ』に続きます。
一作目が『一章』に対し、二作目が『Ⅱ』なのは、二章がカットされ、三章から六章までの物語が収録されているからです。
物語は不穏な空気の中、主人公の
帰り着くと『芭月武館』の看板が壊されており、お手伝いの
道場の前まで来ると、住み込みの門下生である
中に入ると父の
藍帝は、鏡をよこせ、と巌に要求し、断る巌を圧倒的実力で倒してしまいます。助けに入った涼も倒され、人質に取られてしまいます。巌はしかたなく鏡のありかを白状します。
藍帝は「お前が殺した
巌は涼に「愛すべき友を持て」と告げ、息を引き取ります。
悲しみながらも復讐を誓う涼。
涼の長い旅が始まります。
ゲームは今でいうオープンワールドのような世界を探索して進めていきます。
今どきのオープンワールドと比べると狭い世界ではありますが、これほどいろいろな物にさわれるゲームはなかなかないのではないでしょうか。
自宅では、夜になるとベッドで眠れるのはもちろん、戸棚を開けたり、机の引き出しを開けられたり、その中にはカセットテープが入っており、ウォークマンにカセットを入れて音楽が聴けたり。冷蔵庫も明けることができ、台所の棚を開けるとゴ……台所によく出る皆さんが嫌いだろうあの黒い生物が走ったりします。
家中の電気を消して、家中を暗くすることもでき、テレビ台にある棚の中には1986年の物語にもかかわらず、セガサターンが収納されています。しかもソフトを手に入れると遊ぶことができるのです。
玄関にある黒電話も飾りではなく、番号を知っていれば友人などにかけることができます。
ちなみに110を回すと「警察には頼りたくない」と切ってしまいます。
序盤ではまだできませんが、のちに道場で鍛錬もできるようになったりもします。
まずは家の敷地内を探索して、そのさわれる世界に、すげーすげー、と感心していましたが、いざ敷地を出て仇の手掛かりを探すことにします。
外には家やアパートが立っており、インターホンを押したりしてみます。しかしどこも留守か、話をするのを断られてばかりです。従来のRPGのように細かく隅々まで探索して進めるようなゲームではないんですねー。
それに気がつかず一つ一つの家を訪問していると、それだけで一日が経ってしまいました。
リアル時間で一時間ほどでゲームの一日が経ちます。十一時を越えると強制的に家に帰ってしまうのですね。
初日はインターホンを押しまくっただけで強制送還される、何の手掛かりも得られない一日でした。
次の日、外に出ると少年たちがサッカーボールで遊んでおり、そのボールが涼の方に飛んできました。
すると、ピピピピ、という音とともに画面中央に A が表示されます。戸惑っていると、ビビー、と音がしてボールが涼にぶつかってしまいました。
当時初めて出たシステム、QTE(クイック・タイマー・イベント)です。
表示されたアイコンに従ってボタンを押すだけで、様々なアクションを起こしてくれるのです。
上下左右とABXYも押しますが、ABXYはコントローラーのボタンの色と同じ色で表示されるのでわかりやすくなっています。
のちに他のゲームでも導入されたQTEですが、否定的な意見をよく目にします。
しかしそれは、一度でもボタンを押し損ねると即失敗になったりするから、それがストレスなんだと思うのです。
『シェンムー』のQTEはそういうことはなく、ボタンを押し間違えても即死なことは少ないです。
間違えたら間違えた用のアクションがあり、イベントが続いて行ったりするので、ここで間違えたらどういうアクションをするのだろうと、色々試してみる楽しみがあったりします。
QTEって本当は結構楽しいのです(少なくとも私は)。
実際、ほとんどの行動をQTEで行う、良作のゲームがあります。
その作品もまたいつか語りたいと思っております。
そんなQTEから始まった二日目。神社にたどり着くと小学生くらいの女の子に出会います。何かを隠しているようでしたが、見せてくれることになりました。段ボールに入った子猫でした。
子猫がおなかをすかせていたので、神社のお供え物を上げることにしました(そんなことしていいのか?)。
油揚げとにぼしから、どちらかを選びます。
そこで選択が表示されました。私は深い意味もなく、まだ決定する気もなく、カーソルを動かすだけのつもりで十字キーを押したのですが、ピピ、っと音がなって決定されてしまいました。しかも油揚げの方を。子猫は食べてくれません。
カーソル無駄に動かすくらいさせてくれてもいいじゃない、と思いますが、まぁ細かいことです。それよりも猫が可愛い。
のちに猫の所へ行くとナデナデしたり、食べ物を上げたりできました。名前も付けることができます(四択で、女の子に否定される選択肢もありましたが)。
道中、道に迷ったおばあさんを案内したりしながら、たくさんの店が立ち並ぶエリアに出ました。
様々な店で、様々な人が店番をしており、道にはたくさんの通行人が行き来しています。
