プレステ2

『ワンダと巨像』【PS2】

 今回のゲームにはプレイの面白いエピソードとかないのですが、私の中で、記憶を消してもう一度プレイしたいゲーム二位のソフトであり、せつないもの好きとして語りたいゲームである、PS2の『ワンダと巨像』を語ります。


 青年ワンダは、いにしえの地に足を踏み入れます。魂を失った少女を生き返らせるために。

 祠にたどり着き、魂を失った少女を寝かせた祭壇で、声を聞きます。ドルミンと名乗るその声は、少女を生き返らせたいなら、この地に住む十六体の巨像を倒せ、と告げます。

 ワンダは愛馬アグロとともにその地を駆け巡り、巨像を倒していくことになります。


 雑魚戦はなく、広大なフィールドから巨像の居場所を見つけ、ボス戦のような巨像戦をこなしていくことでゲームは進んでいきます。

 フィールドはとても広いですが、一切ロードが入らないので、その点のストレス無くプレイができます。


 太陽の光のあるところで最初から所持している、いにしえの剣を掲げると、光が出てきて巨像のいる方向を示してくれます。その光を頼りに、自然広がる広大な大地を探し回ります。

 光は障害物があってもまっすぐ巨像の居場所を示すので、道に迷うこともありますが、美しい大地を駆け回っているとそれはそれで味わい深くて楽しいです。


 フィールドには登れる木があったり、セーブポイントである見晴らし台があったりします。

 木には木の実が実っており、矢で射て落とすことができます。食べると体力の最大値が増えます。

 見晴らし台には必ず白い尻尾のトカゲがいて、射ると、白い尻尾が取れます。それを食べると後述する握力の最大値が増えます。


 そんな大地を駆け、巨像の居場所にたどり着くと巨像戦です。

 初めての巨像戦はとにかく大きい二足歩行の巨像と戦います。その大きさは恐ろしいほどの迫力があります。


 巨像と比べると巨像の手くらい(もっと小さい?)の大きさのワンダです。ただ矢を射たり、剣で切り付けても倒せるわけがありません。

 なので弱点を探します。剣を掲げると光が場所を示してくれます。初戦での弱点は、簡単に届くはずのない巨像の頭のてっぺんにあります。


 なので動く巨像を登っていくことになります。

 パズル要素もある巨像戦ですので、すべての戦いの経緯を書くことはできませんが、ここでは初めての巨像戦がどんな風なのかを書いていきます。


 剣の光が巨像の膝の裏も示します。そこにも弱点があるようです。

 大きい歩幅でゆっくり歩く巨像に後ろから何とか追いつき、脚に飛びつきます。

 巨像など何かにつかまっている間、握力を消費します。画面端にピンクの円で表示され、長くつかまっていると握力を消費し、ピンクの円が小さくなっていきます。円が完全になくなると、手を放してしまい、振り落とされてしまいます。

 巨像戦の前にチュートリアルがあるので、安全に握力の使い方をマスターすることができます。


 で、膝の裏を登ってゆくと、紋章のようなものを見つけることができます。そこを剣で刺すと、巨像の体力が少し削れて、巨像が膝をつきます。

 その隙にさらに上に登っていくのです。 


 巨像の背中にはなぜか休憩できる足場のようなものが取り付けてあります。握力がなくならないようその足場で休憩しながら、頭のてっぺんを目指します。

 てっぺんにたどり着き、紋章に剣を突き立てます。巨像も痛いのか激しく頭を振りまくります。振り落とされないように、しがみつきながら、しかし握力がなくならないように気をつけながら、何度も弱点に剣を突き立てます。


 巨像の体力がなくなるとともに、最後の一撃がスローモーションになります。

 やった! と思うのですが、悲しげな音楽とともに巨像が倒れていくのです。それはどこかせつなさを感じます。


 巨像を撃破し、その場を離れようとすると、巨像から何か黒い触手のようなものが出てきてワンダの体を貫きます。ワンダは口から黒い煙のようなものを吐き出しながら倒れてしまいます。

 そして気がつくと、最初の祠の祭壇の前に倒れているのです。


 これがゲームの基本的な流れになります。

 うーん。私の文章力ではこのゲームの壮大さがいまいち伝わらないかもしれない……。


 最初の巨像は謎解きとしてはとても簡単ですが、どんどん違うタイプの巨像が出てきて、謎解き要素も歯ごたえが出てきます。

 四つ足のカメのような巨像の弱点が腹にあったり、弱点が上の方にあるのに足掛かりのない鎧を纏っていたり、水の中に潜っていたり、空を飛んでいたり……。

 それらの巨像に頭脳も使って挑んでいきます。


 謎解きがわからなくても、しばらく迷っていると天の声(ドルミン)が、ヒントを教えてくれます。うん。私はほとんど毎回、攻略はその天の声を聞いてからになっていました。

 そのヒントのおかげで、深刻に詰まることなく巨像を倒していくことができました。歯ごたえがありつつ程よい難易度の謎解きです


 しかし私は一度だけ、最後の巨像の途中の登り方がわからず、その時はいくら待っても天の声は聞こえず、結局禁断のネットでカンニングをしてしまいました。ガックリ。

 畜生! その発想はなかった!


