概要
大学1回生になったばかりの19歳の青年、千草トキ。
彼女らの同居生活は『マイナス』からスタートする。
静かにゆっくりと膨らんでいく憧れと恋心。
追いつきたい人の背中を目指す少女の成長。
これは浅緋が19歳になるまでの8年間。
それを、主に4つの夏で切り取ってお届けします。
どこか、朝ドラのような雰囲気で進んでいく、
急がない、ゆったりとしたプラトニックな恋愛小説です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ゆっくりと育む、愛の物語。
恋愛ものと聞いて、パッと想像する作品とは趣が異なります。
私見かもしれませんが、多くの恋愛ものは、まず恋に落ちる事ありきで物語が展開するのが一般的かと思います。
ですが本作は、明確に浅緋の恋愛感情が描写される場面が驚くほどに少ない。
それどころか、トキ君が登場しない回すらあります。
でありながら、間違いなく"愛の物語"であると断言できるのが本作の特徴でしょう。
これは一人の、不器用で、口下手で、意地っ張りで、しかし大人になりきれない少女の成長を描いた物語。
時に隣人であり、時に兄であり、時に父のようですらあった彼がしてくれた、ひとつひとつの事の意味に気づいていく物語。
突然始まった家族…続きを読む - ★★★ Excellent!!!幼い浅緋ちゃんから感情移入。年の差恋愛と、輝く雰囲気を併せ持つ物語。
2話分まで読ませて頂きました。こんなにも読みやすく、想像しやすい描写の方法があったなんて。その方法を忘れていただけだと言ってしまえばそれで終わりかもしれないのですが、それほど、作者様の作中での描写は自然な上分かりやすく、そして退屈しないどころか気がつけば夢中になっている、素敵な描写力を持っていらっしゃいます。続きを楽しみにされていらっしゃる方の気持ちがとてもよく分かりました。
そしてトキに対しての、「うっざ!」。この言葉に、幼い頃に似たようなことを男の子に言ってしまった記憶を思い出しました。嫌いで言っていたわけではないのですが、何だか、感情移入して読ませていただきました。 - ★★★ Excellent!!!丁寧に描写を積み重ねながら女の子の成長を綴る、朝ドラ風ストーリー
最新話(オムライスとケチャップ2)まで拝読しました。
まず最初に、作品の傾向を考察してみますと、一般的なラブコメ系ラノベとはかなり趣が異なるお話です。
あらすじ部分で、「朝ドラ」が比較対象に挙げられていますが、まさにそういったテイストが強く、一般文芸の青春小説に近い印象を持ちました。
内容に関しては、ヒロインたる浅緋という女の子の成長を、劇中における時間の流れを通じて、ひたすら追い掛けていくというもの。
何より特徴的なのは、所々に鏤められた作者さんのこだわりが伝わる各種の描写でしょう。
心象描写は機微の変化が極めて自然に、それでいて優しく描かれ、情景描写は一つひとつの事物がひたすら丁寧に積…続きを読む