第五十二話《拾遺③》 ディープキスも大層気持ちが良い♡ 『旦那と別れて彼是十云年』とのお言葉だが、その『十云年』にも弛まぬ研鑽を積まれていたのだなあ、と感心させられる。 人の上に立つ者の鏡であろう。

   ■片桐かたぎり 花楓かえで 視点■


 今は、モブちぃが絡め捕ってゆく人脈を把握し、それを掌握しておけば良いのだろう。

「判りました、お母さま。わたしは、わたしの為すべきを成します!」

「ふふふ、貴女も良い顔をするようになりましたね♡」

 お母さまがわたしの頬を、そっと、撫ぜて立ちあがった。


「暫くは、くんのハーレム作りを後押しするのが良いでしょう、がんばりなさい!」


 そう言い残してお母さまは帰って行ったのだった。



 ―― ハーレムなんて、ハーレムなんて、認めたく無いんだけどおおおぉ!?


          *


 その頃、ぷりぷりルームでは ――


「ホントにぃ、このまま、お殿さまの……お、おか、お顔を、跨ぐのしゅかあっ!?」


「大丈夫でございますよ、おひいさま♡……その為に創られたご衣裳穴開き下着ですわ♡」


「お、お殿さま…め、め、目を摘むっていてくじゃさあい…はうぅ!?」


「大丈夫だよ、俺に任せなさい♡」


 ―― まだだというのに、俺も余裕ブッコイてるモンだが(笑)。


 そして、俺の顔の(というか、口の)上にぷりぷりが坐ったタイミングで、下の方では妖艶巨乳美女二人ジナーとマーチが俺にアタックを掛けた。

 している方には今度はマーチが、ぱっくん、をかまし、ジナーはに舌をこじ入れてきた(ヤバい、初体験な)んだがあっ(笑)。


 ―― こうして第二夫人ぷりぷりとの初のは無事終了しta……いや、旦那持ちの二人にも、がっつり、跨がられたのだった(ロシアの地を踏んだ途端、背後から、ブスリ、とか勘弁して欲しいんですがあっ!?)。


          *


 明けて月曜日 ――


 登校した俺(と花楓)を教室の前で董乃とうの(生徒会副会長だ)が待っていた。

 そして、そのまま学園長室に連行されたのだが。

 道中董乃が、ぴとっ、と腕を絡ませてきて、歩き難い。


「わたくしの順番が待ち遠しいですぅ、旦那さまあっ♡」


 ―― いや、何の順番でしょうかあっ!?


 そして、学園長室の重そうな扉をノックするとすぐに返事があり……


「待っていたわあ、モブぅクンっ♡……旦那と別れて彼是かれこれうん年、と~~~ても愉しみだわあっ♡」


 ―― んむっ…(れろ、える、りゅろぅ)…ん、んっ…(じゅる、るろろぅ、ちゅぽっ)…んん…(ぴちゅ、ちゅぷ、えろろろぅ)…(じゅるる、ぢゅずずっ、ずずずずずぅっ)…んふっ、あ、はふぅ……


