第六十四話 なんと浅慮なっ!?……この『ハーレム計画』を《浮気》などど片腹痛いですわぁ!? これは、如月キメラに拠る【覇王への道】と知りなさいっ!?

 俺は、そろり、と両手指に難関ミッションへの指示をだす。

 俺の掌に誂えたように、ぴたり、収まるオッパイの開拓と、既に88%は攻略済みの神秘の洞窟の探査のミッションである。

 尤も花楓も最近では強気で反転攻勢にでてくるんだが♡

 ―― ヤバ気持ちいんですぅ♡

「そろそろ?」

「ん♡」


 ―― 花楓が腰を浮かせて、また、降ろす。


 ミッションコンプリートでございますぅ♡♡♡


          *



 最近、このマンションに引っ越し業者が毎日のように段ボール箱を運んでくる。

 まあ、『はあさんハーレム』関連の入居者だ。


 ―― 今朝も花楓とコンビニ帰りにマンションのエントランスで顔見知りに出会でくわした。


「おお、時和ときわじゃないか……億ション、当選か?」


 ―― 実は萌葱に頼んでおいたのだが。


「あっ、お殿さま……そうなんですぅ♡」

 嬉しそうに(いや、勿論比喩だが(笑))近寄ってくる。

「わたしの人生のラック、使い切ったかも、ですぅ♡」

「そんなこと、ないさ!……地道に頑張れ♡」


「あんた、なんで〝お殿さま〟とそんなに親しいのよっ!」

 同僚らしい美女がひそひそ話で訊いている。

「こないだお仕事でここまでお送りした時ぃご褒美に、ちゅー、して戴いたのぅ♡」


 ―― あっ、それは今は……ちょっとぅ!


「ふうん、『ご褒美に、ちゅー』ねえ?」

「いや、まあ…軽くほっぺに、ね…」


「すっごい、ベロちゅー、でぇ…わたし腰が抜けたよう♡」


「こら、こら、〝お内儀さま〟の前で《浮気》の相談はいかんぞっ(笑)」


 ―― しかも、ややこしい美女が両肩に段ボール箱を担いで登場だ。


「そういう時は、名刺に部屋番号を書いて渡す、とかな……がっはっはっはっ(笑)」

「あっ、警備隊長さん、それあたしの荷物ですぅ……あたしぃ、『204号室』ですのでぇ♡」


 ―― ちゃっかり『部屋番号』をアピってくる時和の友人だった。


「わしは、『201号』じゃ……常駐じゃないが週二は居るでな……お内儀さま公認の《巡回うわきルート》に加えて欲しいぞ♡」


 ―― こ、こいつめえっ!?……遠慮とか、内密にとか、いう言葉を知らんのか!

 しかし、花楓の方が一枚も二枚も上手だった。



「なんと浅慮せんりょなっ!?……この『ハーレム計画』をなどど片腹痛いですわぁ!?」


 花楓が両腕を組み、仁王立ちで言い切った。


「これは、如月きさらぎ キメラきめらに拠る【覇王への道】と知りなさいっ!?」



 ―― その瞬間、安藤隊長始めその場に居合わせた美女軍団が全員一斉に、さーっ、と腰を折り床に片膝着いて平伏ひれふしていた。


 ―― いや、待って……これって計画だったのぅ!?


 俺一人ビビっていたのだが。


          *


 これは、若干〝後日談〟ではあるが ――


 安藤隊長の部屋へ巡回時のコトだ。


「萌葱が『部屋へ来てくださらない』とボヤいていたぞ(笑)」

「えっ!?……萌葱さん何号室?……こっちに部屋があるって知らなかったよぅ」

 立ちあがった俺をベッドに引き摺り戻して安藤が言った。


「わしと入れ替わりだからな、次に来るのは明後日だな……」


 更に俺まさぐりながら続けた。


「しかし、あの〝白金鋼ミスリルのお股〟を良く開かせたなあ?」


「いや、なに?……その〝二つ名〟?」

「知らんのか?……萌葱はあの女っぷりでありながら、過去二人にしか股を開いていないのだ!」

「ほほう?」

「萌葱を女にしたのが貴堂院家の大旦那さまだ……しかし、今はリタイアしてるがな……んで、今の男が〝姫〟の…」


「ああ、聞いたコトがある……〝究極のさんぴー関係〟とか、何とか?」


「ああ、そうよ……だから、その萌葱とヤッタとか、不思議でならん(笑)」

「いや、まだキスしかしてないが…」

「それってだぞっ!」

「いや、誰から貰うって?」

「まあ、は確かに凄かったが(笑)……顔は並以下だしなあ?」

「余計なお世話だ!」


「しかし、考えて見ろよ……を見るまでは、トノのアピールポイントって、ナンだ?」

「うっ!?」

「なのに、ウチの高等部の超絶美少女軍団150人が目を〝♡〟にして列をなすって、尋常ではあるまい?」

「ま、まあ、言われてみれば……」


 ―― ウチの学園の美少女も花楓を始め大方は……二回生の一位二位も確か…?

 う~ん、判らん(笑)。


 俺が思索に耽っていると安藤が、また、跨がってきた。

「おい、こら、次に行かんとならないのだが?」

「何号室だ?」

「『204』だな…」

時和ときわ千帆ちほ(あの部屋番号をアピってきた美女だ)か……待たせとけば良か、良かっ!」




 ―― んで、小一時間後……やっと『204号室』に到着したのだった。


「お殿さまって〝150人切りの大魔王〟って言われてるんでしょ♡」

 時和と同じ送迎部署(運転手と言っても大型車担当とか色々あるらしい)の千種ちぐさ 千帆ちほが早速俺のズボンとパンツを脱がしながら妙な〝二つ名〟を言ってくる。


 ―― もう、サイン会の話が尾ひれを付けて拡がっているのか!


 てか、早速、ぱっくん、されたんだがぁ!?……おま千帆ちゃん、手も口も早いのな?(いや、口も、口も、か?)


 ―― おふぅ♡……気持ちいぞっ♡


 一方時和は、もじ、もじ、しながらキスしたそうに顔を寄せてくる。

「おいで♡……ちゅー、しよう♡」

「はいぃ♡……お殿さまぁ♡」

 キスと言うより、れろ、れろ、舐めてくる。なんとなしに、チワワとかの小型犬を連想させる。


 ―― まあ、二人とも可愛いけどな(笑)……てか、俺より歳上なんだがあ(笑)


 今夜の〝巡回〟はここがラストだから、たっぷり、可愛がってやろう。

 俺は時和を裏返して〝M字〟におっぴろげて、れろ、れろ、返ししてやった。


「ひゃいぃ♡……あひぃ、んん♡」


 時和を、ちら、見れば両手で口元を覆い真っ赤になって首を、ぷる、ぷる、振っている。

 益々チワワだ(笑)。


 一方、千帆は唾液まみれのナニを扱きつつ、顔を奥に突っ込んで《不浄の窄まり》に舌を這わせてきた。


 ―― ヤバい、負けそうなんだがっ(笑)




 それでも、何とか〝日付変更線〟を越えずに帰宅したのだった。


 ―― 明後日は、萌葱とのリターンマッチが待っている♡♡♡



            【つづく】

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