第五十話《拾遺①》 いや、だからね花楓さんっ!?……ソコ握られてると話が進まないんですがあっ!? それとね、ソコにですね、上下運動を加えるのは、如何なモノかとぅ!?

 民法第七百三十二条に「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない」とある。

 更に、刑法第百八十四条には「配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。」とある。


 まあ、実際はと言うだけだ。所謂いわゆる事実婚に法的な処罰がある訳ではない。

 明治◯皇には、側室がいたしね。

 まあ、◯皇家と庶民では、イロいろ違うんだけどね(笑)。



 何が言いたいかというと……

 俺は二人の美少女と事実上の婚姻関係(いや、まだ【同棲】か?)になった、と言うコトだ。

 いや、実際は(?)済し崩し的に、と言いたい気分ではあるのだがぁ!?

 更に、それは、と、どう違うのか……と言う話だが(笑)。


          *


 ―― 話は半日前に遡る。


 昨晩、、二人に用意されていた寝所で花楓と結ばれた俺たちは、それまでの周りからのを振り払うように、何度も、何度も、愛し合った。


 そして、それから、俺としては寝物語にことよせて二人の将来についても話し合いたかったのだが……


 ―― いや、だからね花楓っ!?……握られてると話が進まないんですがあっ!?


 因みに、俺は仰向けに、花楓は俯せで、二人ともだ。


「やだモンっ!?……なんかね、わたしの掌に、しっくり、馴染むのよぉ♡」


「……………………」


 俺も、俺の掌に花楓の柔尻を揉んでやろうか……とも思ったのだが、当然それだけでは終わらない予感に二の足を踏んだのだが。

 俺としては、いずれ花楓の父上・母上とも話さなければならない、と結構真剣に考えていたのだが。

 いや、学生の身で(勿論、多少の生活費は稼いではいても)、まだ結ko…う、いや……まあその、イタしてしまっただけは…と、


 ―― だからね、にですね、上下運動を加えるのは、如何いかがなモノかとぅ!?


 結局、その夜は東の空が白むまで更にしまったのだった。



 ―― しかし、翌日、な出来事が待っていたのだった。


          *


 日曜日の朝、俺のマンション(いや、勿論、Wマガジン社の所有だが)の隣の部屋に引っ越しセンターの社員が大量の段ボール箱を運び込んでいた。


 そういやあ、数日前にその部屋の住人(四人家族だったような)が慌ただしく退去していったなあ、とも思い出したのだが。

 隣の部屋は角部屋でもあり、確か3LDKだった筈だ。因みに、ウチは(いや、角部屋以外の部屋も)1LDKだ(笑)。


 俺は、花楓と朝食を買いに出るトコロだったので、(すぐ買い手が付くんだな、と感心しながら)横目で見つつエレベーターに向かったのだが。

 昨夜(いや、今朝だ)、花楓には自宅に帰るように言ったのだが、がん、として聞き入れて貰えなかった。


 ―― 俺的には、父上さまの今後の動向が気になるんだがぁ!?



 しかし、取り敢えずそれは横に置いておかざるを得ない事案が発生していた。

 朝食を買ってマンションに戻ると、隣の部屋の前で最近知り合った巨乳人妻美女メイドさん二人が箒を手に掃除をしていたのだ。


 ―― いや、だから、何の冗談ですかねぇ!?


「お帰りなさいませ、お殿さま♡」


 ―― いや、『お殿さま』って誰だよっ!?


花楓第一夫人さまも、ご機嫌麗しゅう♡」

「後ほど、引っ越しのご挨拶に伺いますれば♡」


 ―― 花楓的には、『第一夫人さま』でOKっぽい了承済みのだがぁ!?

 いや、花楓さん、そんなに良いんですか?

 まだ籍も入れてないしぃ……父上さまの了解もまだなのでしてぇ!?


「お父さまなら、大丈夫よぉ♡……お母さまの機嫌を取っておけば、凡て問題なしオールOKだわ♡」


 ―― えっ!?……また、声にでてた?




 それから小一時間後、俺の部屋の応接スペースにが坐っていた。

 言わずと知れた〝ぷりぷりちゃん〟である。

 その背後には妖艶巨乳美女仕様(つまり、、エロメイドヴァージョンだ)の二人が直立不動だ。

 しかし、考えてみればぷりぷりは勿論貴族家当主の娘だが、背後の二人だってメイドの姿だが、その当主の妻(後妻らしいが)と義理の母( ← 当主の父に嫁いだらしい)なのだが?

 良いのか? その立ち位置で?


 一方、こちらは俺の膝の上に花楓が坐っている。


 ―― 重くはないので良いんだけど……随分大胆になりましたね、花楓(笑)。


第一夫人花楓さまとのも無事にお済みのご様子でしたので、次は我らが第二夫人ぷりぷりさまの番かと♡」


 日本語がまだ達者でないぷりぷりに代わってジナーが話を進める(『ジナー(жена)』はロシア語で『妻』だそう)。

 一方、マーチは、俺に魅せつけるように両手で剝きだしの推定96センチGカップ(あるいはHカップ)を揉んでいる(『マーチ(мать)』はロシア語で『母』らしい)。


 ―― 俺の膝に(というか、腿の辺りに)花楓が坐っているのでご遠慮申しあげたいのですがあっ!?

 花楓は花楓で坐り心地を直すように、いぐ、いぐ、するの止めて貰って良いですかね?

 その花楓が、こほん、と咳払いをして口を開いた。



「一つだけ、宜しいかしら?」



 ―― えっ!?……なにっ!?……こんなシリアスモードの花楓は初めてなんだがっ!?


「ぷりぷりのコトは認めますわ……しかし、この部屋はわたくしとモブちぃの〝〟なので、他でイタしてくださいね!」


 ―― はいぃ!?……ど、どしたの、花楓っ!?

 一人称も『わたく』とか言ってるしぃ?


「当然でございます、お内儀さま……その為に隣の部屋を用意しましたのですわ」


「そ、それは良い心掛けですわ……まあ、世界を獲るおとこだったら、置かなくちゃ、ね♡」


「流石です、お内儀さま♡」


 ―― か、花楓……な、なんかね、密約とか、無いですよねっ!?




   ■片桐かたぎり 花楓かえで 視点■


 し、仕方ないじゃない!……お父さま(いえ、実際はお母さま)から、のだものぉ!?

 な、なんでもロシアに販路の拡大を模索していたナイスなタイミングだった……ってぇ、娘を(いえ、娘のオトコを)売るのぉ!?


 ま、まあ、わたしとしてもぉ、モブちぃと結ko……う、うん…えっとぉ…まあ、その……わ、悪い話じゃなかったけどぉ♡


 ―― で、でもぉ!?……この話(側室云々うんぬん)は、ぷりぷりだけじゃなかったのよぉ!?


 なんでぇ……あの、担当編集者の巨乳美女やら、その娘の生徒会長やら、一之江いちのえグループの姦婦ども(いえ、独身の方は姦婦とは呼ばないけど)にまでモブちぃの……あ、を差しださないとイケナイのよぉ!?


 ええいっ、なんでイケメンでもないのにぃ、モブちぃの周りに美少女やら美女やらが寄ってくるのよぉ!?



            【つづく】

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