『SIREN』【PS2】

 ※注意 今回はある1ステージの攻略手順を書いています。攻略手順を知りたくない方は注意してください。


 今回は『どうあがいても、絶望』というキャッチコピーで、そして怖すぎて放送禁止になったCMで有名なホラーゲーム、『SIREN』を語ります。

 個人的には記憶を消してもう一度プレイしたいゲーム、第一位のゲームでもあります。


 出会いはネットのプレイ動画でした。『バイオ』シリーズも、他のホラーゲームも、もう何も怖くないと思えるくらいに恐怖耐性がついていた私でしたが、『サイレン』はひさしぶりに震えるくらいの怖さがありました。

 これは自分でもプレイしたい! と購入を決めます。


 プレイ動画を見て知ったゲームだったので、初プレイでも中途半端に謎解きなどを知ってしまっている、という点でも記憶を消してもう一度プレイしたい、と思うのですが、動画でやっていたこと以上に自分で色々と工夫したところは、本当に無茶苦茶楽しい時間だったのです。


 プレイする前に中身を知ってしまってるのはもったいないと感じるのですが、しかし、謎解きなどは「これ絶対初見では攻略見てまうやろ」ってくらいの難易度になっています。


 ストーリーも複雑で難解。難しすぎてついて行けない人もあるそうですが、考察する楽しさにハマる人も多いようです。

 そんな難解なストーリーを、やり込んでいるとはいえ、ちゃんと理解しているのか少し心配ではありますが、序盤のあらすじを語ります。


 羽生蛇はにゅうだ村には、大量虐殺があったという都市伝説がありました。それに興味を持った高校生、須田すだ恭也きょうやは羽生蛇村を訪れます。

 須田君は森らしき場所で(ムービーを見ると森っぽい)、白い犬を連れた少女が、石で何かをつぶしているところを目撃します。少女は「誰?」と呟きますが、どこからか人の声がすると走り去ってしまいます。


 その夜、須田君は村で宿を取ろうとしましたが、なぜか泊めてもらえませんでした(ゲーム中の描写はありません)。しかたなく野宿することにして準備をしていると、奇妙な歌声が聞こえてきました。村の人々が何かの儀式をしているようでした。中には先ほど見かけた少女もいます。

 しかし気配を悟られ「誰だ!」と声をあげられてしまいます。その場から逃げる須田君。


 走っていると一瞬なにか、どこかの光景が目にうつります。なんだこれ、と立ち止まっていると、後ろに拳銃を構えた警官が立っていました。正気を失ったような笑い声をあげる警官が発砲してきます。その警官から逃げた時に崖から転落してしまいます。


 さして高さのない崖だったので怪我はありませんでしたが、警官が追いかけて飛び降りてきます(ここから最初のステージです)。

 近くにあった建物に隠れたりしながら、置いてあった車に乗り込みます。そして警官を思いきりはね飛ばしてしまいます(そこで最初のステージは終了します)。

 自分ではね飛ばしておいて、どうしようと心配する須田君。そこに大きな地震が起こります。そしてどこからともなくサイレンが鳴り響きます。


 気づくと警官が起き上がっています。撃たれ、須田君は川へと転落してしまいます。

 正気を失ったような笑い声をあげる警官の目からは、赤い涙が流れていました。

 須田君は異界に飲み込まれた村に巻き込まれていきます。

 


 基本的にはステルスゲームです。操作キャラクターは戦闘に慣れていない普通の人なので、敵に見つかるとかなり厄介なことになります。なのでなるべく見つからないように行動します。

 以前、私はステルスゲームが苦手だ、と書いたことがありますが、しかしこのゲームは違います。

 視界ジャック、という能力で敵の行動を知ることができるのです。


 L2で目を閉じます。画面は砂嵐になりますが、左スティックを動かす(意識をめぐらせる)と、映像が見えます。それは他の誰かが見ている景色なのです。

 さらに左スティックを動かすと他の誰かの視界を見ることができます。

 見えた視界は○×△□に登録することができ、さらに意識をめぐらせても、各ボタンを押すとすぐに登録した視界を見ることができます。


 その視界ジャックで敵の行動パターンを知り、行動の隙をつきながら進んでいくのです。


 二つ目のステージでその視界ジャックを使えるようになります。

 須田君が川に落ちた後、知り合った求道女きゅうどうめ八尾やお比沙子ひさこに視界ジャックを教えてもらうのですが、動画で中途半端に知っていた私は話を聞いていませんでした。その後にも指示があったのですが、動画で見た隠し要素を見つけようと勝手に動きます。

 はい、チュートリアルで死にました(笑)