 音楽も素晴らしいのです。巨像にどうやって登るかという謎を解いて、巨像の上の方にまで登ると、すごく壮大な曲が流れます。登れたという達成感と、巨大な体に登っているという迫力と、壮大な音楽で、他では得難い素晴らしい感覚を体験できます。


 最初は孤独な戦いと思っていたのですが、移動手段でもある黒い馬のアグロは、移動時にも、巨像との戦闘時にも、精神的にも、頼もしい相棒だということに気がつきます。


 アグロは乗っているときも、降りてるときもナデナデできます。

 降りて遠くに離れた時でも、「アグロ!」と声をかけることができ、呼べばすぐにワンダの所に来てくれます。


 最初はただの移動手段と思っていましたが(ごめんね)、徐々に愛着がわき、可愛く思えてき、なくてはならない相棒になっていきます。


 ストーリーは最後の巨像を倒すまでは大きく動くことはありません。

 巨像を撃破後、時々短いムービーが挟まれる程度です。


 そのムービーで、ワンダは少女が目覚め、起き上がる夢を見ます。

 そして少女の名前らしき言葉を小さく寝言で呟くのです。


 少ないムービーの中で私はこのムービーがせつなくて大好きです。


 そしてもう一つ重要なムービーが。

 仮面をつけた、偉い立場らしき人物が馬に乗り、たくさんの部下を従え、いにしえの地を目指しているムービーです。

 不穏な予感が漂います。


 ゲームを進めていくと、ワンダの顔色が悪くなり、茶色だった髪の色が真っ黒になっていきます。

 明らかにワンダの体に何かが起こっているのですが、それでもワンダは戦い続けます。


 最後の巨像を倒し、いつものように祭壇の前に戻ると、例の仮面の人物たちがいました。

 ワンダが巨像を倒していたこの地は、足を踏み入れると災いが起こる禁断の地だったのです。そして巨像たちは倒すべきではない存在でした。

 だから仮面の人物たちはワンダを止めるためにこの場所に訪れたのでした。


 しかし時すでに遅く、ワンダはドルミンの要求ですべての巨像を倒しています。

 そして――――


 と、ストーリーを語るのはここまでにしておきます。

 ハッピーなのかバットなのか判断がつかない、とてもせつないエンディングが待っています。

 機会があれば、ぜひご自身でプレイしてみてください。


 現在PS3版も発売されており、2018年にはグラフィックがさらに美しくなったPS4版も発売されるそうです。



 クリア後はタイムアタックを楽しみました。各巨像戦をそれぞれタイムアタックできるようになっています。

 で、タイムアタックで好記録を出すと、パワーアップアイテムを獲得することができます。それを装備すると見た目も変わっていきます。ハードモードも、ノーマルモードと別にタイムアタックできるようになっています。アイテムもノーマルとは別のものをゲットできます。

 で、そのハードモードのアイテムをすべて獲得し、装備すると……あれ? 仮面の偉い人と同じ? そんな格好に変わってしまいます(笑)


 ところでワンダと少女の関係は不明です。どこにも記されていません。

 恋人なのか、妹なのか、それとも……?

 色々と想像して、どんな想像をしても切なくなります。それがまた楽しかったり。


 ネットで見つけた情報でしたが、隠れたお楽しみがあります。

 それは最初の祠を外側から登って、祠の上の階にある空中庭園なる場所に登れること。

 それは長い道のりで、膨大な握力を必要とします。

 握力を増やす尻尾の白いトカゲを狩りまくり、本編を進めると成長して握力が増えるので何週もプレイをしたり(確か三周くらいしたでしょうか)。そうして握力を増やしていきました。


 どれくらいの握力ゲージが必要かわからないので、増やしては落下死し、増やしては落下死しを繰り返しました。

 一つも休憩ポイントのない、少しの操作ミスで落下してしまう過酷な道を何度も挑戦し、ついに目的地に到着することができました。ものすごい達成感です。


 そして空中庭園を散策。草木が植わっており、水の流れる綺麗な場所です。

 木には木の実が実っており、いつもするように矢で射て落として食べてみます。

 しかしその実は体力や握力のマックス値が下がってしまう木の実だったのです……(ネットで見て知ってたけど)。


 綺麗な空間と、体力値を減らす木の実くらいしかありませんので、なにがあるんだろうという興味だけで挑戦するのには、相当に過酷な道になっております。

(しかし実はそこはエピローグで訪れる場所なので、興味はとても強いものになりますが)


 以上が『ワンダと巨像』の思い出です。


 プレイしたゲーム全てに面白いエピソードがあるわけではないので、続けるほどに面白さが下がっていきそうなのが心配でありますが……それでも語りたいときに語ります。

 では、またお会いしましょう。

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