それらの人物全てに話しかけることができ、しかもすべての人物がフルボイスなのです。
そして自販機ではジュースを買うことができたり、ゲームセンターのゲームはちゃんと遊ぶことができたり、ところどころに設置されているガチャガチャはちゃんと回してアイテムがゲットできたりします。
高校生の割に落ち着いている涼に、一日中ガチャガチャを回させたり、ゲームをし続けさせたりと、遊び人プレイをさせることも可能です。
いろいろな店が立ち並ぶ中、花屋には同級生の女の子の原崎が、ホットドッグの屋台には友達のトムがいます。
そんな彼らを含めたいろいろな人々に話を聞き、手掛かりを追っていきます。
途中、番長的な人に絡まれたりもしますが、ぶっ飛ばしつつ捜査していきます(ただしQTEに失敗すると逆にぶっ飛ばされてそのままストーリーが進むことも)。
戦闘は格ゲーっぽい感じで、ボタン入力で技を出して戦います。複数相手をすることもあり。
難易度は格ゲーがめちゃくちゃ下手くそな私でもどうにかなるレベルなので安心です。難易度選択ができないので、うまい人は物足りないかもしれませんが。
各技は道場や駐車場などの広い場所で鍛錬でき、ひたすら技を出すことで威力が上がっていきます。
技書という本を手に入れたり、人に教えてもらうイベントをこなすと、使える技が増えていきます。
そんな感じで探索していきましたが、悪い人に騙されたりして手掛かりが途絶えてしまいます。
しかし稲さんに、事件の直後、巌宛てに手紙が来たということを告げられ、渡されます。それまで何か不穏なものを感じて黙っていたようです。
特殊な中国語で書かれた手紙で、その特殊な中国語が読める人を探して読んでもらうと『鏡を狙う者あり。緊急の時は
電話すると合言葉のようなものを要求されます。最初は意味が分からなくて戸惑っているうちに切られてしまいますが、謎を解きもう一度電話すると「第八倉庫だ」と返事があります。
陳大人の連絡先ではないのかと戸惑っているとまたしても切られてしまいます。電話帳か番号案内にかけるかして住所を調べると、港のようです。行ってみることにします。
ヤンキーに絡まれたりもしましたが、探索の末、第八倉庫は旧倉庫街の倉庫らしいことがわかります。
旧倉庫街に侵入することにしましたが、不法侵入です。警備員も何人か巡回しています。
夜に侵入して、警備員の目をかいくぐり第八倉庫を目指さなければいけません。
それが(私にとって)難しい!
警備員に見つかると逃げてまた次の日に挑戦、となります。
何日も失敗していると港に住む浮浪者のおじいさんが、警備員の人数や、居場所、警備の順路などを教えてくれますが、一向にクリアできません(泣)
かなりの日数が立つとおじいさんが、警備が手薄になる時間を教えてくれ、その時間に挑戦することでやっとクリアすることが来ました。
ゲーム的にはあれだけど、親切に教えてくれるなら最初からそれを教えてよ、おじいちゃん!
今思うと、私、今でもステルス要素のあるゲームは下手くそで、すぐに見つかってしまいます。それと同じようなものだったのですねぇ。
そうしてたどり着いた第八倉庫で「誰だ!」と声をかけられ、出てきた目つきの鋭いスーツの男と対峙します。
しかし私は目つきの鋭い人が好みのタイプなので一目惚れしてしまいました(笑)
そんなことはどうでもよく、にらみ合う二人でしたが「やめなさい、
涼の話を聞いた陳大人は、藍帝は
その時の会話で貴章が「こんなガキに関わるのはやめてください、父さん!」と言う場面があり、二人は親子だとわかります。
自宅に帰り稲さんに話を聞くと、巌が骨董屋に何か預けていたことがわかります。骨董屋に行ってみると鏡ではなく刀の鍔でした。鏡を探すにあたっての重要なキーアイテムです。
骨董屋からの帰る道中、後ろに気配を感じます。貴章でした。
涼は「おまえたちも藍帝の仲間だったのか!」と言います。なにー!? と大ショックを受ける私。
そんなことはどうでもよく、二人は戦い始めます。
しかしその戦いは決着がつくことなくフェードアウトしていきます。そして貴章が「これ以上やっちゃボディガードとして失格になる」と言います。「親父に頼まれたのさ」と言う貴章。歓喜する私。(べったり守ってくれるわけではありませんが)
鏡が藍帝にわたるともうあの男に逆らえる者はいなくなる、と貴章は言います。
そんな貴章と別れ、自宅で鏡を探します。
いろいろ探した結果、隠し部屋を見つけます。そこに鏡がありました。
陳大人に報告に行くと、藍帝は香港に行ったと告げられます。
香港に行く手段を探す涼。
旅行会社に騙されたりして、藍帝の組織に入りたがっているチャイという強敵と戦うことになったりしましたが、藍帝はまだ香港に旅立っておらず、港に会う手段があることを知ります。
さらなる手掛かりを求めて港に深く入り込むため、港でフォークリフトで荷物を運ぶバイトを始めます。