 敵は屍人しびとという、かつては人間であった存在です。


 序盤の敵はその屍人になる前の半屍人。

 まだ人間の姿をしていますが、顔色が悪く目から血の涙を流しています。

 異界に飲み込まれた村では水が赤くなっており、雨も赤い水です。その赤い水が体に取り込まれた状態で死亡するか、一定以上の赤い水を体に取り込むと半屍人になってしまいます。


 彼らは、知能は低下していますが、生きていたころの記憶が微かにあるようで、普段は草を刈ったり大工仕事していたりします。が、プレイヤーキャラを見つけると襲ってきます。

 不死身であり、倒したとしても一時的にうずくまって動けなくなるだけで、個人差がありますが、一分から三分くらいで異常な回復力を発揮し、復活します(数十秒で復活する屍人も!)。


 鎌やハンマーなどの接近武器、拳銃や狙撃銃まで持っている屍人もいますが、倒しても武器を奪えません。倒されうずくまっている屍人は、殴るとカキン! と音がなるほどに硬くなるので、持っている武器を握る手も固まっていて放してくれないのです。


 主人公たちはその辺で見つけた火かき棒やバールなどを武器にしますが、一部のキャラは拳銃を所持していることもあります(終盤の数ステージでは狙撃銃も所持しますが)。接近武器は敵に攻撃を当てづらくダメージを受ける可能性が高く、銃は弾数制限がありますので、武器を持っていても敵との接触は避けた方が無難です。


 ところで、警官に撃たれて川に落ちた須田君。しばらく気絶していた後、すぐに目が覚めて動けるようになります。

 須田君が落ちたのは赤い水の川です。八尾さんが言うには、傷口から赤い水が入って、その水の力で治ったと言います。

 八尾さんはその続きは言いませんでしたが、一定の赤い水を体に取り込むと人間は半屍人になってしまいます。ということは須田君ももうすぐ……?


 操作キャラはステージによって違うのですが、須田君以外にあと九人います。そして同行者がいる場合もあり、ちゃんと守らなければいけません。同行者が死んでしまってもゲームオーバーになります。

 同行者に出せる指示は『待て』『ついてこい』『隠れろ』『逃げろ』などがあります。


 前述の少女、神代かじろ美耶子みやこはヒロインであり須田君の同行者に何度かなります。

 彼女は目が見えません。しかし、小さなころから視界ジャックが使え、人の視界から自分を見てもらい行動していました。須田君と会うまでは、その役目を白い犬がしていましたが、屍人に襲われたらしく死んでしまいます。


 なので出会った須田君が目の代わりをするようになります。

 プレイ中、美耶子と離れすぎると彼女はついてこられなくなります。どこにいるのかと彼女の視界をジャックしてみても、彼女は盲目なので真っ暗です。そして一緒に歩いていても油断するとたびたび「私を見て!」と怒られます。


 美耶子はかなりツンツンした性格で、好き嫌いが分かれるだろう性格をしていますが、彼女がツンツンしているのはある事情によりほとんど人と関わってこなかったせいで、人との付き合い方を知らないかららしいです。本当は結構素直で、私は素直な美耶子もツンな美耶子も結構好きです。


 さて、いつものように初見プレイの思い出を語りたいのですが、実は語れるようなエピソードを憶えていません。

 では何を語りたくてこのゲームを語りだしたのかというと、縛りプレイの思い出です。


 私が見ていたプレイ動画では、武器を持っていても使わない『丸腰プレイ』をしていたのです。

 私はそれに触発され、動画でやっていた以上に難易度の高い、一見敵を倒さなければまずクリアできなさそうなステージの丸腰プレイを始めたのでした。


 初めに挑戦したのは70歳の猟師、志村しむらあきらの最初のステージです(たぶん)。

 このステージ、普通にプレイしても難易度が高く、ここで挫折するというプレイヤーも多いのだそうです。

 そんなステージですが敵を一切倒すことなくクリアします。彼は最初から猟銃を持っているのですが使いません。

 まずは普通の攻略から紹介します。


 スタートはトンネルの中から。出口に向かって進んでいくと、狙撃されます。狙撃銃持ちの半屍人です(以下狙撃手)。その狙撃手は小屋の上に立っており、今いるトンネルの高さとほぼ同じ高さから狙っています。猟銃のスコープで見ると、その姿をうっすらと見ることができます。

