第五十一話《拾遺②》 その身に纏うはピンクの透けっ透けの、ぎり、股下のベビードール。 更に、下に纏うショッキングピンクのマイクロ下着は、ご丁寧に〝ち○び〟と〝お股〟の部分がくり抜かれておりました。

   ■片桐かたぎり 花楓かえで 視点■


 ま、まあ、わたしとしてもぉ、モブちぃと結ko……う、うん…えっとぉ…まあ、その……わ、悪い話じゃなかったけどぉ♡


 ―― で、でもぉ!?……この話(側室云々うんぬん)は、ぷりぷりだけじゃなかったのよぉ!?


 なんでぇ……あの、担当編集者の巨乳美女やら、その娘の生徒会長やら、一之江いちのえグループの(いえ、独身の方は姦婦とは呼ばないけど)にまでモブちぃの……あ、を差しださないとイケナイのよぉ!?

 ええいっ、なんでイケメンでもないのにぃ、モブちぃの周りに美少女やら美女やらが寄ってくるのよぉ!?



 そう言えば……わたしは諦め半分でぷりぷりの背後に居る、メイド二人に声を掛けた。


「そ、それとぉ……ジナーさんと、マーチさんでしたか?……貴女たちは…えっと、だ…旦那さまが……い、居るのですから…」


「勿論でごさいますわ、お内儀さま……お毒味以上のコトは、致しませんわ…………たぶん…」


 ―― いえ、『たぶん』って、なによぉ!?……スルわね、絶体っ!?……スル気満々よねっ!?


 でもぉ、そうだわ、昨晩…いえ、今朝もアレだけシテるんだから、そうは回数も……で、できないわよね…


「そうそう、お内儀さま……ロシアの軍部が秘密裏に開発した特効薬もございますしぃ……わたくしたちも、《舌技》は様々に会得してございます故に、そのは、無用でございます♡」


 ―― し、しし、心配なんか、してませんからねっ!?



 そうして、モブちぃは隣の部屋に〝連行〟されていったのだった。


          *


 ぷりぷりの部屋は(いや、見える範囲だが3LDK全てが)、今朝慌ただしく引っ越してきたとは思えない程、片づいていた。


「おひいさまは、まずお着替えなさいませ♡」

 ジナーの言葉にぷりぷりが戸惑いを滲ませる。


「あ、あ、あ、アレ……着るのぅ!?」


「とてもお似合いでしたわ♡」

 マーチもその背を押したのだが…

「うううっ……」

 泣きそうな声だ。


 ―― まあ、多分………あの〝何とかいうエロ下着メーカー〟のヤツなんだろう(笑)。


 そのまま、ぷりぷりはマーチに別室に連れ去られたのだが……

 俺もジナーにぷりぷりとは別の部屋へ誘われた。


「それでは、お殿さまの〝ご準備〟は、不肖ながらわたくしが務めさせて戴きます♡」


 ―― 『不肖』と言う割りに自信満々なんだがあっ(笑)


 仕方ないので、好きにさせる。抵抗しても、意味なさそうだしぃ(笑)。

 部屋の中央に立ってジナーに脱衣は委ねて、室内を見回した。

 どうやら、ぷりぷりの居室らしい。

 らしい……と言うのは、ベッドやカーテンに壁紙(いつ貼り替えたんだ)も、可愛い系だったからだ(の部屋の訳がない)。


 そんな俺の心の声を読んだ(この女ならあり得る)のか、最後の一枚(今日は黒のボクサーブリーフだ)を脱がさずに顔を傾げて、いきなり、橫咥えしてきた。


「おほぅ!?……ちょ、まっ、あはぅ♡」


 綿の布さら、はむ、あむぅ、と咥えたまま舌を下から上に滑らせた。


 ―― それだけで、80%は準備が整いつつある。クソおっ、負ける訳にはいかんっ!?


 またも、心を読まれたか上目遣いで、にまっ、と笑ったまま、ずるり、と脱がされていた。


 妖艶巨乳美女の目に触れただけで、残りの20%の半分くらいは伸びあがって、ぺちん、と下腹に貼りついた。


 ―― クソおおおっ!?……でも、まだMAXじゃないからなっ(笑)


「想像以上のご立派な〝お道具〟……感服つかまつりましてございます♡」


 ―― 貴女ジナーさんホントにロシア人です?…日本語が達者過ぎるんですがあっ(笑)


 などと、暢気のんきに感心している間に、ぱっくん、されていたのだった。


 ―― その後は、ジナーさん妖艶巨乳美女でございました(笑)。



 数分後 ――

 ノックの音に、りゅぽんっ、と吐き戻したジナーが返事を返すと、もじ、もじ、とお姫さまの入場だ。


 その身にまとうは ――


 確かに、18歳の〝おボコ娘〟には些か荷が重かろう(笑)。


 ピンクの透けっ透けの(いや、の)、ぎり、股下のベビードール。

 更に、下に纏うショッキングピンクのマイクロ下着は、ご丁寧に〝ち○び〟と〝お股〟の部分がくり抜かれておりました。


 ―― 恐るべし、一之江いちのえグループの〝エロ下着メーカー〟ではありました。

(この時はまだ、まさか、これからの俺の人生に深く関わってくるとは、思ってもいなかったのだが)


          *



   ■片桐かたぎり 花楓かえで 視点■


 モブちぃが隣の部屋にから数刻 ――


 お母さまがこの部屋を訪れた。

 多分、こちらの行動はすべてご存じなのだろう。

 昨晩の無断外泊を叱られると思ったのだが、お母さまのお話はそれを超えた先にあった。


 モブちぃを絡めて、ロシア国の某貴族連合体、一之江グループ、そして片桐コンツェルン、の三組織が総合的に目指す未来……


 ―― って、そんな〝翔んでもハップン〟なお話なのぉ!?(思わずモブちぃの口癖がでちゃったわよぉ!?)


「まあ、お父さまにはお父さまのお考えがあるでしょうし、いずれ貴女かえでも関わる日がくるでしょう……それまでは夛茂たもくんの隣の席(籍)をしっかり握っておきなさいね」


 ―― お母さまはいつだって『お父さまが』と仰るが、実際に片桐の家コンツェルンを握っているのは……いえ、わたしはそこに口を挟む歳でもない。

 今は、モブちぃが絡め捕ってゆく人脈を把握し、それを掌握しておけば良いのだろう。


「判りました、お母さま。わたしは、わたしの為すべきを成します!」


「ふふふ、貴女も良い顔をするようになりましたね♡」


 お母さまがわたしの頬を、そっと、撫ぜて立ちあがった。


「暫くは、くんのハーレム作りを後押しするのが良いでしょう、がんばりなさい!」


 そう言い残してお母さまは帰って行ったのだった。



 ―― ハーレムなんて、ハーレムなんて、認めたく無いんだけどおおおぉ!?



            【つづく】

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