第四十九話 脱衣室で並んで服を脱ぎ、手を繋いで湯殿にでた。月明かりだけが俺と花楓を迎えてくれた。俺たちは互いの裸身に掛け湯をして、ゆったり、と湯槽に浸かった。

 ジナーさんがっと言ったのだった。

「ご心配には及びませんわ♡……わたくしから、当主であるに申し伝えますので♡」

 更に、マーチさんまで…

「わたくしからも、当主である( ← 当主の父に嫁いだらしい)に申し置きますわ♡」


 ―― 因みに、『ジナー(жена)』はロシア語で『妻』、『マーチ(мать)』はロシア語で『母』らしい。

 本名ではないだろう ―― 所謂いわゆるとか?……と、思っていたんだが?

 『妻』も『母』も……ほ、本物か?、ホンモノなのかあああっ!?

 まあ、ベロキスは『人妻』レベル(以上)ではごじゃりましたんですがあ(笑)。


 ―― ってえええっ Σ(Д゚;/)/ ……そ、そんな『お貴族の当主さま』の奥さま方と、ベロキスとか、オッパイとか、しものブロンドヘアとか……い、イロイロ、触ったり、ナニしたりした(いや、正確には『させられた』)んだがあああああっ!?


          *


 この日は、俺も花楓かえでも、イロいろあって(特にぷりぷりの調の開示とか(笑)で)疲れきってしまったので、ぷりぷりの希望の『マンガの制作原場の見学』は、後日にして貰った。

 それでは、代わりに食事会にしましょう、と一縷いちる女史に言われたら流石にそれまで断り切れなかった。


 ―― ホントはこのまま寝てしまいたかったのだが(笑)。

 今なら花楓と同衾どうきんしても、爆睡する自信があるぞ(笑)。


 まだ隣にいた花楓を、ちら、見ると……

「ふふふ♡……わたしもぉ♡」

 と、上目遣いで囁いた。


 ―― えっ!?……俺また声にでてた?


「このまま、一緒に寝たいかもぉ♡」

 俺に腕を絡ませて花楓が言ってくる。

 88センチF カップが、俺の二の腕で、むにょん、と潰れた。


 ―― ヤバいっ!?……前言撤回だっ!?……で襲い掛かる自信ないぞっ(笑)。


「い・い・わ・よ・ぉ♡」


 降ろした手指を〝恋人繋ぎ〟にしてくる花楓が可愛いしかない。

 そして、俺の情動が爆あがった、その時だった ――


「う、おほんっ!……お二人とも、いちゃこら、はそこまでにして、着替えをお早く!」


 背後から萌々もも女史の声が(笑)。


          *


 そんな訳で、ぷりぷりたちの宿泊している一之江いちのえグループの息が掛かった瀟洒しょうしゃな日本旅館に移動した。

 ってか、中規模ホテルくらいなランクのようだが貸し切るって…………金は出てるのか気になるんだが(笑)。


 女将おかみ(和服美人だ)の案内で廊下を進むとこ洒落た庭に茜が射して池の鯉が、ばしゃん、と跳ねた。

 女将の話だと、その奥に和モダンな露天風呂があるそうだ。

 花楓と二人で入りたいぞ(笑)。


 未だ手を繋いでいる花楓の耳元で囁いた。

「後で一緒に入らない?」

 横顔を、ちら、見ると幾分頬を染めて、こくん、と頷いてくれた。


 ―― ヤバいっ!?……効果か?(笑)


 そして、女将の案内で着いたのは十二畳くらいの畳敷きの小宴会場だった。

 既に坐テーブルが『コの字』に並べられていて、向かって右手の下座にはいたる董乃とうのが坐っていた。

 まあ、こいつらもだよな(笑)。


 ―― んで、なんで俺がの中央なんだ?


 女将が俺をそこに坐らせ、左隣が花楓、右隣がぷりぷりだ(左隣が〝奥さま〟ポジションって、ホントなのか?(笑))。

 次いで花楓側に一縷女史と萌々ちゃん(その先に洸たち)が。

 反対側(ぷりぷり側)に巨乳人妻美女二人の席がのだが……何故か、お二人は俺の背後に居るんだがっ!?

 そのの先に坐っている二人はぷりぷりの随行員だろうか(服装は普通だ(笑)……因みに、オッパイは大きい(笑))。


 全員が着席して女将が、ぽん、ぽん、と柏手を打つと料理が運ばれてきたのだが……


 ―― いや、だから、なんで……中居さんが〝裸エプロン〟なのっ!?

 しかも、例によって〝臍下10センチ〟はな短さなんだがっ!?

 これも、エロ下着メーカー製なんだろうなあ(笑)。


 『コの字』の中央へお膳を運んで入ってきた中居さんたちが、その格好にもというコトは……つまり、ここは政財界のお偉方の、旅館、なのだろう(何気にヤバくね(笑))。


 まあ、料理は高級和食で大層美味しかった。


 ―― ただ、ジナーさんと、マーチさんが、交互に『はい、あ~ん♡』してくるのが、困りモンですがあっ(笑)。


 しかも、例の〝エロメイド服〟なので、花楓の機嫌が急降下してゆくのが目に見えて、末恐ろしいんだがっ!?

 ぷりぷりはと言えば、単純に料理に舌鼓をうっていた(まあ、そんなモンだろう)。


 基本的に職業婦人四人(編集部の二人と、メイドさん二人)以外は未成年なので、酒はだされていない。

 なので、そういうはなく、食事会は終了したのだった。


          *


 ―― と言う訳で、花楓と〝露天風呂デート〟だ。


 ヤバいぃ!?……期待で胸が(いや、ほぼそれ以外が)膨らむぞおっ♡♡


 女将が〝和モダン〟と評したそこには、珪藻土けいそうどの壁に片流れ屋根の脱衣室と、大きな檜風呂が設えられていた。


「素敵ぃ♡♡♡」


 確かに、それ以外の言葉は要らなかった。

 脱衣室で並んで服を脱ぎ、手を繋いで湯殿にでた。

 月明かりだけが俺と花楓を迎えてくれた。

 俺たちは互いの裸身に掛け湯をして、ゆったり、と湯槽ゆぶねに浸かった。



 ―― その夜、俺と花楓は〝ひとつになった〟のだった。



           【第一部 完】

※ 次回更新は土曜日辺りの予定です。

「近況ノート」をご覧ください。

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