 狙撃手に狙撃されないところから視界ジャックをすると、くるくると周りを見回しています。その隙をついてこちらが狙撃します。


 階段を降りると二人の半屍人が徘徊しています(以下徘徊屍人)。その二人を銃で倒します。

 ゴールに続く道があるのですが、そこにはまた違う狙撃手が。こいつはあたりを見回すことがないので隙がありません。

 しかしこの狙撃手、トロッコの線路の上に立っているんです。


 なので小屋でワイヤーカッターを手に入れ、ワイヤーで固定されているトロッコのワイヤーを切り、トロッコを動かして轢いてしまうという目標を立てます。

 トロッコはスタート地点とは別のトンネルにあります。そしてトロッコの前にはまたしても狙撃手がいます。視界ジャックで隙をつき、こちらから狙撃して倒します。

 トロッコを押してゴールへの道に陣取っていた狙撃手を倒して、ゴールします。


 と、通常の攻略はこんな感じですが、これを猟銃で敵を攻撃せずにクリアします。

 ポイントは最初の狙撃手と、広範囲を歩いている徘徊屍人二人と、トロッコ前の狙撃手。ほとんど全部です。


 まず最初の狙撃手は視界ジャックで見つからないようにしてスルーします。

 そしてさっさと階段を下ります。徘徊屍人が二人いますが、わざと見つかります。

 見つかった状態でついてきてもらい、ひたすら走って、小屋でワイヤーカッターをゲットし、トロッコのあるトンネルに駆け込みます(このときいい感じに狙撃手に見つからず、いい感じに徘徊屍人についてきてもらえるタイミングがあったのですが、さすがにそこまで細かいことは忘れてしまいました・汗)。


 まだ徘徊屍人が追ってきている状態の、ここからがスピード勝負です。

 トンネルには緩くカーブしているのですが、そのカーブの先にトロッコ前の狙撃手がいます。なのでカーブ手前で視界ジャックし、狙撃手が後ろを向いたところでゆっくり歩いて近づきます。

 そして狙撃手が振り返り、こちらが発見された瞬間にトロッコを押せる位置まで走ります。


 押せる位置に到着したら、すぐにしゃがみ、トロッコの陰に隠れます。

 狙撃手は発砲していますが、リロードのタイミングで立ち上がり(見失って周りをくるくると見回してるその隙に、だったかも)、素早くトロッコのワイヤーを切り、トロッコを押します。

 すると、狙撃手とついてきていた二人の徘徊屍人を巻き込んでトロッコを走らせることができます。

 あとは小屋の上の狙撃手の隙をついてクリアです。


 ……これ、文章で伝わりますかね……。

 とにかく、このクリアへの道を模索するのがとんでもなく楽しかったのです。めちゃくちゃ時間がかかりましたけれど。


 他にも、一見敵を倒さなければいけないいろいろなステージで、武器を使わずクリアしていきました。

 それから同行者と一緒だと難しいところを一人で行動して、比較的簡単に通過し、チェックポイントを通った後、チェックポイントから再スタートすると、ついてきていなかった同行者が隣にいる、という裏技を見つけたりもしました。

 我ながらアホみたいな時間を使って攻略していました(苦笑)


 さすがに挑戦したステージすべてを書いていたら長くなってしまうので、このくらいにしておきます(伝わっているか自信もないですし)。

 でももしも『サイレン』ファンの方がこの文章を読んで、万が一、他のステージの攻略も書いてくれ、という要望があれば、その時は書きたいと思います。


 あ。そうだ。他の丸腰プレイしたステージのリストを置いておきますね。


須田:第2日01時(廃屋) 条件1・2

美浜:初日19時(合石岳) 条件2

美浜:初日22時 (羽生蛇村小学校折部分校)条件1・2

須田:第2日20時 (大字粗戸)条件1・2

宮田:第2日00時(宮田医院) 条件2


 ついでにイベントでどうしても倒さなければいけない敵がいますが、それ以外を丸腰でやったステージもあります。


高遠:初日02時 (羽生蛇村小学校折部分校)条件1・2



 ところで、これだけやり込んだ私でしたが、ラスボス手前の中ボスがとても苦手でなかなかうまく倒せません。すごく時間をかけて、なんとか倒すって感じです。

 ある半屍人と狙撃銃でやりあうのですが、それがとても難しい。なかなかあたらないんです。

 しかしあるとき、ふと例の動画を見てみると……あれ、ズームしてる?

 めちゃくちゃにやり込んでいたのに狙撃銃のズームを知らなかったのです。


 だってどこにも説明とかなかったし!


 どこかに説明があって、私が気づかなかっただけかもしれませんが……。


 ちなみにステルスゲームを初めてやったのがこの『サイレン』でした。

 なのでステルスゲームって面白い、と思うとともに、自分はステルスゲームが得意なのではないか? と勘違いをします。そして某有名なステルスゲームをプレイすることにしたのです。が、


 全然うまくねぇ!!


 ……視界ジャックの恩恵は大きい……。


 以上が『サイレン』の思い出です。


 攻略手順が読んでくださった皆様に伝わりますように。


 ではでは、またいつか語りたくなった時に。

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