 いきなり、ディープキスを


 一之江いちのえ いくる女史。本学園の創始者の『本家筋』にあたる家系らしい(つまり、一之江グループの中枢に居る、というコトだ)。

 40代半ばのすこぶる付きの美人さんだ。しかもオッパイは、ブラボー、なサイズである。

 なので、ハグされた推定97センチHカップが俺の胸板で潰れ捲くる(笑)。


 ―― ん?……〝きすみん〟と同じくらい?のサイズか?……それで、このウエスト(推定サイズの開示は控えるが、ブラボー、と言っておく)。


 かまされたディープキスも大層気持ちが良い♡

 『旦那と別れて彼是かれこれうん年』とのお言葉だが、その『十云年』にもたゆまぬのだなあ、と感心させられる(笑)。

 人の上に立つ者の鏡であろう。


 ―― 勿論、ディープキスだけで終わった訳では……当然、無い(笑)。


          *


 ただ、今朝方、花楓が俺に約束させた【申し送り事項】があった。


 『今後、ロシアの貴族連合体、一之江グループ、そして片桐コンツェルンの三組織が、複合的に絡まりながら押し進めてゆく事業展開コングロマリットが始まる…

 その全体像はわたしにはまだ見えてこないが、モブちぃ旦那さまにお願いしたいコトは二つだけです…

 一つは、今後、アナタ旦那さま女性を(多分、モブちぃの好みに合わせてくるだろうしぃ)積極的に絡め取って【ハーレム】を作るコト。

 もう一つは、ここに帰ってきた時は、どんなに疲れていても、わたしを抱くコト。

 お願いは、それだけ!』


 『お願い』と口にした花楓が、その唇を噛み締めたのを俺は見逃さなかった。


 ―― 花楓公認の〝ハーレム〟って、だよっ!?


 勿論、まだ籍は入れてないが、花楓は俺のだ。

 あの夜、花楓としとねを共にした時から、花楓は俺の妻だ。

 その後、ぷりぷりたちと身体を重ねたが、それは俺にとっては、【肉体的な愛情表現】に過ぎないのだ。

 勝手なぐさに聞こえるだろうが、俺の心は花楓にしか向いていない。


          *


 ―― そんな訳で、学園長室の奥に『ベッドルーム』で【三回】絞り取られた俺だった。


「中々に愉しい時間だったよ、モブぅクン…ありがとね♡」

 服装の乱れがないか確認していくるが扉の向こうに声を掛けた。

「待たせたな、入ってくれ」


「キメラ先生の四代目担当編集を拝命致しました春夏冬あきなし あきと申します♡……まだ、未熟者ではございますが、誠心誠意殿にお仕えする所存にございますぅ♡」


 入室した濃紺のパンツスーツを、きちっ、と着こなした美女(いや、美少女にも思える若さだ)が、両手で名刺を差しだし歯切れの良い声で自己紹介をした。

 綺麗な黒髪を首後ろで束ね、額は眉毛のラインで横一文字に切り揃え、これで鬢削びんそぎしていたら何処のお姫さまかという風情だ。


「うん、うん、やはり新人は紺のスーツが良いね♡」


 学園長が目を細める。

「このは苗字は違うがわたしの姪に当たるのだが、今回無理を言って編集部に押し込んだんだ……実はまだ『貴堂院女学苑きどういんじょがくえん』の短期大学部の二回生でね、卒業前だが仕事はできる筈だよ」

 そして、にまっ、と笑って続けた。

「なにより、編集長の〝お手付き〟前だしね……〝おボコ娘〟だが、モブぅクンの色に染めてやってくれ……はっ、はっ、はっ♡」


 それを聞いて秋が紅葉真っ赤に染まった。



 その後、ソファーに坐って真面目な仕事の話に移ると、煜も秋も雰囲気が引き締まる。こういう切り替えができる人が俺の周りには多いなあ、と思った。


「まず、モブぅクンと秋の学園での単位は凡てとなる。まあ、後数ヶ月も無いがね……そして、準備が整ったら『サイン会ツアー』に出て貰います…」


「は、はいぃ!?」


 いきなりな話である。


「根幹となるのは、キメラ先生の〝えろまんが〟を通して我が一之江いちのえグループの『TOHOKOとおこ』の、いえ、アダルトバージョンである『TOHOKOとおこAUPEVあうぺぶ (An underground performance version)』ブランドの世界進出を後押しして戴きたいのです!」


 ―― 更に、〝翔んでもハップン〟な話だったっ!?



 俺は開いた口が塞がらなかった。



            【つづく】

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2024年12月24日 05:08

エロマンガのデッサンの為にヌードモデルを呼んだら同級生が来た件っ!? なつめx2(なつめバツに) @natume_x2

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