第四十七話 ちょ、ちょ、ちょ、待ってよぉ!?……ウソでしょおっ!?……つまりぃ、〝真っ裸〟でモブちぃの…か、か、かか、顔を跨ぐ……って、コト、なのぉ!?

「なんでも、モブぅさまは、のヘアが大層お好きだ聞き及びまして、このエプロンドレスに致しましたのですわ♡」

「どうぞ、ご存分にっ♡」

 ―― いや、『ご存分に』って……どうせい、とぅ!?

 後に俺は知るコトとなる。


 ―― これが、一之江いちのえグループの専属デザイナー亙井わたらい 透子とうこの主宰する上流階級の奥さまお嬢さま方ご用達のオートクチュール工房『TOHOKOとおこ』のアダルトバージョンである『TOHOKOとおこAUPEVあうぺぶ (An underground performance version)』ブランドのメイド用エプロンドレスの最新作だったコトを。


 ―― しかし、ロシアの貴族にまで販路を拡大していた一之江グループ……恐るべしいいいっ!?


 そして、背後から、心配そうな声が……

「わ、わたくしの、でばんは……ま、まだ~かしらあ?」



 ―― いや、おひいさま、『出番』は方がお互いに平穏無事だと愚考する次第でありますがあっ!?

 だと言うにぃ!?

 あんの、裏切り者どもがあっ!?


「それじゃあ、ぷりぷりちゃあん♡……スカートとおぱんつをぅ、しましょうねえっ♡」

殿にお見せするで~~すうっ♡」


 ―― いや、『お殿さま』って誰だよっ!?


 俺のを完スルーしたいたる董乃とうのが、ぷりぷりの制服のスカートを脱がしに掛かる。

 いや、お前ら二人ともいつの間にになってるんだよっ!?


「あうっ!?……ちょと、まって、くダサぃ、は……はじゅか、しい、す、よおっ?」


「だいじょぶ、すよ、姫さま♡」

「そう、そう、あの殿は、ホンまモンのじゃけえ、なんも、できんとよぉ!?」


 ―― いや、似非えせ方言交ぜコゼ過ぎだっての……ってか、誰が『バカ殿』じゃけえ、のおっ!?

 それに、『ぷりんぷりん姫』は、ちょーっとないのかっ!?


 などと、暢気のんきに構えている場合ではなかった。

 左右から二人の妖艶巨乳美人人妻に拘束(?)された俺の前に、挟まれてあああっヽ(´Д`;)ノ


 そして、目を瞑って唇を突きだしたぷりぷり姫が俺に迫ってきてえええっ!?


 ―― ちゅー♡♡♡


 可愛くロイヤルキッスを頂戴致しましてごじゃりますうっ♡



 しかしその後、「アレでは物足りませんでしたよね?」と、またジナーさんとマーチさんからな人妻ベロキスを頂戴したのでは、ごじゃりましたあああっ♡♡♡


 ―― 因みに、『ジナー(жена)』はロシア語で『妻』、『マーチ(мать)』はロシア語で『母』らしい。

 本名ではないだろうなあ。

 所謂いわゆるとか?……何だかなってきたんだが?

 『人妻』も何処まで本当か?

 まあ、ベロキスは『人妻』レベル(以上)ではごじゃりましたんですがあ(笑)。


          *



   ■片桐かたぎり 花楓かえで 視点■


 モブちぃ、今日はどうしたんだろう?

 隣のぷりぷりちゃんの席も空いたままだしぃ?

 午前中は二人とも欠席だけど……なぜか、先生方はしてたような?

 昨日の今日で、さっそく二人でないとは思うけどぉ?


「心配ですね、


「は、はいぃ!?」


 〝きすみん〟が、なにか妙な言葉を使った……ような?

 振り返って見るとな顔をしていた。


 ―― えっ!?……つまり、どゆことぉ!?


「ね、ねえ、〝きすみん〟……いま、何て言ったの?」

「『心配ですね、カエちぃ』……だけど?」


 ―― えっ!?……なに?、誤魔化された?


 わたしの中に昨日から『?マーク』が増えていくんだけれどぉ?


          *


 そして、土曜日 ――


 久し振りの可憐のヌードデッサン密室デート(及びキスレッスン)が実現したのだが……


「ねえ、なんであのピンクの美女ひとが居るのぉ?」


 花楓が(いや、今は可憐だ)、ひそ、ひそ、声で訊いてくる。

 まあ、今日もピンクのパンツスーツの萌々ももちゃんだが、よく一縷いちる女史が許してるよな?

「いつもの担当さんが、多忙で代わりに来てるんだけど……こっちが始めたら帰るんじゃない?」


「つ・ま・り・ぃ、う~んと、えろっえろな、ちゅー、をすれば良いってコトよねえっ?」


 ―― 今日の花楓(いや、可憐)は大層前向きだ(笑)。


 しかし、ソファーに並んで坐り互いに腕を絡めて唇を吸い始めたトコロで、萌々女史から『待った』が掛かった。


「センセ、今日は遅れているラストののデッサンをお願いしたい……と一縷先輩から申し送りがございました!」


「いや、デッサンとなると先に撮影をしないと…」

 俺の言葉を遮るように(いつの間に取りだしたのか)萌々が俺の一眼レフカメラを構えて言った。


「わたくし、撮影の心得はございますので、センセには男役をお願い致します♡」


 ―― 今日の萌々ちゃん(いや、萌々女史)は、いつになくなんだがっ!?


 更に、PCまで操作して俺の絵コンテまで示してくる萌々女史に俺も可憐もタジタジだ(笑)。


「それではセンセ……このシーンからお願いします」


 ―― いや、それって一番のなシーンなんだがあっ!?


 男(俺)に逆向きに跨がったヒロイン(可憐)と所謂いわゆる〝シックスナイン〟で愛撫し合うシーンなんだけどぅ!?


 しかも、萌々女史から指示がっ!?


「ここ(ソファー)では狭いのでセンセのベッドをお借りして、お二人には〝真っ裸〟でお願い致します♡」



   ■片桐かたぎり 花楓かえで 視点■


 ―― ちょ、ちょ、ちょ、待ってよぉ!?……ウソでしょおっ!?……つまりぃ、〝真っ裸〟でモブちぃの…か、か、かか、顔を跨ぐ……って、コト、なのぉ!?


 ―― し、ししし、しかもぉ!?


 ―― あ、ああ、あの……し、しし、下書きみたいなの……お、男の人の……アレ、アレを……く、く、くく、咥えてるんだけどぉ!?



            【つづく】

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