このバイト、ちゃんと自分でフォークリフトを操作して働きます。早くストーリーを進めたい場合は少し面倒ではありますが、個人的には結構楽しいです。バイトの成績によってちゃんと給料も入ります。毎日稲さんに五百円ずつお小遣いをもらっていた貧乏生活とおさらばです。
貴章に技を伝授してもらったり、ヒロインの原崎とクリスマスケーキ一緒に食べ損ねちゃったねと話したり、第八倉庫に侵入するとき色々教えてくれたおじいさんがなんと技を教えてくれたりと、色々サブイベントをこなしながら、藍帝とつながりがあるという情報のある、港を根城にする集団、マッドエンジェルスを調べていきます。
しかしある時、原崎がマッドエンジェルスにさらわれてしまいます。深夜、バスもない時間、友人にバイクを借りて港に助けに行くことになります。
バイクで行く道中、これもまた自分でバイク操作していきます。レースゲームとかは結構慣れているつもりでしたが、意外とタイム制限がシビアで難しくなっています。
そしてたどり着いた港で、マッドエンジェルスのリーダー、テリーに、原崎を返すのと引き換えに貴章を再起不能にぶちのめせと言われます。そうすれば藍帝とも会わせるとも言われます。
涼はもちろん私の気を知るわけもなく、承諾してしまいます。気が重いけれど避けられません。
次の日、「貴章、俺と戦ってもらおう」と貴章に戦いを挑む涼。「なに? なに言ってるんだおまえ」と言いつつも、貴章は涼と戦います。
戦いの中こっそり「わざと負けろ貴章」と言う涼。「あんたを倒せば藍帝に会える」
しかし「テリーみたいなチンピラを信じてるのか?」とプライドもあるのか貴章は負けてくれません。
そして二人は本気の決闘を始めます。
ボロボロになり同時にダウンする二人。
「やるじゃないか」「ふん、そっちこそ」
戦いの中で友情が芽生えたように、そう言葉を交わす二人でしたが、テリーが出てきて鉄のこん棒のようなもので、貴章にとどめを刺そうとします。QTEで貴章を救い、二人は立ち上がります。
背中合わせになり、涼が「汚いぞテリー!」と言い、貴章が「貴様だけは絶対に許さん!」と啖呵を切ります。
「そんなに俺が好きなら地獄に招待してやるぜ」
とテリーは身を隠します。そして70人のマッドエンジェルスたちと戦うことになります。貴章とともに。
この70人バトル、初見では真面目に戦っていましたが、貴章も戦ってくれるので「わーい、貴章がんばれー」と、敵を倒す貴章を眺めたりしてました。ああ、楽(笑)。
敵のほとんどは雑魚で、パンチ数発で撃破できますが、数人、場に入場してくるシーンが挟まれる強敵が出てきます。
さすがに貴章にまかせっぱなしというわけには行きません。
そして最後の強敵が登場すると、なぜか貴章はどこかに行ってしまいます。最後の強敵には一人で挑むことになります。初見ではやっぱり下手なのでいっぱい死にましたよ。
テリーを追い詰め、ボス戦かと思いきや、テリーはすっかり戦意喪失してしまっていました。へっぴり腰のテリーを貴章が倒します。
そんなチンピラにはもちろん、裏の世界の大物である藍帝に会う約束を取り付けるなんてことができるはずがありません。
涼は「結局、藍帝に会えなかった」と落胆します。
しかし貴章が、藍帝が向かった香港に涼が行けるよう、陳大人に頼んでくれると言います。陳大人たちが厄介に思っていたマッドエンジェルスをつぶしてくれたから、そのお礼のようです。
「ありがとう」という涼に貴章は「バカ言え。それは俺のセリフだ」と言って去っていくのでした。
……おおう。一番盛り上がって一番好きなイベントなので思った以上に詳細に書いてしまったぜ。
最後にプレイしたのはもう何年も前なのに、セリフとか結構覚えていてびっくりしました。当時の私、どんだけプレイしてんねん。
乗る船の前で、陳大人と貴章に新しい技を教えてもらい、いきなり襲ってきたラスボスと戦い撃破し、船に乗ってエンディングです。本当は貴章も旅に同行するはずでしたが、ラスボスの不意打ちから涼をかばって怪我をしてしまい、行けなくなってしまいます。しょんぼり……。
覚えた技や、獲得したアイテム、お金、クリアした月日などは『Ⅱ』に引き継がれます。
それならばと『Ⅱ』に備えて、技を鍛錬で強くしたり、アイテム収集を頑張ったりしましたが、まさか『Ⅱ』の冒頭でいきなりあんなことが起こるとは!
……その話はいつになるかわかりませんが『Ⅱ』を語る時に。
長くなってしまいましたが、以上が『シェンムー 一章』の思い出です。
うーん。ゲームが物語に絡まっているので、ストーリーのネタバレをせずにゲームを語るってのはできませんね……。
今回は開き直ってほぼ全部語ってしまいました(汗)
では、またいつか語るだろう次回で、お会いしましょう。
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