第三十七話 さて、打ち合わせも大事ですが、バストアップの施術後で大丈夫でございますよ……なんなら、わたくしもご相伴に預かりたくう♡……まだ、まだ、わたくし諦めておりませんのでぇ♡

 何でなんだよっ!?

 しかも、既にブラウスのボタンも外し終えて、スカートのジッパーに手が掛かっていた。

 ―― もしや、全裸土下座のベテランかっ!?

「もしかして、さん?」

「はっ!?……ご挨拶が遅くなりました……わたくし百々生ももき 萌々ももと申しm …」

 そう言い掛けた彼女が胸ポケットから名刺を取りだそうとして……ジッパー下ろし済みのスカートが床に落ちたのだった。


 ―― 下から現れたのは、透け透けの黒のスキャンティだった。



 改めてももちゃんが両手で名刺を差しだしてくる。

如月きさらぎ キメラきめら先生、わたくしこの度ひずポン先生の担当となりました百々生ももき 萌々ももと申します。

 お二人は大層仲がお宜しいと聞き及んでおります。これからも、度々お目に掛かる事と思います。重ねて宜しくお願い致します。

 また、一縷いちる先輩同様わたくしのコトも使ませ、ませ♡」


 ―― 何かでヤバいんだが?

 って言うか、スカート穿いて欲しいんですがあっ!?

 ブラウスの前もなので、エロスキャンティと揃いのブラもご開示されてるんですがあっ!?


「こちらこそ、まだまだ駆けだしです、宜しくお願いしますね……しかし、この学園の学生さんだとは、何回生ですか?」


「「「はいぃ!?」」」


 三人が異口同音にしたのだった。


「いえ、萌々嬢は成人済みのレディさんにございます♡」

「まあ、卒業生なので、この制服は自前だったりしますが(笑)……ここに潜入するのに役立っています(笑)」


 何でも、秀流がまだ仕事場を持っていない(家族には内緒の為、自宅が使えない)ので、この『漫研』部室を(仕事 兼)打ち合わせにも使っていたのだそう。

 秀流が恐縮して話してきたが、そもそも俺は幽霊部員だしね。


 来年卒業しても、一栞が『漫研』に居れば秀流も自前の制服で仕事しにくれば?……と、言うと本気で考え込んでいる。

 まあ、良いんじゃない……と、言っておいた。



「さて、打ち合わせも大事ですが、バストアップの施術後で大丈夫でございますよ……なんなら、わたくしもに預かりたくう♡」


 そう言って萌々女史は(俺的にはこの呼び名で(笑))未だ隠す気のないブラ越しに幾分ささやかな胸を揉みながら言った。


「まだ、まだ、わたくし諦めておりませんのでぇ♡」


 彼女の勘違いを説明すると、萌々女史は、はた、と手を打って言ったのだった。


「それなら、ここにおっぱいがございますが?……わたくしのおっぱいをキメラ先生が揉んで、ひずポン先生がデッサンする。わたくしのバストアップにも寄与する、ナイスなアイデアでございますわあ♡♡」


 そして、いそいそとブレザーもブラウスも脱ぎ捨ててブラも外してパンいち(いや、スキャンティいち)になった萌々女史に、全員なんだが(笑)。


 一方、残念そうな秀流がデッサン用の大判のタブレットとペンタブを用意する間、萌々女史がPCで下書きカットをチェックしてゆく。

 スキャンティでなければ大層様になる姿ではあったのだが(笑)。



 さて、それから ――

 パイプ椅子を三脚並べて(三人掛けソファーに見立てて)下書きカットでコマごとの位置どりも確認した。

 下校時間まで残り30分ほど、今日は確認程度にするコトとなった。

 ……のだが、


 萌々女史が下書きカットを再確認して「ここの場面、女性は真っ裸ですね」と、最後の砦スキャンティを脱ぎに掛かった。


「ちょ、待ってください……ソコまでしなくても…」


「えぇ~~~っ?」


 何で残念そうかなあ?……ってか、既に膝まで摺り降ろしていた。

 女性の(しかも、美少女・美人取り揃えて)〝下草〟を拝見するのは何人目だろう……

 などと考えているに萌々女史はスキャンティから片足を抜き、膝上にを引っ掛ける大層なスタイルになっておりました。


「この方が、えっちくないですか?……センセ♡」


 いや、今日の先生は秀流なので……と、そっちを見ると、


「萌々ちゃん、ナイスですう♡……わたし、一度描いてみたかった設定ですう♡」


 ―― と、好評な様子。

 しかし、お股の間にガードするの無い女性とこれから(ポーズとはいえ)絡む俺の身にもなってくれっ!?

 危険極まりないんですがあっ!?


 ―― って、いうか……萌々女史、パイプ椅子の上で立て膝になってるしぃ、見せる気マンマンなんですがあっ!?



「それでは、まずはち○びを弄ったり舐めたりするカットから参ります♡」


 いきなり仕切る萌々女史。


 いや、秀流の下書きでは『舐める』絵は無かった……と、思うのだが?

 ―― って、いうか……時間もないし確認程度だったのでは?


「あのう、キメラセンセ……いきなりち○びを、くね、くにゅ、されてもぅ、わたくしまだおりませんのでぇ……多分痛いんですのよぉ!?」


「いや、だから確認程度ですよね?」


「ですからあ……まずは乳房からお願いできますかあ?」


 ―― いや、だから、聞けよっ!?


「萌々ちゃん、そのエロいおぱんつを魅せつけるように、男の腰に両足を巻きつけて欲しい!」


「はあい、ひずポンセンセ♡」


「いや、ちょ、待って……これパイプ椅子なんで、不安定だから…」

 倒れ掛かって、結果的に萌々女史を抱き締めるような体勢に。

 なんか、唇も触れそうになったんだが?


「やあん♡……キメラセンセってば、大胆だいたあんんっ♡」


 両足だけでなく、両腕も俺の首に巻きつけてくる萌々女史。


「うん、良いね♡…良いよ、良いよ、萌々ちゃん♡……乗ってきたあああっ!?」



 ―― その時、下校10分前の予鈴が鳴り響いたのだった。



            【つづく】

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